議会請願をとおして、周辺樹林地の保全区域指定や市有林として守った/黒浜沼周辺の自然を大切にする会(埼玉県)
1. きっかけ
1987年の会発足から、黒浜沼の自然観察会やゴミ拾いなどの美化活動、そして地元小中学生を対象に環境学習支援活動を実施してきたが、周辺の国有林の売却などにあたって、黒浜沼周辺の自然環境の悪化を阻止するために、地域の他の団体に呼びかけ、8つの団体による「蓮田環境問題連絡会」として、市議会へ請願を行った。
2. 政策提言で得られた効果
周辺の国有林の売却にあたって、市議会に請願
国有林の売却にあたり、地域の緑化推進と保全のため請願書を議会に提出。その結果、市が7600平方メートルの樹林地を購入。市の保全林となった。保全林の市民の憩いの場として管理する下草刈りなどは地元の自治会が定期的に行い、管理面での技術的な面(伐採など)は、会が市と相談しながら進めている。
河畔林を市の環境保全区域の請願
地域内を流れる元荒川右岸の河畔林(樹齢50年以上の樹林を含め150本以上がまとまり景観も良い、市民に親しまれている)を、環境保全区域として指定するよう請願し、市議会で採択され、現在指定にあたって市と話し合いを進めている。
3. 政策提言をするときに留意したこと、大切にしたこと
自分たちの意見・要望だけ強調しない
市への提言、さらには実施にあたって大切なこととしてこちらの意見・要望だけを強調することは避けている。
開発抑止の提言書では、市には開発抑止の法整備を求め、一方黒浜沼の自然保全の維持管理や、普及啓発は、黒浜沼周辺の自然を大切にする会を中心に、市民主体で実施すると提言した。
■団体の紹介
NPO法人黒浜沼周辺の自然を大切にする会 http://space.geocities.jp/hasuda_kurohamanuma_hotaru9/
2000年発足。沼特有の植物や昆虫などの生態系が残り、埼玉県の自然環境保全地域に指定されている蓮田市黒浜の黒浜沼(上沼と下沼)とその周辺の自然環境保全とさらに優れた自然環境を生かした市民への環境への啓発、小中学生の環境学習の支援を大きな柱に1987年5月に会が発足。23年余り活動に取り組んでいる。