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公務員の理事長就任について 投稿者:大谷憲史 投稿日:2003/01/23(Thu) 23:40:00 No.1777
 宮崎の大谷です。
 公務員のNPO参加については,この掲示板でなんとか分かったのですが。

 では,公務員,例えば,どこかの市の職員がNPO法人の理事長には
就任できるでしょうか?
 委託事業等で市の職員という立場を利用して,
自分ところのNPO法人に優位になるような操作をする恐れもありますよね。

その点いかがなものでしょうか?
Re: 公務員の理事長就任について 投稿者:ぱいん 投稿日:2003/01/27(Mon) 20:45:00 No.1778
>  宮崎の大谷です。
>  公務員のNPO参加については,この掲示板でなんとか分かったのですが。
>  では,公務員,例えば,どこかの市の職員がNPO法人の理事長には
> 就任できるでしょうか?

地方公務員法第35条に職務に専念する義務に関し、、
「職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、
 当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」という規定に留意する必要があります。

理事長として業務を行うのが完全に勤務時間外であれば問題がないのですが、勤務時間内に法人のために交渉を行うなど
法人の業務を行う可能性があるのであれば任命権者から事前に職務の専念義務の免除の承認を受けることがが必要です。

各地方公共団体ごとに基準や手続が異なりますので、当該地方公共団体の「職務に専念する義務の特例に関する条例」を確認してください。

>  委託事業等で市の職員という立場を利用して,
> 自分ところのNPO法人に優位になるような操作をする恐れもありますよね。
> その点いかがなものでしょうか?

地方自治法第117条によって「普通地方公共団体の議会の議長及び議員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の
一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、その議事に参与することができない」
という規定があり、地方公共団体の議会の議員が理事をしている法人が議会の議決を要する契約を当該地方公共団体と締結する場合には、
議決に加わることが出来ません。

地方公共団体の長、公営企業の管理者やこれらの委任を受けた者(契約担当者)、出納員、会計職員、監督職員、
検査職員が当該特定非営利活動法人の役員であった場合は、当該事務に関与すべきではないのは貴説のとおりですが
地方公務員法第33条(信用失墜行為)「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような
行為をしてはならない」という規定しかないという状況です。

設問のような優位な操作を担当職員がした場合は、地方自治法第2条第14項の「地方公共団体は、その事務を
処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」
という規定に違反するので、担当職員は賠償義務がありますし、
刑法の競売入札妨害罪や私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反も構成することがあるので、
厳に留意する必要があります。

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