NPOWEB

認定NPOを目指す団体に、企業から寄付の申し出があるが、１者あたりの寄付金限度額を越える部分が出てしまい、反って認定が受けにくくなる事態に直面した場合、
企業側に、寄付金としてはもらわずに例えば企業名も入ったNPOのＰＲグッズを製作してもらいその寄贈をうけるように
した場合、企業側では、広報宣伝費などで経費になるのでしょうか。また、グッズをもらったＮＰＯでは、どのように仕訳をするのでしょうか。
また、パソコンや備品などＮＰＯが希望する商品を買ってもらった場合は、企業、ＮＰＯ双方でどういう経理処理になるのでしょうか。

　寄付をうけた場合、あくまでも寄付財産としてそれなりの評価額を出して
財産目録上には掲載するのが一般的ではないかとおもいます。

茨城NPOセンター・コモンズの横田です。
三上さん、ご指摘ありがとうございます。イベントなどで売れるＰＲグッズを寄贈してもらった場合、
本と同じように販売用資産になるのでしょうが、仕訳としては寄付収入で商品が増えたという形になるのでしょうか。
その場合、現金換算して寄付金収入にすると、認定審査においても寄付金総額と総収入がその分増えることになるのでしょうか。
であれば、寄付金を現金でもらったことと同じ結果になってしまいます。寄付金勘定にはふれずに資産を増やすということはできるのでしょうか
。また、10万円以下の文具などの寄贈の場合でも、財産目録にのせることになるのでしょうか。その場合の仕訳は
どうなるのでしょうか。

横田　能洋　さん

> 三上さん、ご指摘ありがとうございます。イベントなどで売れるＰＲグッズを
> 寄贈してもらった場合、本と同じように販売用資産になるのでしょうが、仕訳
> としては寄付収入で商品が増えたという形になるのでしょうか。

原則はそうです。（借方）商品もしくは仕入（貸方）寄附金収入となります。た
だし、これも程度問題で、金額でいくら以下と線引きできるわけではありません
が、少額であれば寄附金を計上しなくてもかまわないと思います。

> その場合、現金換算して寄付金収入にすると、認定審査においても寄付金総額
> と総収入がその分増えることになるのでしょうか。

そうなります。

> であれば、寄付金を現金でもらったことと同じ結果になってしまいます。寄付
> 金勘定にはふれずに資産を増やすということはできるのでしょうか。

上記のように、程度問題です。

> また、10万円以下の文具などの寄贈の場合でも、財産目録にのせることになる
> のでしょうか。その場合の仕訳はどうなるのでしょうか。

消耗品費などの経費になるようなものは寄附金として認識する必要はありません。
もちろん財産目録にも計上しません。三上さんのおっしゃるのは固定資産などを
想定されているのだと思います。

　　　　　　　　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊

赤塚和俊 様　
ありがとうございました。
企業等からの支援の申し出は受けたいが、認定要件の関係で寄付金総額を増やしたくないという場合は、
イベントや印刷経費の一部を負担してもらうとか、資産計上しない程度の物品の寄贈をうけるか、商品やサービス
を買ってもらう、などの工夫が必要になるようですね。ただ、これらの方法の場合、企業側で損金扱いできるかどうかが
気になるところです。実際に、税務署によって損金扱いの判断が違うとも聞いています。本筋としては、寄付金が堂々と算入できるように
大口寄付の算入限度枠をさらに拡大していく必要があると思いますが。