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コミュニティFMの広告代理 投稿者:渡辺 投稿日:2002/05/16(Thu) 09:57:00 No.1099
1146で質問させていただいた者です。ありがとうございました。
さて、また1点質問させてください。

1146の質問の中でもふれた中高齢者を対象とした『塾』の教室の中に
「ラジオ番組制作教室」というものがあります。
私どもの地域にはコミュニティFMがあり、現在1期・2期の卒業生が
自分たちの番組枠を持ち、企画・取材・編集・放送をしています。

現在のところ卒業生は趣味の範疇で楽しく“身銭を切って”楽しく
番組を作っているのですが、我々(塾の運営団体)としては、卒業生
に対して少しであっても、お金を払えるようなシステムを作りたいと
考えています。

そこで現在考えているのは、番組に対するスポンサーを探すことです。
FM局側との話し合いは進んでいて、提供企業からのスポンサー料の
案分比率にについて協議しており、スポンサーになってもよいという
企業も10社程度になっています。

我々としては“広告代理店”になるという気持ちではないのですが、
これでは完全に収益事業となってしまいますよね?
現実としては年間2~300万円の広告料を集めたとしても、卒業生
たちには月に数千円程度しか渡すことはできません。
大きな収益が見込めるのであれば、大手を振ってキッチリと税金を
収めたいのですが、取材のための交通費程度しか渡せないのでは・・・。

また現在悩んでいるのは、申請準備中の我々のNPOの中にラジオ事業部
を設ける予定ですが、卒業生たちに正会員になってもらうべきか、それ
とも有償のボランティアとして活動してもらうべきなのかについてです。

活動の内容がうまく伝えられず、お答えに困るかと思いますが、どうぞ
よろしくお願いします。
Re: コミュニティFMの広告代理 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/05/17(Fri) 06:17:00 No.1100
渡辺さん

> そこで現在考えているのは、番組に対するスポンサーを探すことです。
> FM局側との話し合いは進んでいて、提供企業からのスポンサー料の
> 案分比率にについて協議しており、スポンサーになってもよいという
> 企業も10社程度になっています。

スポンサー料は一旦放送局に入って按分比率で渡辺さんの団体に入るの
ですか。それとも渡辺さんの団体に全額入った中から一定の金額を放送
局に支払うのですか。後者であれば完全に広告代理業です。前者であれ
ば、たぶん請負業です。いずれにせよ法人税法上の収益事業となること
は間違いないと思います。

> 現実としては年間2~300万円の広告料を集めたとしても、卒業生
> たちには月に数千円程度しか渡すことはできません。

その差額は団体の収入になるのですか、それとも支払う卒業生が数が多
くて月に数千円程度にしかならないのですか。

> 大きな収益が見込めるのであれば、大手を振ってキッチリと税金を
> 収めたいのですが、取材のための交通費程度しか渡せないのでは・・・。

そこのところがよくわからないのですが、取材のための交通費程度でも
収益が残らないのですか、それともそれ以外に経費がかかるから収益が
見込めないのですか。

> また現在悩んでいるのは、申請準備中の我々のNPOの中にラジオ事業部
> を設ける予定ですが、卒業生たちに正会員になってもらうべきか、それ
> とも有償のボランティアとして活動してもらうべきなのかについてです。

自然体でいいのではないですか。「ラジオ事業部」の業務にかかわる人は
有償ボランティアとして、その中で団体のミッションに賛同して会員にな
る人がいてもいいということです。いずれにせよ本人が決めることであっ
て団体で決めることではないような気がします。もっとも、「ラジオ事業
部」の業務にかかわるのは会員に限定するというのであれば、それは団体
の方針として決めてもいい事柄だと思います。

                   公認会計士・赤塚和俊
ありがとうございました 投稿者:渡辺 投稿日:2002/05/17(Fri) 09:22:00 No.1101
ご丁寧なご回答を頂きありがとうございました。
お金に関しては一旦全額が当会に入り、“広告料”という形で局側に数十%
を納めることになる予定です。ただ、現在は“番組枠を買い取る”というよ
うな形で、按分ではなく定額で納める方法を局側に交渉中です。

> その差額は団体の収入になるのですか、それとも支払う卒業生が数が多
> くて月に数千円程度にしかならないのですか。
> そこのところがよくわからないのですが、取材のための交通費程度でも
> 収益が残らないのですか、それともそれ以外に経費がかかるから収益が
> 見込めないのですか。

これで団体側の収入を増やそうという考えは今のところはありません。
局側に納める分を差し引いて、こちらに150万円程度残るシュミレーション
が現実的なところですが、卒業生約10名ですので一人当たり1万円ちょっと
というところです。
もちろん、収入を増やして団体側の運営費を少しでも捻出していきたいとは
思っていますが。。。

ところで、Webで見つけたのですが、広告・宣伝費を主な財源としている
とあるNPO法人では協賛企業を『賛助会員』として会の中に迎え入れることで
定款上では『収益事業なし』としたそうです。このような方法の場合、
協賛側の企業の会計は“諸会費”となると思うのですが、企業側にとって
“諸会費”に計上するのと“広告宣伝費”に計上するのとではどのような
違いがあるのでしょうか?
Re: ありがとうございました 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/05/18(Sat) 06:54:00 No.1102
渡辺さん

> お金に関しては一旦全額が当会に入り、“広告料”という形で局側に数十%
> を納めることになる予定です。ただ、現在は“番組枠を買い取る”というよ
> うな形で、按分ではなく定額で納める方法を局側に交渉中です。

やはり法人税法上は収益事業になりそうですね。もっともほとんど収益が残ら
ないのであれば、実質的な負担は住民税均等割だけでいいということですし、
もっと利益が出ることになれば30%程度の税負担は仕方のないところでしょう。

> ところで、Webで見つけたのですが、広告・宣伝費を主な財源としている
> とあるNPO法人では協賛企業を『賛助会員』として会の中に迎え入れることで
> 定款上では『収益事業なし』としたそうです。

協賛企業が賛助会員でなくても、渡辺さんの団体の行う事業は定款(NPO法)
上は「収益事業」ではありません。法人税の収益事業の定義は全く別のもので
すから、定款やNPO法で収益事業とされていなくても課税されます。

> このような方法の場合、協賛側の企業の会計は“諸会費”となると思うので
> すが、企業側にとって“諸会費”に計上するのと“広告宣伝費”に計上する
> のとではどのような違いがあるのでしょうか?

「諸会費」か「広告宣伝費」かは本質的な違いはありません。問題は“対価性”
があるかどうかです。支出に対価性がなければ科目を何にしようと税法上は寄
附金とみなされ、損金算入の条件が厳しくなります。番組の中でスポンサーと
して明示できるのであれば、対価性があるとみなしていいと思います。

逆に、対価性がないのであれば、協賛企業にとっては不利かもしれませんが、
NPO側から見ると対価に見合うサービスを提供するわけではない(単なる寄
附金です)ので、法人税法上は収益事業ではないということになります。

                    公認会計士・赤塚和俊

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