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借入金の議決について 投稿者:みかん 投稿日:2002/05/09(Thu) 00:55:00 No.1075
お世話様です。借入金の議決についてお尋ねします。当NPO法人は定款の「総会」の項目で、
「長期借入金(その事業年度の収入をもって償還する短期借入金を除く)その他新たな義務の
負担及び権利の放棄については総会の議決を要する」と規定しています。平成14年3月期におい
て当NPO法人は理事からの短期借入金残高が10万円残っています。これは緊急に必要になっ
た資金のため総会の議決を経ずに理事会の議決により実行したものです。当初の借入額
(20万円)のうち半額を返済した残額です。
(質問事項)
1 会計上「短期借入金」とは1年以内に返済する借入金であると考えていますが、NPO会計上は
その事業年度の収入をもって償還する借入金、換言すれば期末には残高の残らない借入金を短期
借入金とみなしているのでしょうか。
2 そうであるとすれば、期末に借入金残高が存在するため、当NPO法人は14年3月期に総会の
議決を経ずに借入を実行したことになります。この場合、NPO法上でいかなる罰則が予測される
でしょうか。
以上、よろしくご教示ください。
Re: 借入金の議決について 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/05/10(Fri) 06:37:00 No.1076
みかんさん

> 1 会計上「短期借入金」とは1年以内に返済する借入金であると考えていますが、
> NPO会計上はその事業年度の収入をもって償還する借入金、換言すれば期末には残高
> の残らない借入金を短期借入金とみなしているのでしょうか。

会計理論としては、決算時点で1年以内に返済が予定されている借入金は短期借入金
です。そうでなければ、貸借対照表に掲載される借入金はすべて長期借入金になって
しまいます。しかし、定款で「事業年度内に返済されるものを除き」という場合は、
会計理論とは全く別の次元のことで、「NPO」だからということではありません。

時にこういう規定をおく定款を見受けますが、単年度主義をとる既成の公益法人など
の悪しき習慣で、臨機応変、柔軟な活動がその長所であるNPOにはふさわしくない
と私は思っています。このHPの最新情報によれば、NPO議員連盟の法改正案では
予算主義そのものをNPO法から削除する方針が決まったようです。これは私たちが
上記の趣旨を訴えつづけてきた成果でもあります。

> 2 そうであるとすれば、期末に借入金残高が存在するため、当NPO法人は14年3
> 月期に総会の議決を経ずに借入を実行したことになります。この場合、NPO法上で
> いかなる罰則が予測されるでしょうか。

厳密に言えば定款違反ということになるのでしょうが、事後報告で了承を得るしかな
いでしょう。罰則はありません。考えられるのは、社員総会でその定款違反をもって
役員の責任が追及されるかどうかということですが、通常はそれだけで役員の任務の
遂行に問題があったという結論にはなり得ないと思います。

所轄庁にしても、このような形式的な定款違反で指導に乗り出す事はあり得ません。
どうぞ安心してください。大切なことは形式的に定款を守ることではなく、メンバー
の信頼関係ですから、きちんとした説明を行い納得を得られることです。

                   公認会計士・赤塚和俊
Re: 借入金の議決について 投稿者:みかん 投稿日:2002/05/10(Fri) 21:40:00 No.1077
赤塚先生、的確なご指導ありがとうございます。当NPO法人の定款は県配布のサンプルに準拠
して作成しました。今回のような矛盾点がありますので、今後、実情に即した定款はどうある
べきか検討をしたいと思います。増加の一途をたどるNPO法人にとってこのような質問コーナー
は、本当にありがたいです。重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。

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