従たる事務所と支部 投稿者:
藤枝 投稿日:2000/08/09(Wed) 10:57:00
No.132
こんにちは,全国に兄弟組織を持つ団体でこれからNPO申請をする者です。
構想としては全国の兄弟組織を支部とした組織をイメージしてますが,
支部は定款の事務所の条項に「従たる事務所」として記載しなければな
らないのでしょうか?
もし不要な場合,兄弟組織を理事会で支部として認める場合には,定款に
「支部」の章を設けなければならないのでしょうか?
また支部が「従たる事務所」となる場合,定款の変更なく兄弟組織である
ことを認める何らかの方法はないのでしょうか。
さらに場合によってはどちらともとれる場合は,その境界となる「従たる
事務所」の基準を教えて下さい。
なお,この支部は地域の社員が役員となる本部からの支援を受けない任意
団体です。
よろしくお願いします。
Re: 従たる事務所と支部 投稿者:
シーズ・轟木 洋子 投稿日:2000/08/11(Fri) 19:35:00
No.133
藤枝さん、ご投稿ありがとうございます。
藤枝さんの団体の活動や組織形態などが不明なため、ひょっとしたらご質問への
的確な答えにならないかもしれませんが、一般的なことを下に書いてみます。
まず「事務所」が何かということですが、これについては、前ページの「48」
で似たご質問を受けており、お答えしています(この画面の下の「次のページ」
をクリックすると出てきます)。
詳細はそちらをご参照いただきますが、そのなかで「NPO法コンメンタール」
(日本評論社)から次のようなくだりを紹介しました。
「…本法人が設立認証の申請をした団体が、事務所として定款で定めたところを
事務所と見ざるをえない。そして、そのなかで中心となる事務所を『主たる事務
所』と見ざるをえないであろう。…」
つまり、大雑把に言ってしまうと、事務所となるべき要件(主たる事務所であれ
ば事業報告書の備置など)を整えていれば、法人側が「これを事務所」とする、
と申請したところが事務所となります。
よって、支部のある場所にそれぞれ従たる事務所を置きたいということなら、そ
れも可能です。
また、支部という名であっても、実態として事務所がない場合は「従たる事務所」
はない、ということも有り得ることと思います。
では反対に、実態として事務所があるのに、それを従たる事務所として申請しな
かった場合ですが、これは虚偽を行ったとして罰則規定の対象となる可能性があ
ります。
この事務所の「実態」というのは大変あいまいなもので、常識の範囲としか言い
ようがありません。
しかし、例えば常勤またはアルバイトスタッフが働いていたり、活動用のスペー
スがあったり、看板をあげていたりなどが、実態としてあげられるように思いま
す。
次に、藤枝さんのもうひとつの質問の、「従たる事務所がない場合で、理事会が
支部として認める時に、定款に『支部』の章をもうけなければならないか」とい
う点ですが、定款に支部の章をもうけるか否かは、事務所の有無とあまり関わり
ないように思います。
定款に「支部」の章をもうけなくとも、定款の理事会の権能の章に「その他本会
の運営に必要な事項」とあれば、これに支部を認めることも含めると考えること
もできるでしょう。
ちなみに、NPO法人の社員(議決権を持ついわゆる正会員)の資格の得喪に関
して「不当な条件を付さないこと」という決まりがNPO法にありますので、も
し支部のみを法人の社員とする、というような形を取るなら、団体の目的と照ら
し合わせて、それが正当な理由であることが求められますので、ご注意ください。
では、暑い毎日ですが、ご自愛くださいませ。
シーズ事務局・轟木 洋子