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認定NPO法人の認定基準について 投稿者:田宮 投稿日:2002/05/28(Tue) 11:10:00 No.1144
はじめまして。認定NPO制度についてお聞きしたい事があります。

会費一部の寄付金算入について、「会費の内実費を除いた部分」を寄付と見なす、と
いうことなのですが、何を基準に内実費、というのでしょうか?
たとえば私が関わっている団体は環境問題に取り組んでいるのですが、毎月機関誌を
だして年に2,3回総会や理事会をひらく以外は、イベント、講演会、合宿(すべて
非会員も参加対象)を行っています。

国税局に聞いたところ、機関誌(会費の対価)や“組織維持”に使われている費用は
あくまで会費である、といわれました。
機関誌と総会理事会は組織維持のためとはっきりわかるのですが、では、イベント、
講演会、合宿などは寄付で運営されていると認められるのでしょうか?

また定款に、“会費の一部を寄付と見なす”と明示してもしなくても認定には全く関
係ないのでしょうか。
ちなみに6月にNPO申請をして、一年経過し次第認定NPO申請をしようかと考え
ています。

ものすごく基本的なことですが、よろしくおねがいします。

田宮
Re: 認定NPO法人の認定基準について 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2002/05/28(Tue) 18:40:00 No.1145
田宮さん、

ご投稿ありがとうございます。

お答えする前に、ひとつ質問があります。
「組織維持に使われている費用はあくまで会費」と国税局から言われたということで
すが、その意味が分かりかねております。それは社員の会費について言われたのでし
ょうか。それとも、それ以外の会員(賛助会員など)についてでしょうか。何か、そ
の前提になるものがありましたでしょうか。

お手数ですが、上記についてちょっとお知らせいただきたく、お願いいたします。

シーズ事務局・轟木 洋子
Re: 認定NPO法人の認定基準について 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2002/05/30(Thu) 12:15:00 No.1146
田宮さん、

国税局の方のおっしゃっている「組織維持に使われる費用はあくまで会費」という
意味がやはり分かりかねますが、とりあえずはまず、会費と寄附についての基本を
以下に述べることにしますね。

ご質問のひとつは、日本版パブリック・サポート・テストの分子に、寄附として算
入できる会費部分はどの部分か、ということだと思います。

NPO支援税制(認定NPO法人制度)においては、会費は次の3つの分類されます。
(1)社員からの会費
(2)社員以外からの会費のうち、対価性(反対給付)のある会費
(3)社員以外からの会費のうち、対価性(反対給付)のない会費

まず、このうちの(1)は、寄附金とはみなされません。つまり、社員の会費は、
一切寄附としては扱われません。(社員からの寄附は寄附として扱われます)

次に(2)の「社員以外(賛助会員など)からの会費のうちで、対価性のある会費」
とは、その会費によって、何か資産やサービスを購入している、ということです。こ
の対価性がある部分については、寄附とは認められないということです。

例えば、値段の付いた機関誌を一般に販売しているけれど、会員になるとこの機関誌
が送付されてくるような場合、会費にこの機関誌の購読料が含まれると解釈され、そ
の購読料部分は、寄附とは認められません。また、有料のセミナーなどを開催してい
るけれど、会員になればそのセミナー受講料を払わなくても良いような場合、会費に
その受講料が含まれている(対価性がある)と解釈されて、その部分は寄附扱いには
ならないと判断される可能性があります。

会費のうち、寄附として認められるのは、(3)だけです。社員ではない会員(賛助
会員など)が納める寄附のうちで、上記のような対価性のない部分は、寄附として扱
って、日本版パブリック・サポート・テストの分子に加えることができます。

以上が、NPO支援税制(認定NPO法人制度)における、会費と寄附の考え方ですの
で、これを踏まえてもう一度国税局にお問い合わせいただけますでしょうか。国税局
の方のいう「組織維持に使われる費用はあくまで会費」というお答えは、ひょっとし
たら社員の会費のことを言っているのかもしれません。そのうえで、また不明な点が
あった場合、ぜひとも再度ご投稿ください。

シーズ事務局・轟木 洋子
Re: 認定NPO法人の認定基準について 投稿者:田宮 投稿日:2002/05/31(Fri) 10:01:00 No.1147
轟木さん

 お返事ありがとうございました(と言うかこちらの返信が遅れてすみません)。
・「組織維持に使われる費用はあくまで会費」の件

 現在私どもの団体では、呼び名は「会費」なのですが、実際は組織の日常的な活動に使われている部分(機関誌発行、事務連絡、総会、理事会、会員対象のイベント)と、
その余剰金として一般の人を対象にした各種イベントをおこなっている部分があるのです。

 そこで質問は、組織維持に使われる費用は「実質的会費」として、余剰金は「実質的には寄付」だとの解釈を、認定基準として認めてもらえるのか、ということです。

 分かっていただけましたでしょうか?
 不得手な説明でお手数をおかけします。
  
 田宮
Re: 認定NPO法人の認定基準について 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2002/06/05(Wed) 15:07:00 No.1148
田宮さん、

やはり、情報不足でよくお答えできません。
お手数ですが、次のことを確認させてください。

1)「組織維持に使われる費用はあくまで会費」と国税局の方がおっしゃったのは、
社員の会費についででしたか? それとも、社員以外の会員の会費についてでしたか?

2)もし、「組織維持に使われる費用はあくまで会費」というのが、社員以外の会
員が納める会費についてでしたら、その社員以外の会員に、何か財・サービスの提
供(物品を提供したり、サービスを提供したり)をしていますか?

なお、「一年を経過しだい認定NPO申請をしようかと考えています」とのことで
すが、NPO支援税制の対象となる国税庁長官の認定申請をするにあたっては、申
請までに二つの事業年度を終了している必要があります。NPO法人になって、最
初の事業年度は設立時期などによって、短期間の事業年度になる可能性があります
が、その次の事業年度は丸々終了していなければなりません。
では、上記2点についての情報をお願いいたします。

シーズ事務局・轟木 洋子
Re: 認定NPO法人の認定基準について 投稿者:田宮 投稿日:2002/06/19(Wed) 16:39:00 No.1149
轟木さん

お返事が遅くなって申し訳ありません。
まずおたずねの件についてですが、

シーズ・轟木 洋子> 1)「組織維持に使われる費用はあくまで会費」と国税局の方がおっしゃったのは、
シーズ・轟木 洋子> 社員の会費についででしたか? それとも、社員以外の会員の会費についてでしたか?

社員とそれ以外の会員の区別は特にせずに話していました。

シーズ・轟木 洋子> 2)もし、「組織維持に使われる費用はあくまで会費」というのが、社員以外の会
シーズ・轟木 洋子> 員が納める会費についてでしたら、その社員以外の会員に、何か財・サービスの提
シーズ・轟木 洋子> 供(物品を提供したり、サービスを提供したり)をしていますか?

社員へもそれ以外の会員へも機関誌を発行しています。その費用は年間3000円ほどで、社員の年会費は
一口1万円、それ以外の会員は2000円、3000円、5000円の区分があります。

現在の支出を大きく分けると、組織維持費、機関誌発行費、事業費(各種イベント:参加無料、一般の方々対象)ですが、組織維持費、
機関誌発行費は組織として成り立っていくのに当然必要な資金なのですが、各種イベントは資金に余裕が
あるからできているものです。この部分にあてられている資金は実質寄付と見なされ得るのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

田宮

追伸:なお認定NPO申請時期について、わたしの勘違いです。2事業年度を終了してから申請ですね。
ご指摘ありがとうございます。
Re: 認定NPO法人の認定基準について 投稿者:佐藤 投稿日:2003/03/07(Fri) 22:15:00 No.1150
轟木 洋子さんにご意見伺えましたら幸いです。
いつもご回答を参考にさせていただいています。

私共のNPOでは、正会員、賛助会員、利用会員の三種類を設けております。
利用会員は、本来事業として行っている教材の貸出(税法上は収益事業として
申告する予定です)の際、割引が受けられることや、書籍類が借りられるなどの
特典があります。このような利用会員の会費は、対価性があるとして、
パブリックサポートテストの分子に入れることができないのは理解しました。
そこで、例えば賛助会員の方にも同じ特典を与えてしまうと、その会費もやはり分子には
いれられないということで、理解は正しいでしょうか。
もし賛助会員の方で、同じ特典を受けたいと言うような場合があれば、
利用会員としても同時に入会してもらう方が、分かりやすいということですよね?

すみませんが、よろしくお願いいたします。

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