- 入会拒否について - 安東 2002-06-19 17:38:00 No.1228
入会拒否について 投稿者:
安東 投稿日:2002/06/19(Wed) 17:38:00
No.1228
すでに認証を得て、雑誌などへ掲載を頂きありがたいのですが、明らかに悪質な事を企んでいる方や企業など
からも入会への打診があり、大変困っております。
基本的に趣旨に賛同している方の、入会は拒めないかと存じておりますが、
入会してしまうことによって、混乱を招く恐れが大変多い方はどうしても拒否したく考えて
おります。
どのようにすればよろしいかご指導お願いいたします。
Re: 入会拒否について 投稿者:
ぱいん 投稿日:2002/06/24(Mon) 02:21:00
No.1229
> 明らかに悪質な事を企んでいる方や企業などからも
> 入会への打診があり、大変困っております。
> 基本的に趣旨に賛同している方の、入会は拒めないか
> と存じておりますが、
> 入会してしまうことによって、混乱を招く恐れが大変
> 多い方はどうしても拒否したく考えております。
ご存じであるとは思いますが、
特定非営利活動促進法第2条第2項第1号イによって
特定非営利活動法人は、
「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと」が
義務付けられています。
企業であることをもって、社員(会員)になることを
拒めるとは思えませんが。
「混乱を招くおそれ」というのがどの程度のものですか?
Re: 入会拒否について 投稿者:
安東 投稿日:2002/06/24(Mon) 07:39:00
No.1230
どの程度の混乱かはどう説明していのか分かりませんが、
仮によく知っている人物で、何をしても組織を混乱させる人物や、
業界として悪い方面で有名な方ってのはどの業界でもいるかと思います。
そのような方々を含めて、どうしても入会を拒みたい場合の正等な理由を教えて頂きたいのです。
本当に困っておりますので、どうかご指導お願い致します。
Re: 入会拒否について 投稿者:
シーズ・轟木 洋子 投稿日:2002/06/26(Wed) 15:30:00
No.1231
安東さん、ご投稿ありがとうございます。
ぱいんさん、お答えいただき、ありがとうございます。
さて、社員の入退会については、ぱいんさんもお書きくださったように「社員の資格
の得喪に関して、不当な条件を付さないこと」となっています。では、不当でない条
件とは何かというと、目的と法人の活動手段からして合理的と判断できる条件という
ことです。
たとえば、医療技術の向上を目的とするNPO法人があったとして、その法人が社員
を医療関係の資格を持った人だけに限定するとか、市民活動団体を支援することを目
的とする法人が、社員を市民活動団体だけにするなどという場合です。
「NPO法コンメンタール」(日本評論社)には、次のように解説があります。
「何が『不当な条件』に当たるかについては、(1)そのような条件の付加そのものが
社会通念上許容されるものであるかどうか、(2)活動目的や事業運営との関係で、そ
のような条件の付加に合理性が認められるかどうか、といった観点から判断される
ことになる。」
安東さんは、企業の入会を拒否したいということのようですが、その場合は、それに
関する何か不当でない条件が必要になります。(しかし、難しいように思われます)
また、「入会を拒む場合の正当な理由」については、まだ実例などがないように思い
ます。安東さんのNPO法人が、「混乱を招く恐れがある」として入会を拒否した場
合で、その拒否された方が裁判などを起こせば、負けてしまうこともあるでしょう。
また、所轄庁からも報告を求められたり、改善命令を受けたりすることもあるかもし
れません。
また、NPO法が社員の自由な入退会を定めていることによって、たとえばある意思
を持った人たちが意図的に入会して社員となり、その人たちによって法人がのっとら
れてしまう、ということは有り得ます。しかし、入退会について不当な条件を付さな
いということは、反対にそうした意思を持った人たちに反対する人たちも多く入会す
ることができるということです。NPO法は、これによって運営のバランスを取ろう
としているといっても良いと思います。
ところで、多くのNPO法人は、その定款のなかで社員の除名についても定めている
と思います。たいていは「法令、本会の定款または規則に違反したとき。本会の名誉
を毀損し、または本会の目的に反する行為をしたとき」などは、理事会、または総会
で除名できるとしている筈です。もし入会した後に問題が起こった場合などは、こう
した定款の定めも利用できます。安東さんの法人の定款はどのようになっているかも
ご確認ください。
では、ご質問がございましたら、またご投稿ください。
シーズ事務局・轟木 洋子
Re: 入会拒否について 投稿者:
安東 投稿日:2002/06/26(Wed) 17:00:00
No.1232
ありがとうございました。
いろいろと勉強し検討していきたく思います。
今後も何かありましたら宜しくお願い致します。
Re: 入会拒否について 投稿者:
ぱいん 投稿日:2002/06/27(Thu) 00:25:00
No.1233
> どの程度の混乱かはどう説明していのか分かりませんが、
> 仮によく知っている人物で、何をしても組織を混乱させる人物や、
> 業界として悪い方面で有名な方ってのはどの業界でもいるかと思います。
> そのような方々を含めて、どうしても入会を拒みたい場合の正等な理由を教えて頂きたいのです。
> 本当に困っておりますので、どうか指導お願い致します。
お困りのようですが 大変申し訳ありません。
行政実例によれば、例えば、法人の事業を妨げ、または妨げようとする者や
犯罪行為及び破産その他信用を失う行為をした などがあるとは思います。
とはいっても、被疑者被告人は刑が確定するまでは 無罪と推定されるべきですし、
特定非営利活動促進法は、特定の犯罪を犯した人や破産者が
理事になることは制限してても、社員になることを制限してはいないので、
難しいでしょう。
形式的に該当するからということではなく、裁判になれば、
明確な事実による証明が求められるでしょうし、法人の目的や存立を脅かすほどの
具体的な事実の立証が必要になります。
裁判に負ければ、社員の資格取得を拒まれた逸失利益の賠償や慰謝を
求められるおそれもあるでしょう。
まあ、よくある話ですが、混乱を招くという主張も、
現在の理事に対して反対するからという理由で、社員になることを
拒むのは、現職理事の地位保全のためということになり、
「不当な条件」とみなされるでしょうね。
除名も手続を適正に行わないと、最高裁判所の去年の類似判例によると
手続違反で無効だと宣言されることもありますので、ご注意ください。
また、市民活動を支援する特定非営利活動法人が社員を
「市民活動団体」に限るとしたとします。
これも「市民活動団体」が何者か明確ではないですし、
企業が市民活動を支援するということを許さないというのも
社会通念上 現実との整合性がとれません。
医療の向上を目的とする特定非営利法人の社員を
医師、歯科医師、看護師、薬剤師という医療関係資格者
のみにすることも、
医療法による医療法人でも、理事長は一部の例外を除き、
医師又は歯科医師でなければならないが、
理事でも 社員でも 資格制限について定めがないことから
(現実に生命倫理関係や法律関係の学識経験者が
理事に就任することもありますし)
合理的でないとされる可能性もあります。
ご参考までに。