日本財団に助成金を申請する方法 ③事業内容を書く
いよいよ助成金申請書の中心部分となる事業内容の部分です。事業内容は簡単に明確に書きましょう。事業内容は読み物ではないので、文章で書くのではなく、箇条書きにできればベストです。アフターに示した書き方は日本財団の契約書でよく見られる記載方法です。必ずしもこのとおりでなくてはならないわけではありません。参考にしてください。 |
ビフォーアフター
ビフォー市内の空き店舗をリフォームして新生児をもつ親子向けのセミナーを開催します。毎週土日の11時から、地域のお年寄りと一緒にご飯を作ったり悩み事を話したりします。近隣の3市から毎回20人程度の参加を見込んでいます。リフォームについては、店舗だったことを活かしてキッチンはそのままに、フロアは子どもが過ごしやすい暖かい空間にします。 |
アフター1.空き店舗のリフォーム
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手順
1. 5W1Hで書く
事業内容は読み物ではないので、文章で書くのはできるだけ避けましょう。やりたいこと、実施時期、規模が明確になるよう箇条書きをお薦めします。時期、場所、参加者、内容を簡潔に書いてください。
2. 2つに分けた方が良い事業は分けて書く
ビフォーの文章は、文章としては問題ありません。しかし、施設を改修するという事業と親子向けのセミナーを開催するという事業がごっちゃになっています。ひとつの事業のように見えても、事業形態が異なるので分けて書いた方が分かりやすくなります。
3. 機器整備とソフト事業とは分ける
空き部屋を改修して親子向けのセミナーを開催していくという事業の場合、改修しなければソフト事業を開始できないので、1つの同じ申請事業として書きますが、項目を1と2というように分けると、より分かりやすくなるでしょう。
4. 1事業で申請するか2事業で申請するかをよく検討する
時と場合によりますが、施設を改修した後に開催していくソフト事業についても助成金で行っていくとなると、審査担当者にとっては継続実施が可能かどうかの不安材料になることもあります。助成金で施設を整備し、後は受益者負担等で行っていく方が、規模は小さくなっても継続していける可能性が高いと判断されるかもしれません。こうした判断を申請前に行って、別事業として申請するのもひとつの手です。
5. 予算と合致するように事業内容を設定する
事業内容で書いていることと予算が全く異なっていることがあります。事業内容に「講師を呼ぶ」とあるのに、謝金や旅費ではなく(事務局)人件費や備品費しか計上されていないケースなど。予算は事業を反映しますので、しっかり考えて計上してください。
コツ
「どこまで自己財源等で実施するのか」を決めてから「どの部分を助成金で行うのか」を決めると、助成金への依存度を減らすことができるかもしれません。
日本財団 枡方瑞恵
日本財団 公益・ボランティア支援グループ公益チーム。上智大学文学部卒業。芸術振興、地域活性化事業、植樹事業等を担当。東日本復興支援では、地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の設立から携わり、被災者の心の拠りどころである芸能等を支援。
サンクス
著者のご好意によりボランティアで記事を執筆いただきました。枡方瑞恵様に御礼申し上げます。