NPOWEB

いつもお世話になっております。
ひとつお聞きしたいのですが、日本では非営利活動に対する寄付金は
個人からの寄付の割合が多いのでしょうか、法人からの寄付の割合が多いのでしょうか。
何か参考となるデーター等はどこかにございますでしょうか。
ある本には、アメリカでは寄付の９割が個人からの寄付で１割が
法人からの寄付なのですが、日本では８割が法人からの寄付だとして
寄付の土壌が違うと書いてありました。
ＮＰＯ支援税制改革の点からもお聞きしてみました。
お手数ながら宜しくお願いいたします。

富山の労働者さん、

「日本では８割が法人からの寄附」というのは、どこへの寄附に関するデータのことか
不明ですが、ＮＰＯ法人への寄附に限っていえば、２０００年にシーズが行った調査が
あります。

これによると、回答した２３６のＮＰＯ法人のうち、個人からの寄附を受けたことがあ
るＮＰＯ法人は２１５法人、法人（団体）からの寄附を受けたことがあるＮＰＯ法人は
１１９法人です。

また、寄附者の数を見ると、回答した２３６のＮＰＯ法人に寄附をした個人の寄附者数
は２１，６３３人で、法人（団体）の寄附者数は９３６法人です。

さらに、回答した２３６のＮＰＯ法人への、個人の寄附者からの寄附金総額は約４億２６００万円
で、法人（団体）からの寄附金総額は２億３１００万円となっています。

この調査は、２年前の数字で、まだまだＮＰＯ法人になったばかりの法人も多い時期で
した。今調査すると、少し違う数字になるかもしれませんが、ＮＰＯ法人に限っていえ
ば、日本でも個人からの寄附の方が多いという結果になっています。

一方で、シーズ事務所にある資料から国税庁の「平成５年分税務統計から見た申告所得
税の実態」「平成５年分税務統計から見た法人企業の実態」のデータを見ると、全国の
個人寄附金は約５．７％（約３１５億円）で、残りの９４．３％（約５，２３６億円）
が企業寄附金になっています。

しかし、この国税庁の数字は、確定申告をベースに取られたデータです。個人寄附者が
寄附金について確定申告をするのは、寄附金の優遇制度をもった特定公益増進法人や社
会福祉法人などに寄附をした時だけですし、小額寄附については、申告しない人も大勢
いると思いますので、これだけを見て判断することもできないと思います。

上記のデータが、少しでもお役に立てば幸いです。

シーズ事務局・轟木　洋子

轟木先生、ありがとうございます。
個人の寄附者からの寄附金総額が約４億２６００万円にもなること
より、あらためて個人寄付の役割の大きさを痛感いたしました。
もう一度支援する税制をよく考えてみます。
ありがとうございました。

富山の労働者さん、

そうですね。約４億２６００万円というのは、たった２３６法人だけに対して集まった
寄附ですから、実際にはもっともっとです。

ところで、前回の私の回答では、国税庁のデータについては平成５年分の数字を書いた
ですが、その後、国税庁のホームページで新しい数字が取れることが分かりました。
ホームページのアドレスは以下のとおりです。
http://www.nta.go.jp/category/toukei/tokei.htm

しかし、前回のべたように、国税庁の数字は、確定申告によって明らかになったもので
あり、実際には確定申告に表れてこない寄附額の方がはるかに多いのだと思います。

シーズ事務局・轟木　洋子