日本財団に助成金を申請する方法 ②目的・目標を書く
ビフォーアフター
ビフォー【目的】高齢化に伴う森林保全の遅れと山林の荒廃が顕著だ。街中においても憩いの場として森は必須であり、市民の手による植樹が必要となっている。恵まれた自然環境を世界の子供たちへ引継ぎ、地球環境保全に寄与する。
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アフター【目的】今後想定される地震被害に備えるため、防災に対する啓発を行うため市民の手で植樹を行う。事業を通して域内の多くのステークホルダーと協力し、震災発生時の協力体制強化を図る。
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手順
1. 目的、目標は事業の出口です。「事業をどう終わらせることができるか」を考えて書きましょう
申請書の最初の方に目的、目標を記入する欄があるので、「どんな思いで事業を実施するか」を書くようなイメージを持つ方もいらっしゃいますが、実際は「事業をどんな形で終わらせるか」をイメージして書くと良いでしょう。
2. 目的は大きな理念で。事業の存在意義のようなイメージです
事業終了後に評価できるものにします。目的は目標に比べて大きな理念で書きますが、あまり大きすぎる理念でもいけません。一度目的を書いてみて、「地球規模」「全ての」等の言葉を使っている場合は、適切な言葉に直すようにしましょう。
3. 助成財団の特色、狙いを忘れない
植樹を行う意味はさまざまにあります。環境問題、子どもの教育、地域のつながり、地域の景観、観光資源としての魅力もあるかもしれません。日本財団は、2009年から植樹活動に対して支援をしていますが、その一番の目的は「防災」です。助成財団の目的に沿っていなければいくら事業が良くても採択されないこともあります。よって、防災の観点も加えます。
4. 申請する事業の規模に照らして、目的が適正かどうか確認する
事業の規模や日々の団体の活動範囲が地域内であるのに、目的がそれ以上に設定されていたら、審査担当者は目的の設定を適正規模に落として再度行うこともあります。
5. 目標は具体的に。数値目標が書ける場合は書く
申請事業を実施して達成したいものを書きます。目的に比べて具体的なものが良いでしょう。箇条書きですっきり書けば、より申請事業に対する印象が明確になります。
6. 助成契約時に再度助成財団と確認する
審査担当者が助成契約書に事業内容を反映させる際に、目的・目標も書き直している場合が多いです。事業実施者として、表現が妥当かどうかよく検討してください。改善案があれば、素直に審査担当者に提案しましょう。
コツ
もちろん、掲げた目標は実現可能であるのか?が審査されますので、具体性をもって書きましょう。ヒアリングの際には根拠を示せるとなお一層良いです。
日本財団 枡方瑞恵
日本財団 公益・ボランティア支援グループ公益チーム。上智大学文学部卒業。芸術振興、地域活性化事業、植樹事業等を担当。東日本復興支援では、地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の設立から携わり、被災者の心の拠りどころである芸能等を支援。
サンクス
著者のご好意によりボランティアで記事を執筆いただきました。枡方瑞恵様に御礼申し上げます。