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「予算準拠の原則」の解釈について 投稿者:ゴリ 投稿日:2002/05/24(Fri) 14:38:00 No.1130
NPO法第27条第1号に規程されている「予算準拠の原則」の解釈について教えてください。

当法人では、予算にない支出を行う必要が生じた場合には下記の措置を取っています。
 ①予備費の使用(理事会決議)
 ②科目間の流用(理事会決議)
 ③予算の補正 (総会決議)
しかしながら、収支予算を策定する年度当初には予想し得ない事態が起こったときに、
しかもそれが①予備費の使用・②科目間の流用では対応できない規模の事態が
起こったときの対応に苦慮しています(当法人の年間予算規模は200~300万円です)。

具体的な実例で説明しますと、予算を策定する年度当初には予想し得ない、
しかしながら当法人のミッション達成のためには看過できないような
自治体等からの委託事業(150万円程度の予算規模)を実施するとした場合、
①予備費の使用・②科目間の流用では到底対応できませんから、
残る選択肢は③予算の補正しかないように思えます。
NPO法では法人の活動が執行者の恣意に流されないようにすることを重視し、
特に支出について予算準拠を強く求めているようですが、
今回のように年度当初には予定されていなかった委託事業の場合、
その支出を賄うだけの充分な収入があります。
それでもやはり③予算の補正が必要でしょうか?

社員(会員)が全国に点在しているため年に複数回の総会開催が困難な当法人では、
法の精神は尊重しつつも総会後の③予算の補正は現実的ではありません。
今後、上記のような場合に対応するためには、
 a)予算の補正に関する権限を理事会に移す。(→定款の変更)
 b)年度当初には予想し得ない事態を見越してかなり多めの予算を計上する。
 c)支出を賄うだけの収入があるため、
  ①予備費の使用・②科目間の流用・③予算の補正はいずれも不要である。
のいずれかの方法が妥当でしょうか?

また、予算主義の削除等を含むNPO法の改正案が今国会に提出されるようですが、
その見通しはどうでしょうか?
Re: 「予算準拠の原則」の解釈について 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/05/25(Sat) 07:52:00 No.1131
ゴリさん

> 今回のように年度当初には予定されていなかった委託事業の場合、
> その支出を賄うだけの充分な収入があります。
> それでもやはり③予算の補正が必要でしょうか?

私の個人的な見解ですが、予算の補正は必要ないと思います。もと
もとNPO法人の予算というのはそれほど規範性の強いものではな
く(だから法律で強制するのはなじまないという今回の修正要求に
なっています)、組織内の問題です。総会の事後承認で十分です。

>  a)予算の補正に関する権限を理事会に移す。(→定款の変更)
>  b)年度当初には予想し得ない事態を見越してかなり多めの予算を計上する。
>  c)支出を賄うだけの収入があるため、
>   ①予備費の使用・②科目間の流用・③予算の補正はいずれも不要である。
> のいずれかの方法が妥当でしょうか?

これも個人的な見解ですがc)でいいと思います。a)もいいと思い
ますが(私のかかわっているNPO法人はみんな最初から理事会
権限にしています)、b)は論外です。

> また、予算主義の削除等を含むNPO法の改正案が今国会に提出されるようですが、
> その見通しはどうでしょうか?

この点に関しては私はわかりません。松原さん、よろしくお願いします。

                  公認会計士・赤塚和俊
Re: 「予算準拠の原則」の解釈について 投稿者:松原明 投稿日:2002/05/28(Tue) 18:51:00 No.1132
> また、予算主義の削除等を含むNPO法の改正案が今国会に提出されるようですが、
> その見通しはどうでしょうか?

> この点に関しては私はわかりません。松原さん、よろしくお願いします。                
公認会計士・赤塚和俊

松原です。

NPO議員連盟がすでに法律改正案を作成しており、そこでは、NPO法第27条第一項
にある予算主義の削除を定めています。
NPO議員連盟では、共産党を除くすべての党の党内手続きは終了しているということで、
国会にこの改正案が提案されれば、すぐにでも成立すると思われます。

ただし、問題は、国会日程で、今通常国会の終了日は、6月19日となっています。
NPO法改正案が審議されるのは、内閣委員会という国会の委員会ですが、ここでは、
今、個人情報保護法案が審議されており、他の法案がすぐに審議にかけられるような
状況ではないということです。
国会の会期延長がないと、今国会でのNPO法の改正は難しいかもしれません。

延長があるかどうかは、政治的な駆け引きがあるらしく、今のところ不透明です。

そういうわけで、現状では、なんとも言えない状況にあります。

状況が分かり次第、NPOWEBのニュースでお知らせいたしますので、もうしばらく
お待ち下さい。

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