地域で活動するNPOが押さえておきたいインターネット情報発信ツールの使い分け
ビフォーアフター
ビフォー活動を行うことが目的のNPOにとっては、情報発信・広報自体にはそれほど時間を割くことはなかなか出来ません。
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アフター団体の状況と目的に応じて、インターネットの情報発信ツールを使い分けることが重要です。
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手順
1. ネットで情報発信するなら必要最低限押さえておきたい3つのツール(必須度★★★)
インターネット上で「団体がある」「活動している」ということを証明するために活用したいツールです。団体の信頼度をアップするための情報開示、これまでの活動や実績をアピールできる情報のストックを意識して情報発信をしましょう。
・ホームページ
・ブログ
・地域のポータルサイト(団体情報データベース)
2. ホームページ・・・ネット上のパンフレット
掲載内容:組織情報、活動・サービス内容、活動実績、イベント情報など
更新頻度:年に4回程度、その他にイベント告知やニュースなどをタイムリーに
サイトの告知: 団体自身がパンフやメールで周知しつつ、検索ページからの流入期待
備考:ブログがない場合は、活動報告もこまめに掲載
【おススメのサービス】
無料でホームページを開設できる「Jimdo」
http://jp.jimdo.com/
3. ブログ・・・ネット上の会報誌
掲載内容:日々の活動、イベント告知、イベント報告
更新頻度:週に三回で年間150記事を目指す
サイトの告知:団体自身が記事をアップしたら他のソーシャルメディアに流す、パンフやメールで周知、検索ページからの流入期待、ホームページに新着記事を表示し誘導
備考:ホームページがない場合は、組織情報などもしっかり掲載する
団体の活動の記録集、アーカイブとして活用するイメージ
【おススメのサービス】
無料で広告のつかないブログサービス
CANPANブログ http://fields.canpan.info/help/blog1.html
はてなブログ http://hatenablog.com/guide/npo
※下の画像はCANPANブログの管理画面と、実際のブログ表示ページです。
4. 地域のポータルサイト(団体情報データベース)・・・地域の電話帳
掲載内容:団体情報、イベントや各種募集の告知、イベント報告
更新頻度:年に1回、団体情報を見直し、その他イベント開催にあわせて更新
サイトの告知:ポータルサイト運営者にがんばってもらう
備考:過去記事の閲覧や記事のカテゴリー設定などが難しいため、基本はブログで情報発信し、ポータルサイトに掲載するものはその中でも特に団体の概要がわかるものをポータルサイトに掲載する
【おススメのサービス】
自治体ごとに、行政もしくはNPOセンターが運営してますので、ご確認ください。
※下の画像はせんだい・みやぎNPOセンターが運営する地域ポータルサイト「みんみん」です。
5. 情報発信・広報に余裕があれば、まずは一つずつ取り組みたいもの(必須度:★★)
これまでの情報発信は「団体のことを知って欲しい」という一方通行の情報の提供でしたが、SNS(ソーシャルネットワークサービス)の普及によって、団体の支援者やイベントの参加者など団体に関係する人とのコミュニケーション、関係構築のための情報発信も重要となってきています。全てのツールを活用するというよりは、まずはこの中から一つ選んで実践してください。
・Facebookページ
・Twitter
・メールマガジン
6. Facebookページ・・・リアルにつながっている人とのコミュニケーションツール
掲載内容:団体の雰囲気がわかる写真投稿、ブログ記事の紹介、お願い事項や告知の投稿
更新頻度:1日1回
サイトの告知:団体自身がホームページのトップにFacebookページの表示パーツを掲載、メールで開設告知
団体スタッフによるFB友達への紹介、団体関係者がシェアをして周囲に知らせる、記事の投稿の中でシェア依頼をして支援者にシェアしてもらう
備考:基本的に「いいね!」をして情報を見てくれる人はリアルの知り合いをイメージ
【活用のポイント】
スタッフ個人もアカウントを開設して、団体全体で活用していこうという機運を高めていきましょう。
※下の画像は日本財団のFacebookページです。
7. Twitter・・・手軽な告知ツール
掲載内容:ブログ記事の自動連携、イベント告知、イベント中継
更新頻度:最低1日に1回、複数回の更新も可
サイトの告知:団体自身が積極的にフォロー、ハッシュタグの活用、ホームページのトップにTwitterのバナーやタイムライン掲載、団体スタッフや支援者に積極的にRTしてもらう
備考:フォローしてくれる人をいかに増やすかが重要
【活用のポイント】
情報発信だけではなく、情報収集のツールとしても活用することで、自団体へのつぶやきや関連する分野の動向を調べることができます。
※下の画像はシーズ・市民活動を支える制度をつくる会のTwitter
8. メルマガ・・・会報誌のメール版
掲載内容:各種お知らせやイベントの報告、基本的にはHPやブログ記事へ誘導
更新頻度:月に1回or2回
サイトの告知:団体自身がホームページのトップに案内バナーを掲載、イベント参加や寄付などのお礼メールからの誘導、団体関係者がリアルにあった人にご案内
【活用のポイント】
無料・有料でいろいろなサービスがありますので、メルマガを発行している周囲の団体に使い勝手を聞いてみましょう。
9. ファンドレイジングや広く会員獲得をしたい時に取り組みたいツール(必須度:★)
資源獲得のためには、先に挙げたツールを活用して、情報発信・お願い・報告をしっかり行うことが必要です。あわせて、これらのツールを活用して、信頼性向上、共感力向上、専門性アピールを行うことが団体編の関心度アップにつながります。
・全国規模のポータルサイト(団体情報データベース)
・YouTube
・ブログのさらなる活用
10. 全国規模のポータルサイト(団体情報データベース)・・・全国版のNPOの電話帳
掲載内容:団体情報
更新頻度:年に3回(会計年度当初、決算後、助成金申請時期)
サイトの告知:検索サイトからの訪問、団体情報データベースとしてサイト内で団体を探している人に向けて各項目の内容を最新の情報にする
備考:CANPANやNPOヒロバなどのこと
CANPAN(法人格を問わず登録可能) http://fields.canpan.info/
NPOヒロバ(NPO法人のみ) www.npo-hiroba.or.jp/
環境らしんばん(環境団体) www.geoc.jp/rashinban/
PARTNER(国際協力団体) http://partner.jica.go.jp/
11. YouTube・・・団体のCM動画
掲載内容:活動紹介、団体CM、イベント報告や活動報告のダイジェスト紹介
更新頻度:年間で2~12本のアップ
サイトの告知:団体自身がホームページのトップにYouTubeチャンネルを掲載、アップロードしたらソーシャルメディアへ投稿
【活用のポイント】
リアルなイベントやオンラインで活動を紹介する際に、これからは動画の活用が共感を呼ぶ大きなツールとなっています。
※下の画像は日本財団のYouTubeのページです。団体として登録すれば専用のページを作ることができます。
12. ブログのさらなる活用・・・専門性をアピール
掲載内容:代表者の思い・考え・提案、スタッフによる専門性のある記事
更新頻度:週に1回
サイトの告知:ソーシャルメディアでの拡散、検索ページからの流入
備考:団体ブログに記事カテゴリーでまとめて掲載するか、それ専用のブログを開設する
【活用のポイント】
従来の活動報告以外に、団体の専門性をアピールする情報発信がこれから着目されています。
コツ
インターネットの情報発信を上手に行うためには、まねることが大事です。
そのためには、情報発信の上手な4つの団体を見つけましょう。
まずは、地域で情報発信の上手な団体を2つ、次に、同じ分で情報発信の上手な団体を2つ、計4つの団体を見つけ、その情報発信のテクニックを盗みましょう。
例えば、活動をどのように紹介しているのか、イベントの案内や報告をどのようにしているのかを見て、その手法やスタイルを参考にしてください。
山田泰久
群馬県高崎市出身、慶應義塾大学文学部卒。
日本財団システム統括グループ情報コミュニケーションチーム・公益コミュニティサイトCANPAN事務局。
日本財団でシステム・Webを担当しながら、CANPANではNPOの情報発信支援、ソーシャルメディアセミナー講師、NPO向けセミナーを企画開催。
【情報発信に関する参考資料】
http://blog.canpan.info/c-koza/