NPOWEB

京都に事務局を置く、会員組織のNPO法人です。

一部に自治体からの受託による事業を行っています。
これはNPO法上では本来事業として非収益事業でも、
税法上は「請負業」として収益事業にあたりますよね。

しかし、自治体は本来、公益のための団体で、
NPO法人も公益増進に資する活動を行う団体です。
その間の事業委託に税金が発生する、というのは、
NPO法の精神に反しているのではないのでしょうか？

もうすぐ収益事業を開始して初めての決算を行いますが、
自治体からの受託事業から生じる税金を納めるのが
本当に正しいのか、疑問を持っています。
この問題については、全国の税務署によっても
見解が違うと聞きました。

当会は会員組織であるため、この税金を納めるにしても
会員に納得のいく形で説明ができなければなりません。

公的機関から事業を受託されている他の団体の皆さんは
どのように考え、処理されているのでしょうか。
また、専門家の方のご意見もいただけるとありがたく
存じます。よろしくお願いいたします。

特定非営利活動法人　環 境 市 民
〒604-0932 京都市中京区寺町二条下る呉波ビル3階A
TEL 075-211-3521 FAX 075-211-3531
Mail: life@kankyoshimin.org（代表）　　
WWW: http://www.kankyoshimin.org/
事務局スタッフ　南村多津恵

南村多津恵さん

> 一部に自治体からの受託による事業を行っています。
> これはNPO法上では本来事業として非収益事業でも、
> 税法上は「請負業」として収益事業にあたりますよね。

そうです。ただし実費精算方式の委託の場合は収益事業ではありません。
詳しくはNo.1042を参照してください。また、このページの一番下に設け
てある「検索」で「委託」を検索すればいろいろな事例があります。

> しかし、自治体は本来、公益のための団体で、
> NPO法人も公益増進に資する活動を行う団体です。
> その間の事業委託に税金が発生する、というのは、
> NPO法の精神に反しているのではないのでしょうか？

委託を受けるのはＮＰＯ法人には限らず、税法は受託者を区別しない包括
的な規定ですので、現行法のもとではやむを得ないところです。私も個人
的には、非営利法人が行う本来事業に関しては仮に利益があったとしても
課税するべきではないと思います。

> この問題については、全国の税務署によっても見解が違うと聞きました。

実費精算方式を除く委託事業に課税するという点では税務署によって見解
が異なるということはありません。委託事業は法人税法では「請負業」に
該当するのですが、「請負」を拡大解釈するとあらゆるサービスの提供が
「請負業」に該当することになってしまいます。この範囲についての税務
署の判断がかなり幅があるということです。

　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊

公認会計士　赤塚和俊さま

ご丁寧な回答をありがとうございました。
バックナンバーを調べ、当NPOの事例はどのように判断すべきかを
あらためて考えてみます。
「請負業」に当たるもの、当たらないものについての各税務署の判断は、
どこかで調べる手立てはありますでしょうか？
またわからなくなれば、ご質問させていただくかもしれません。
その際にはよろしくお願いいたします。

他のNPOの皆さんも、できましたら経験談をお聞かせいただきましたら
幸いです。

特定非営利活動法人　環 境 市 民
〒604-0932 京都市中京区寺町二条下る呉波ビル3階A
TEL 075-211-3521 FAX 075-211-3531
Mail: life@kankyoshimin.org（代表）　　
WWW: http://www.kankyoshimin.org/
事務局スタッフ　南村多津恵

南村多津恵さん

> 「請負業」に当たるもの、当たらないものについての各税務署の判断は、
> どこかで調べる手立てはありますでしょうか？

この手の情報についてはこの質問箱以上に具体的な情報が得られるところ
は、私の知る限りはありません。

専門家の間でも、これから情報交換の場を作ろうとしているところです。
専門家ネットワークについては
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9123/index.htm
をご覧下さい。

　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊