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イベントを抜かりなく行うために~実行計画表の作成と活用

Pa230021
アジア文化会館秋祭りにブース出展。ブース設営も完了し、いよいよ広報活動スタートです。

NPO/NGOがイベントを開催するに当たっての基本的な手順を、筆者の所属団体、認定NPO法人 日韓アジア基金・日本の実施例を元に説明します。
これから述べることは、当会にとって初めてのイベントを実施し、そのイベントが毎年繰り返し実施されてきたケースで、実施都度のノウハウを蓄積し次に活かしてきたという事例です。

手順の概要
・目的の確認と共有
 →何故そのイベントをやるのかを団体内で徹底討 
 議し全員で共有する。
・イベントリーダーの自薦、他薦と決定。
以下はイベントリーダーの統率の下に実施します。
・企画→具体的にどんなことをやるのかの検討
・企画に合わせ、準備段階・実施当日・終了後の手順書(当会では実行計画表と呼ぶ)の作成
 →時間順の実施項目と担当者の配置一覧
・準備作業・当日・終了後の作業の実施

余談です。
写真にあるように、ブース前には目立つように「72円募金」と出しています。なんで72円なんだろう・・・と疑問に思って足を止めてくれる人も多く、質問してくれると、活動の説明に入りやすいのです。
なお72円は、当会がカンボジアで支援している教科書一冊の価格です。

ビフォーアフター

ビフォー

イベントをやる目的が団体内で共有されておらず、準備段階で同床異夢が露呈し混乱が生ずることがあります。
また具体的に何をやるのか、準備すべき物は何か、誰が何をやるのかもはっきりしないため、実施がスムースに進みません。

アフター

目的が共有され、イベントリーダーの下、何を、誰が、いつまでにやるのかが明確になり、スムースな運営ができるようになります。

手順

1. 団体内でのイベント実施目的の討議・決定と共有

団体内で「何故そのイベントをやるのか」を徹底的に協議し、決まったことを全員で共有します。
決まったことは文書にしておき、実施の途中で何かもめた時はこれを元に当否を判断するようにします。
当会の場合、協議の場は月次のスタッフミーティング(理事会も兼ねています)です。
実施を決めた時の月次ミーティング(当会では定例ミーティングと称します)の議事録を添付ファイルに示します。
協議の場をどうするかは各団体で検討、決定して下さい。

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2. イベントリーダーの選出

スタッフ全員に対しメーリングリストで事務局長がイベントリーダー募集をし、自薦があればその人を、なければ事務局長を中心に適当な人を選び、当人を口説きます。
当会の場合は、スタッフメーリングリストで誰かが手を挙げれば、自動的にその人に決まることになっています。
当会では月次ミーティングで決めることも多いです。

3. 企画→具体的に何をやるか

イベントリーダーが素案を作り、月次のスタッフミーティングに提案し、全員でブレスト的に議論して具体的な内容を決定します。
「手順1目的の決定」の時、一緒にやってしまうこともあります。

4. 実行計画表の作成

企画が決まったら、イベントリーダーは準備段階・当日・実施後の段階に分けて、何を、何時、誰がやるか、また資材としては何を誰が何時までに準備するかを、時間順のExcel一覧表にまとめます。
当会ではこれを実行計画表と呼んでいます。
実際のものは、概要・準備・当日・終了後が一つのファイルになっていますが、ここではこれを手順に従って四つに分割して示します。
文中のアルファベットは実際には人名が入っています。

この場合、項目ごとの担当者はイベントリーダーが決定できることになっています。
当会ではこの一覧表をスタッフメーリングリストに流し全員でチェックして誤記、抜けを防止します。

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5. 準備作業の実施

実行計画表が確定したら、これの「準備」に従って各担当者が準備作業に入ります。
イベントリーダーは進捗を管理します。
サンプルを添付ファイルに示します。

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6. イベント当日

イベントリーダーの指示の下、実行計画表「当日」に従い実施します。
サンプルを添付ファイルに示します。

当日スケジュールの13番に、ボランティア感想文執筆依頼」とありますが、これは当会のイベントに、ボランティア参加した人に、ボランティアの感想文を書いてもらうものです。字数は800文字以上で、お名前は本名でも匿名でも可として、イベント当日から2週間以内にいただくよういお願いしています。ホームページにいただいた感想文をそのまま掲載し、またまたニュースレターに掲載することもあります。人によって書く対象になることが全く違い、毎回とても楽しみです。また、ニュースレターの読者の中にも楽しみにして下さっている方がいますので、必ずボランティア感想文をいただくようにしています。

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7. 終了後の作業

実行計画表の「終了後」に従って実施します。
サンプルを添付ファイルに示します。
なお、表中にある「記帳者への御礼・挨拶」ですが、記帳者というのは、当日ブースの立ち寄った方で、後日当会からイベント等の連絡を欲しいという方で連絡先を書いて下さった方のことを言います。
記帳の用紙は添付ファイルに示す通りです。

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8. 記帳者へのお礼・挨拶

終了後の作業の中で最も大切なことの1つは、「記帳者への御礼・挨拶」です。記帳者というのは、当日ブースの立ち寄った方で、後日当会からイベント等の連絡を欲しいという方で連絡先を書いて下さった方のことを言います。
記帳いただく用紙は添付ファイルに示す通りです。
お礼・挨拶メールでは、以下のような内容を書きます。

件名:ABKフェスタ(ここはイベント名を書く):日韓アジア基金××(送信者氏名)
本文:○○様、日韓アジア基金の××です。
先日はABKフェスタで当会のブースにお立ち寄り頂き、熱心に活動説明を聞いて下さりありがとうございました。
その際頂いた△△に付いてのご質問に付きお答致します。
何かご質問がございましたら、このメールにご返信頂ければ幸いです。
今後とも当会を宜しくお願い致します。

9. 実行計画表の「終了後」の内「振り返り」の詳細~前半

イベントリーダーがメーリングリストに「振り返り実施」を宣言し、イベント参加スタッフが期日までに○良かったこと、×改善すべきこと、△今後の検討事項を投稿する。

「振り返り」のサンプルを(前半)を添付ファイルに示します。

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10. 実行計画表の「終了後」の内「振り返り」の詳細~後半

イベントリーダーはこれをまとめ、定量的なデータも加えた「振り返り」を作成すると同時に、この結果を反映した改訂実行計画表をメーリングリストに投稿します。特段の意見が無ければ改訂実行計画表が決定となり、次回はこれを使ってイベントを実施します
「振り返り」のサンプル(後半)を添付ファイルに示します。

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コツ

・ボランティアの採用数は、病気等でキャンセルが出ますので、これを考えて余裕を持たせたものにします。
 今回の事例で言うと韓国茶を出し活動説明をしますから、1シフトで5名、2シフトにしますので、スタッフも含め 
 10名は必要です。
・一方で最大何人受け付けるかも考える必要があります。多過ぎると手持ち無沙汰の人が出てしまいますので。
 イベントの種類にもよりますが、当会の場合スタッフの参加人数も合わせ実数で20名が上限です。
 となると最大値は下記の数式になります。
 受付人数=20+予備人数-スタッフ数
予備人数は5くらいでしょうか。冬は風邪・インフルエンザの影響があるので、これより2,3名多めに取ります。
・準備段階での実行計画表の各項目の消込は、イベントリーダーが責任を持ってやることが大事です。
 特に場所(例えば部屋)の確保は出来るだけ早めに終わらせる必要があります。むしろこれが終わったことを
 確認してから準備を始めるくらいの感覚が必要です。
・当会では経験の浅い人が手を挙げた場合、周囲が積極的にその人を応援し経験を積んで貰うことで、その人を  育てるようにしています。
・ボランティアには事前に作業マニュアル・団体活動説明パンフレット等関係資料をメールで送り、これを事前に
 読んできて貰うことで、当日朝の説明時間を節約します。
・団体活動パンフレットを確り読んできて貰うために、これに関する質問項目を設定し、当日朝、ボランティアに
 質問すると予告をしています。当日朝の打ち合わせの時間が足りなければ質問は割愛します。
・イベント当日は、適当な所に実行計画表を貼り、完了した項目を消し込んで行くと実施漏れを防げます。
 →例えば集合写真の撮影・アンケートの実施等
・振り返りに定量的な記録(例えば配布資料の部数・募金金額・参加ボランティアの人数等)を残しておくと、
 次回の参考になります。
・振り返りを実施する時、悪い点ばかり上げずに、良かった点を出来るだけ上げるにようにします。これは良かった点を記録に残さないと次回忘れてしまうことがあるのと、悪い点を 直すと、良かった点が消えてしまうことがあるので、その用心のためです。

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大澤 龍

認定NPO法人 日韓アジア基金・日本理事
NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 副代表理事兼ボランティアリーダー
1941年生まれ72歳
1965年慶應義塾大学工学部卒業 いすゞ自動車入社 2001年いすゞ退職
2002年より日韓アジア基金の運営に関り、現在いくつかのNPO/NGOの役員・ボランティア・会員・マンスリーサポーター・アドバイザーを務める。

日韓アジア基金 団体概要
当会は、日・韓の若者が協働しアジアの恵まれない人たちを支援する中で互いを知り、歴史の壁を超えたいという願いで韓国人留学生ウ・スグンによって設立された団体です。
その一歩として、カンボジアで子どもの教育支援をしています。

認定NPO法人 日韓アジア基金
http://www.iloveasiafund.com/

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本記事は、2014年03月21日公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。
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