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認定NPO法人になって、相続財産の寄付を受け付ける

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認定NPO法人のメリットのひとつに、相続財産の寄付を受けやすくなることがあります。金額が大きいことも多く、NPOの資金源のひとつとして、今後の発展が期待されています。

でも、普通の寄付と違って、呼びかけにくいし、複雑そうだし、少々尻込みしてしまいますね。

相続財産の寄付を受け取るチャンスは、そう何度もないかもしれませんが、思いがけず突然やってくることがあります。その時に、受け入れ体制が整っていないと、寄付者の期待に応えることができません。

備えあれば憂いなし。今のうちから、最初の一歩を踏み出しておきましょう。

ビフォーアフター

ビフォー

相続財産の寄付の申し出があっても、受け入れ体制が整っていないので、期待に応えられない。

アフター

相続寄付の受け入れ体制を整えることで、急な申し出があってもすぐに動き出せる!
相続寄付の受け入れを公表することで、寄付を真剣に考えてくれる人が増える!

手順

1. 認定NPO法人になる!

認定NPO法人は、相続財産の寄付について大変大きなメリットがあります。
まず、認定NPO法人になりましょう!

● 相続財産の寄付に関するメリット
相続人が認定NPO法人に寄付をした場合
→ 寄付をした相続財産が非課税になります!
例えば、1億円の相続財産があった場合、このうちの8,000万円を認定NPO法人に寄付すれば、相続税の課税対象額が2,000万円になる。
ただし、これは金銭の場合で、不動産(土地・建物)等は扱いが異なり、寄付者に「みなし譲渡課税」がかかる可能性があります。遺贈や相続財産の寄付は税制も複雑なので、税理士等専門家の関与が不可欠です。

認定申請の詳細は、ぜひシーズにご相談下さい。
http://c-s.or.jp/index.html

2. 相続財産寄付のメリットを広報 ①会員・寄付者

認定NPO法人になったら、相続財産寄付のメリットを広報しましょう。
まず、最も効果的なのは、すでに活動への理解がある会員や寄付者。相続人になった時に、相続財産の一部を寄付してくれる可能性が高くなります。

3. 相続財産寄付のメリットを広報 ②ホームページ

相続財産の寄付を受け入れるということを、ホームページ等で、ひろく知らせることも大変重要です。社会的に、相続をきっかけに、非課税メリットのある寄付先を探し出して、財産の一部を社会貢献に役立てたいと考える人が増えているからです。
それまで、全く接点がなかった人が、ホームページを検索して、みなさんの法人にたどり着くことがありますし、相続を助ける専門家(弁護士、信託銀行など)は、もし相続人から寄付の検討を依頼されれば、認定NPO法人のリストをチェックします。
相続をきっかけに、新たな支援者と巡り合う可能性があることを、よく頭にいれておきましょう。

4. 相談できる専門家と提携する

相続財産を受けた相続人は、相続発生から10か月以内に相続税の申告を行わなければなりません。葬儀を終えて、遺言書の有無を確認して、相続人を選定して、という間に3カ月はすぐに経過します。それから遺産を調査し、遺産の評価額を確定していると、10か月はあっという間。この期間に、寄付の話も進めなければならないので、受け入れ側にもスピードが重要。ことが起きてから、理解ある専門家を探していては間に合いません。日頃から、相続財産の寄付に理解のある専門家と提携しておくことが大切です。

また、法人側に限らず、相続人にとっても、「相続財産の寄付」に詳しい専門家と出会えることは重要です。多くの場合、相続人が相続税の申告を依頼する専門家は、「相続」には詳しくても、「寄付」の経験は乏しかったり、そもそも、そういったことに関心が弱かったりします。そこで、相続人が、法人を通して、寄付にも詳しい専門家に相談できれば、安心して寄付を進めることができます。

5. 相続財産寄付の事例を情報交換

相続財産の寄付は、ひとつの法人が経験する件数はそれほど多くないかもしれませんが、一件ごとに様々なドラマがあり、「寄付」という行為について、学ぶべきことの宝庫と言えます。よりよい寄付文化の推進のため、他法人と事例をわかちあい、認定NPO法人が協力して、社会的に、相続財産の寄付を推進していくことが大切ではないでしょうか。個人情報の取り扱いに注意しながら、意欲的な専門家も交えて、研究会や、勉強会を呼びかけ合いましょう。

6. 相続財産寄付の受け入れ成果を公表

相続財産の一部を寄付するというのは、通常の寄付に比べて金額が大きかったり、故人の思いを込めた記念碑的な寄付であったり、物語に富んでいます。相続財産の寄付を受け付けて、どのような成果があがったのか、社会にひろく公表することで、寄付者への感謝を表すとともに、「寄付」の持つ力を積極的に発信することができます。人から人へ託される思いを、ぜひ社会に共有してください。

コツ

● 相続は忙しい!
相続税の申告は、相続開始より10か月以内と、法律で定められており、資産が多い場合、また資産が複雑な場合は、大変な忙しさです。その中で、寄付を申し出てくれるということは、それだけの強い意志をもって寄付してくれるのだということを、まず理解しましょう。そこにある思いを、確かな成果につなげるために、受け入れ側はスピーディーな対応が求められます。
相続財産寄付の話が来てから対処をはじめるのでは遅く、いつそうなっても良いように、日頃から専門家とつながったり、他法人と事例研究をしたり、受け入れ体制を整備しておくことが大切です。

Cs

NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会

1994年11月創設。1998年のNPO法成立、2001年の認定NPO法人制度成立、そして2011年6月の制度大改正を市民側からリード。市民活動を支える制度を勝ち取ってきました。NPOの個別サポートプログラムを4月からスタート。これからのシーズは、「基盤整備の時代」から「NPOの成長と成果の時代」を目指します。

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本記事は、2014年04月12日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。
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