県税の優遇を受ける方法(宮城県)
宮城県では、特定非営利活動法人(NPO法人)を対象とした県税の優遇措置を設けています。税金を優遇する分、公益的な活動で社会に還元してくださいということですから、こうした制度を活用しつつ、活動の成果を上げてしっかり社会にお返ししていきましょう。 |
ビフォーアフター
ビフォー県税の優遇措置があることを知らず、その分の税金を納めた。 |
アフター県税の優遇措置を受け、その税金の分も、団体が行う公益的な活動に使うことができた。 |
手順
1. 県税の優遇措置の概要を知る
まずはどのような優遇措置があるのかを知りましょう。優遇措置を受けるには、いずれも申請が必要です。
◯すべてのNPO法人を対象
・法人県民税均等割
収益事業を行っていない場合、均等割が免除されます。収益事業を行っている場合も、設立の日以後3年以内に終了する各事業年度について、赤字の場合は均等割が免除になります。
・不動産取得税
活動で使用する不動産を無償で取得した場合、不動産取得税が免除されます。
・自動車取得税
活動で使用する自動車を無償で取得した場合、自動車取得税が免除されます。
◯福祉を担うNPO法人を対象
・自動車税及び自動車取得税
介護保険法に規定する居宅サービス事業、地域密着型サービス事業、介護予防サービス事業及び地域密着型介護予防サービス事業の指定を受けたNPO法人がこれらのサービス事業で使用する自動車を取得・所有した場合や、県などから委託または補助を受けて行う福祉サービスで使用する自動車を取得・保有した場合、自動車税及び自動車取得税が免除されます。
◯ナショナル・トラスト活動を行うNPO法人
・不動産取得税
環境の保全を図る活動の一環として、その自然環境の保存及び活用に関する業務を行うNPO法人が、指定地域内において自然環境として保全すべき山林等を取得した場合、不動産取得税が免除されます。
次の手順からは、多くの団体に関係する法人県民税均等割のことについて説明します。それ以外の優遇措置については、宮城県の税務課か管轄の県税事務所にお問い合わせください。
2. 県税事務所から必要な用紙が届く
ここからは法人県民税均等割の優遇措置についての説明です。
〈収益事業を行っていない法人の場合〉
毎年3月中旬頃、管轄の県税事務所から県税の税務申告に必要な書類が届きます。
〈収益事業を行っている法人の場合〉
決算月の翌月中旬から下旬頃に、管轄の県税事務所から県税の税務申告に必要な書類が届きます。
県税事務所は昨年度の実績を元に収益事業を行っているかどうかを判断して、必要な書類を送ってきます。新規の法人については、どちらでも対応できるようすべての書類が送られてきます。
3. 県民税均等割免除の申請をする
〈収益事業を行っていない法人の場合〉
法人の決算期にかかわらず、4月30日までに以下の書類を管轄の県税事務所に提出します。
(1) 平成○○年度 道府県民税の均等割申告書(第11号様式)
(2) 県民税均等割免除申請書
(3) 定款の写し
(4) 法人の登記事項証明書(コピー可)
(5) 貸借対照表及び収支計算書
〈収益事業を行っている法人の場合〉
法人の設立の日以後3年以内に終了する事業年度に限り、収益事業の所得がゼロもしくはマイナスであった法人は、県民税均等割が免除になります。
決算期から2ヶ月以内に以下の書類を管轄の県税事務所に提出します。
(1) 確定申告書(第6号様式)
(2) 県民税均等割免除申請書
(3) 定款の写し
(4) 法人の登記事項証明書(コピー可)
(5) 貸借対照表及び収支計算書
(6) 法人税申告書(別表1(1)及び別表4)の写し
画像は県民税均等割免除申請書です。
4. 課税免除決定通知書が届く
無事に免除が決まると、課税免除決定通知書が届きます。通知書が届くまではけっこう時間がかかるので、気長に待ちましょう。
写真は筆者の所属する団体に届いた法人県民税免除決定通知書です。
5. 収益事業を始めた場合/やめた場合は届出をする
これまで収益事業を行っていなかった団体が新たに収益事業を始める場合や、逆にこれまで収益事業を行っていた団体が収益事業をやめることもあるでしょう。その場合は、税務署に届出をするのはもちろんですが、県税事務所にも届出をします。下記のページから法人設立等届出書をダウンロードして、異動の事実が発生してから1ヶ月以内に届出をしましょう。
コツ
市町村でも、収益事業を行っていない特定非営利活動法人を対象として、法人市町村民税均等割の減免の制度があるところが多いです。詳しくは市町村の税務課にお問い合わせください。
布田 剛
社会をよりよくする活動を行っている人や組織を支援する非営利組織、地星社の代表。