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社団法人格からNPO法人格へ 投稿者:水谷 投稿日:2002/05/15(Wed) 03:47:00 No.1093
こんばんは。
当方は社団法人格を持つ、地方の青年会議所です。
社団法人格を返上し、新たにNPO法人格を取得しようと検討中です。
組織変革の一環で、未来ビジョンを検討しながら出てきた考えです。

正会員として個人会員数250人。
企業会員制度はありません。
準会員制度もありません。
個人会員の年会費12万円で、年間3000万円の会費が主たる収入です。
支出の殆ど全てを会費収入で賄っています。
事業収入は今のところありません。
寄付金収入は年間300万円ほどありますが、
これらは全ていったん本会計に計上した後、
別会計である市民活動支援基金に積み立てており、
現在で5000万円ほどになっています。
これが内部留保金にあたらないことは所轄官庁と確認済みです。
この基金を活用して、毎年申請のあった市民や市民団体の中から
外部団体の審査を経て一口10万円、上限10団体に対して事業助成をしています。
また、固定資産として事務局(帳簿で1500万円)があります。

今後も市民社会創造のために、自らまちづくりに邁進すると共に
市民活動を行う団体の運営に助言や援助するなどの支援活動を行いながら
ひとりでも多くのコミュニティリーダーを輩出していきたいと考えています。
今後は年会費を大幅に(まずは半額に)下げると共に、
会員数の増加をはかり、
また、積極的な情報公開などによって
我々の活動や運動に対する支援者(寄付者)などを増やしていきたいと考えています。


以上、雑ぱくな説明で申し訳ありませんが、
社団法人からNPO法人になることによって起こるであろう問題点や注意するべき点を
特に税制上の視点を中心にお教え下さいませんか。
NPO支援税制質問箱に質問しようかどうか迷いましたが、こちらに質問させていただきました。
Re: 社団法人格からNPO法人格へ 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/05/18(Sat) 08:03:00 No.1094
水谷さん

> 社団法人からNPO法人になることによって起こるであろう問題点や注意
> するべき点を特に税制上の視点を中心にお教え下さいませんか。

社団法人をNPO法人にすることについては、任意団体をNPO法人にする
のと、本質的な相違はありません。法的には人格が継続するものではなく、
新しくできるNPO法人へ個人が任意に加入することになります。

社団法人が所有する固定資産や基金等も、自動的に引き継がれるわけではな
く、社団法人がNPO法人へ寄附する形になります。この寄附については、
税法上は何も問題にはなりません。

社団法人とNPO法人の税制上の取扱いはほとんど同じですが、若干NPO
法人の方が不利な点があります。法人税法上の収益事業を行う場合のことで
すが、社団法人に認められている利益の20%のみなし寄附金(損金算入)
がNPO法人では認められません。また年間800万円を超える利益があっ
たときは、税率に違いがあります。

最後に、社団法人が解散や残余財産の寄附をするには、社員総会の特別決議
や、所轄庁の承認が必要になるはずです。それだけではなく、残余財産の帰
属先については、定款にも定めてあるはずです。まずは定款をよく読んでみ
て下さい。

                 公認会計士・赤塚和俊

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