- 定款変更 - 小川 2002-04-25 11:56:00 No.1013
- Re: 定款変更 - 公認会計士・赤塚和俊 2002-04-29 07:23:00 No.1014
- Re: 定款変更 - シーズ・松原 明 2002-04-30 23:07:00 No.1015
定款変更 投稿者:
小川 投稿日:2002/04/25(Thu) 11:56:00
No.1013
定款変更について質問です。
現在かなりの部分が総会の決議が必要な定款なのですが、
理事会主導型に変えようとしています。
具体的には、事業報告書、財産目録、賃借対照表および収支計算書等決算
に関する書類は総会の議決を経ることとなっていますが、これを理事会
の議決事項として、総会へは報告のみ、というように変更することは
可能でしょうか。
一部本を読む限り、できるようなことは書いてありますが。
『NPO法人の社員総会Q&A』熊谷則一著 P13
というのは、資産の総額は毎年事業年度終了後2ヶ月以内に登記すること
となっていることが分かり、総会の開催時期が問題になってきました。
所轄庁への届出は事業年度終了後3ヶ月以内でいいのですが、税務署へ
資産の総額の登記は2ヶ月以内とあるようなのですが。
総会の開催時期を検討している間に疑問が出てきました。
よろしくご指導くださいますようお願いいたします。
小川
Re: 定款変更 投稿者:
公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/04/29(Mon) 07:23:00
No.1014
小川さん
> 具体的には、事業報告書、財産目録、賃借対照表および収支計算書等決算
> に関する書類は総会の議決を経ることとなっていますが、これを理事会
> の議決事項として、総会へは報告のみ、というように変更することは
> 可能でしょうか。
可能です。
> というのは、資産の総額は毎年事業年度終了後2ヶ月以内に登記すること
> となっていることが分かり、総会の開催時期が問題になってきました。
> 所轄庁への届出は事業年度終了後3ヶ月以内でいいのですが、税務署へ
> 資産の総額の登記は2ヶ月以内とあるようなのですが。
資産の総額の登記は、税務署ではなく法務局です。2ヶ月以内というのは
その通りです。ただし、私の知る限り2ヶ月以内に間に合っていない法人
も結構ありますし、少々遅れたからといってペナルティもないようです。
法人税法上の収益事業を行っている場合の税務署への申告に関しては、定
款で決算確定が3ヶ月以内となっていれば申告期限の延長ができます。た
だし事前申請(適用年度の開始前)が必要です。
公認会計士・赤塚和俊
Re: 定款変更 投稿者:
シーズ・松原 明 投稿日:2002/04/30(Tue) 23:07:00
No.1015
少し、補足をさせてください。
赤塚さんの書いておられるように、法律上では事業報告書や財産目録等の議決について、
「総会を経ること」とは規定していないので、確かに報告だけで可能なように見えます。
しかし、民法60条を準用して、NPO法人は「少なくとも毎年一回の社員による通常
総会を開くことを要す」と定められており、政府はこれを、毎年一回、会の重要事項に
ついて、社員の承認(議決)を得なければならないと解釈するようです。この解釈によ
れば、そのような重要な議決とは、事業報告、決算報告であることとされています。
従って、この民法第60条の解釈という点からすると、社員総会で決算報告を報告のみ
で済ますというのは難しいと思われます。(多分むずかしいでしょう)
もちろん、判例とか、明示的な法律による禁止がないので、違う解釈もありうるでしょ
うが、いずれにせよ、法律解釈上、所轄庁によって、定款が不認証になる可能性はある
とお思いますので、注意が必要です。
また、資産の変更登記についてですが、小川さんがご指摘のように、これは事業年度終
了後2ヶ月以内ですし(赤塚さんが書いておられるように変更登記は税務署ではなく法
務局で行います)、税務署への確定申告も同じく事業年度終了後2ヶ月以内です。
それなのに、所轄長への事業報告書等の提出は3ヶ月以内となっていて、制度上の矛盾
が生まれています。
そして、赤塚さんがおっしゃるように、少々変更登記が遅れたからといって、法務局は
何も言わないという事実はあるのでしょうが、しかし法律上は、変更登記を怠ると、N
PO法第49条第1項第1号の規定によって、20万円以下の過料に処せられます。
最近は、役所の方でも、こうした矛盾に気がついているところも多いようです。ある法
務局では、総会前の事業年度終了後2ヶ月以内に、仮の書類を提出し、総会で決定した
ら正式なものと交換するなどの措置を取ってくれているそうです。よって、変更登記に
ついては、管轄の法務局に相談されることをおすすめいたします。
税務署については、赤塚さんが書いておられるとおりです。
シーズ・松原 明