助成金シーズンに向けて、やっておきたい7つの準備
全国規模の助成金には、二つのシーズンがあります。300を超える全国規模の助成プログラムのうち、5・6月の春と、10・11月の秋が助成金シーズンとなります。
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ビフォーアフター
ビフォーメルマガやSNSで流れてきた助成金情報や、たまたま訪問したNPOセンターで助成金のチラシを見て、あわてて申請書の準備をする。
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アフターどのような助成制度があるのかを研究した上で、自分たちの団体にふさわしい助成プログラムを選んで、計画的に助成金申請を行う。
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手順
1. 団体情報を整備する
どんな助成金申請にも共通しているものは団体情報です。
自分達の団体をわかりやすく、魅力的に紹介するために、助成申請用の団体情報を事前に整備しておきましょう。あわせて、決算書や予算、役員名簿などの各種書類も掲載しておきましょう。
団体情報を整備する際に、CANPANの団体情報データベースを活用すると便利です。
http://fields.canpan.info/organization/
CANPANの団体情報はIIHOE [人と組織と地球のための国際研究所] が調査した133の全国規模の助成プログラムの申請書の団体情報の項目をもとに作られていますので、まさに助成金申請のための団体情報です。
CANPANの項目に基づいて情報を整理してCANPANに団体情報を登録しておけば、個別の助成金申請で申請書の団体情報を作成する時はCANPANの団体情報をもとに準備するというのがスムーズです。
※下の画像はCANPANの団体情報データベースの詳細ページです。
2. ネット上の情報発信を整理する
助成機関の担当者も外部の審査員もあなたの団体の情報をネットで調べます。
そのために、事前にホームページの情報を最新のものにしておきましょう。
また、ブログでは団体の今の活動がわかる情報を定期的に更新しましょう。
そして、これまでの助成金の実績とその成果がわかるような情報もしっかり掲載することが団体の実績と実力をアピールする機会となります。
なお、古いホームページやブログが残っている場合には、必ず新しいサイトへのリンクをトップに表示しておきましょう。
3. あらためて助成金を学ぶ
日本財団スタッフが作成した助成金に関する基礎知識を学ぶための資料をとりまとめました。
助成金を検討する際に、あるいは助成金申請書を作成する際には、事前にこれからの資料を読んでおくことを特にお奨めいたします。
◆助成金の基礎を知るためのプレゼン資料(日本財団・荻上健太郎)
http://www.slideshare.net/tomoyukihashimoto315/canpan-20130411
◆助成金活用マニュアル(日本財団・荻上健太郎)
http://ow.ly/ol2kA (PDF)
◆助成金の攻め方~NPOを対象にしたリアルな助成金の活用~(日本財団・山田泰久)
http://matome.naver.jp/odai/2137008310510679901
◆助成金申請をご検討中のNPOのみなさまへ【申請に関わるヒント集】(日本財団・山田泰久)
http://blog.canpan.info/c-koza/archive/466
4. 助成プログラムを研究する
多くの助成プログラムではインターネットで募集要項を公開していますので、必ずネットで情報収集して助成プログラムの研究をしましょう。
その際に、以下の2つの情報からプログラムの特徴をつかみましょう。
・募集要項に記載されている助成プログラムの内容
・過去の助成実績の一覧
あわせて申請書の書き方などが詳しく掲載されている助成プログラムがあったらぜひ参考資料として活用してください。例えば、事業計画の目的や目標ではどのような情報を記載すればいいのか、予算の積算をする時にどのような単価で計算していけばいいのかなど、具体的な参考資料となり、その内容はほかの助成金申請の参考にもなるはずです。
なお、どのような助成プログラムがあるかを調べるためには、以下の情報を参考にしてください。
(1)全国規模の助成金を調べるならCANPAN助成制度データベース
http://fields.canpan.info/grant/
(2)その他、分野別の活用できる助成制度データベースの一覧をこちらにまとめています
http://fields.canpan.info/grant/detail/409
(3)地域限定の助成制度は地域のNPOセンター、ボランティアセンターのサイトや拠点場所で確認できます
※下の画像はCANPANの助成制度データベースの一覧ページです。
5. 申請スケジュールを作成する
申請したい助成プログラムの募集時期をカレンダーに落とし込んで、申請書作成のスケジュールを作成しましょう。
但し、助成プログラムによっては申請方法が特殊なケースもあるので、その辺の情報もあわせて記載するようにしましょう。
CANPANの助成制度データベースは、様々な条件で検索できるシステムとなっていますので、例えば、6月に申請締切となる助成制度というような条件で過去の助成制度情報を検索することができますので、年間の申請スケジュールを事前に作成することができます。
※下の図は、全国規模の助成プログラム305件の申請締切時期を月別にグラフにしたものです(CANPAN調べ)。年間を通じて申請できる助成プログラムがあるので、スケジュール管理は必須です。
6. 事業の背景となるデータを準備する
最近の助成金申請は事業の背景となるデータが必須です(申請書に記載しなくても、あとから質問されることがあります)。
時間があるうちに申請事業の裏付けとなるニーズ調査やデータなどを準備しましょう。
全国的なデータ、対象となる地域のデータ、この2種類のデータが用意できるとベターです。
特に、地域で活動している団体は取り組んでいる分野について、地域の状況がわかるデータをしっかり準備しておくことが必須です。
7. 助成金が本当に必要かもう一度考える
最後に、本当に助成金が必要ですか?
団体や活動の適切な発展のために、今、助成金が必要ですか?
団体の運営、持続的な発展のために、本当に今、助成金が必要かをあらためて考えましょう。
助成金は毎年継続してもらえるものではありませんので、その助成金が団体の今後の発展につながる資金として活用できるかという点を重視して検討してください。
コツ
このガイドは、助成申請の準備に関して手法的な視点でまとめたものになっています。しかしながら、助成申請で一番大事なことは、事業計画を考えるということです。
「事業計画を考える」ということについてはマニュアル化することができませんので、ここではせっかく作成したよい事業計画でより確実に助成金の獲得を行うことができるように事前準備の大事さをお伝えするマニュアルです。
山田泰久
群馬県高崎市出身、慶應義塾大学文学部卒。
日本財団システム統括グループ情報コミュニケーションチーム・公益コミュニティサイトCANPAN事務局。
日本財団でシステム・Webを担当しながら、CANPANではNPOの情報発信支援、ソーシャルメディアセミナー講師、NPO向けセミナーを企画開催。
【情報発信や助成金に関する参考資料】
http://blog.canpan.info/c-koza/