日本財団に助成金を申請する方法 ④予算をつくる
ビフォーアフター
ビフォー予算をどうやって書いたら良いかわからないので、とりあえず来年度の団体予算を全て書いておこう。どれか対象になるだろうから。 |
アフター来年度の団体予算のうち、申請する事業の経費について計上しよう。過去の団体実績と比較しても信頼のおける規模であるし、自己負担分も問題ない。 |
手順
1. 複数年度の予算書、決算書、事業報告書は団体のWebサイトからダウンロードできるようにしておきましょう
助成事業の事業費や助成金額が事業実施団体にとって適正規模かどうかについて、審査担当者は、その団体の前年度、前々年度の予算書、決算書、事業報告書を参照して判断することもあります。毎年600万円規模で事業が推移しているのに申請事業の事業費規模が3,000万円だったら、本当に実施できるかどうか不安が残るため、他にいくつかの要件を揃えることになるでしょう。
2. 費目は団体の会計規則にあったものにしましょう
助成財団の使っている費目に合わせなくても構いませんが、最低限のNPO・公益法人の会計基準に合わせるようにしましょう。
3. 積算根拠を明確に示す
「一式50万円」等の表記ではなく、何にいくらかかるのか具体的に根拠を示しましょう。印刷製本費であれば、チラシにするのか、ポスターにするのか、冊子をいくつ作るのか等、事業をどのように行うのかがイメージできるように記載してください。
4. 事業管理費は按分できるものに
たとえば電話代等については、事務所にある固定電話を対象にすると、申請事業に対してどの程度の割合で使用したかを示すのが難しい場合がありますので専用の携帯電話を使う等工夫してください。
5. 人件費を申請する際には細心の注意をしましょう
助成金は単年度の契約が大半ですので、助成金が継続して出ないことを想定し、本当に人件費を払って大丈夫かどうか注意してください。事業を継続する場合も考えて、最初からボランティアベースにしてもらうことができるなら申請しないという判断も必要です。息の長い事業ができるように助成金をうまく使ってください。
コツ
申請する助成事業1つにつき、1つの予算を作ります。また、提出目に必ず検算しましょう。
日本財団 枡方瑞恵
日本財団 公益・ボランティア支援グループ公益チーム。上智大学文学部卒業。芸術振興、地域活性化事業、植樹事業等を担当。東日本復興支援では、地域伝統芸能復興基金(まつり応援基金)の設立から携わり、被災者の心の拠りどころである芸能等を支援。
サンクス
著者のご好意によりボランティアで記事を執筆いただきました。枡方瑞恵様に御礼申し上げます。