English Page
NPO法人従業員の源泉徴収税はどうすればいいのか 投稿者:Takahashi 投稿日:2003/03/09(Sun) 11:36:00 No.1954
NPO法人格の認証を得て、今事務的なことでやらなくてはいけないことは何か色々勉強中のものです。
赤塚和俊先生の「NPO法人の税務」は早速申し込みをしておりますが、今気になっていることを
お尋ねいたします。

高齢者、障害を持っておられる方、子育て中のママなど、IT習得環境の中にいない方にたいして
パソコン習得の裾野を広げようとグループ活動をはじめ、2年を経てNPO法人格の認証を受けました。
スタッフは、代表理事である私、理事、会員、まだ会員になっていただいていない方と立場は色々です。
スタッフの身分は、子育てのために会社を辞めた人たちが中心です。

参加いただいている方々からは、施設利用費、テキスト代ぐらいのものをいただいており、当初年度は
ともかく、次年度(2004年度)の収入合計は2.000,000円ぐらいです。全収入の半分ぐらいが人件費です。
後は、事業実施費(施設利用費、テキスト作成費、保育預かり費)などです。

個人への人件費としての支払いは、月額10,000円から20,000円ぐらいです。(アテンドした回数により個人差があります)
これに対して、源泉徴収税はどのようにすればいいのでしょうか?
身分を「従業員」(あるいは職員と呼ぶのでしょうか)にしなければ法人が源泉徴収をして個人の税金を
替わりに支払うということはなくなるのでしょうか?

いずれにしても、年間の額が少ないので、私のところからの支払いに対しては税金は支払う必要はないと
思いますので、その他個人で収入のある方は、合わせて個人で確定申告をしていただくということで
いいのでしょうか?
教えていただければ、と思います。よろしくお願いいたします。

なお、私は(女性)技術畑の出身で、税務・会計については、全く白紙の者です。
何方か、アシスタントをしていただける人を探しております。
こちらのほうもよろしくお願いいたします。
Re: NPO法人従業員の源泉徴収税はどうすればいいのか 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2003/03/09(Sun) 13:51:00 No.1955
Takahashiさん

> 個人への人件費としての支払いは、月額10,000円から20,000円ぐらいです。
> (アテンドした回数により個人差があります)
> これに対して、源泉徴収税はどのようにすればいいのでしょうか?
> 身分を「従業員」(あるいは職員と呼ぶのでしょうか)にしなければ法人が
> 源泉徴収をして個人の税金を替わりに支払うということはなくなるのでしょうか?

人件費とおっしゃっているのは講座の講師料のようなものだと理解していいの
でしょうか?
そうであれば考え方としては二通りあります。講師を事業主として請負契約を
結んでいると考えるか、または、時間講師として雇用関係を結んでいるかです。

前者であれば報酬源泉(10%)の源泉徴収が必要となり、後者であれば給与
源泉が必要となります。いずれにせよ支払う法人には源泉徴収義務があります。

給与源泉の場合には、さらに甲欄と乙欄の違いがあります。
甲欄というのは、本人にとってこの収入が主たる給与所得である場合で、毎年、
扶養控除等申告書という書類を提出してもらいます。甲欄であれば、月に8万
7千円未満の支払いであれば源泉徴収の必要はありません。

乙欄(扶養控除等申告書の提出がない)の場合は、月に8万7千円未満の支払
いであっても5%の源泉徴収が必要です。
なお、報酬源泉の場合も給与源泉の乙欄の場合も、最終的には本人が確定申告
をして精算することになるので、法人が個人の税金を替わりに支払うというの
とは意味が違います。

甲欄の場合も、年末調整をすれば確定申告は不要ですが、年末調整を行わない
か、または他にも所得のある人は確定申告をすることになります。

           公認会計士・赤塚和俊
Re: NPO法人従業員の源泉徴収税はどうすればいいのか 投稿者:fusen 投稿日:2003/03/09(Sun) 18:21:00 No.1956
講師への謝礼が1回2,400円というような場合もこれから5%源泉徴収が必要でしょうか。
毎月とか週一とかの定期的なものではなく、臨時に1回だけというような場合のことです。
5%とすると12円ですが。
Re: NPO法人従業員の源泉徴収税はどうすればいいのか 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2003/03/09(Sun) 20:04:00 No.1957
fusenさん

> 講師への謝礼が1回2,400円というような場合もこれから5%源泉徴収が
> 必要でしょうか。
> 毎月とか週一とかの定期的なものではなく、臨時に1回だけというような場合
> のことです。

基本的には、金額の多寡とは関係ありません。現実には、同じような事例で源泉
徴収をしていないことも多いようですし、それをとがめられたという話もあまり
聞いたことはありません。ただし、法令の解釈上はたとえ少額でも例外ではあり
ません。

なお、No.2128にも書いたように一定の専門的知識や技能を要求される業務でなけ
れば源泉徴収は必要ないのですが、一般的に講師のような仕事は専門的知識を要
するものと解釈されます。

> 5%とすると12円ですが。

5%は120円です。

              公認会計士・赤塚和俊
Re: NPO法人従業員の源泉徴収税はどうすればいいのか 投稿者:fusen 投稿日:2003/03/09(Sun) 22:20:00 No.1958
甲表なら87,000未満は0円ですのに、乙表はずいぶん高いのに驚きました。
ありがとうございました。
Re: NPO法人従業員の源泉徴収税はどうすればいいのか 投稿者:Takahashi 投稿日:2003/03/10(Mon) 14:40:00 No.1959
赤塚和俊 さま
早速お返事ありがとうございます。

> 人件費とおっしゃっているのは講座の講師料のようなものだと理解していいの
> でしょうか?
全員がそうではありません。大体一講座二人で対応していますが、テキストを作成
したりして講義をしているのは基本的には私一人です。あとの方はアシスタントとして
皆さんの質問に答えたり、操作で迷っていたりするのをアドバイスしてあげたりして
います。
私自身もパソコン講師の肩書きを持っているわけではありません。
私たちは専門職を経た技術者集団ではない、ということです。
(仕事上パソコンを習得し、その結果ある程度の実力者の集団ということです)

とすると源泉徴収の必要はないかな、と言う気がしますが、最低「給与源泉」を
行い、(そういう契約にして)乙欄適用者なので5%の源泉徴収を行う、
という基本的な型になるのでしょうか?

「源泉徴収」ということが良く判っていないようですが・・・
どんな人でも報酬を得たらそれに対してして税金を支払わなくてはいけない。

確定申告をして、自分の収入を全部洗い出して、それに見合う税金を支払う、
という手続きをする人はいいけども、それ(確定申告)をしない人に対しては、
雇用主は月々「源泉徴収」を行って、本人が税金を払いに行くのを替わりに
やってあげる、という解釈は間違っていますでしょうか?

もし、これが正しければ、全員に「確定申告をして税金を払って下さい」と
言って「源泉徴収」をしないと、いうことはありませんか?
Re: NPO法人従業員の源泉徴収税はどうすればいいのか 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2003/03/10(Mon) 17:01:00 No.1960
Takahashiさん

> > 人件費とおっしゃっているのは講座の講師料のようなものだと理解していいの
> > でしょうか?
> 全員がそうではありません。大体一講座二人で対応していますが、テキストを作成
> したりして講義をしているのは基本的には私一人です。あとの方はアシスタントとして
> 皆さんの質問に答えたり、操作で迷っていたりするのをアドバイスしてあげたりして
> います。

ということは、時間給のアルバイトと解釈するのが妥当だと思います。

> とすると源泉徴収の必要はないかな、と言う気がしますが、最低「給与源泉」を
> 行い、(そういう契約にして)乙欄適用者なので5%の源泉徴収を行う、
> という基本的な型になるのでしょうか?

そうですね。扶養控除等申告書を提出してもらわない限り、乙欄の源泉徴収が必要
です。

> 確定申告をして、自分の収入を全部洗い出して、それに見合う税金を支払う、
> という手続きをする人はいいけども、それ(確定申告)をしない人に対しては、
> 雇用主は月々「源泉徴収」を行って、本人が税金を払いに行くのを替わりに
> やってあげる、という解釈は間違っていますでしょうか?

本人が確定申告をするとしないとにかかわらず、給与や報酬を支払う事業者は源泉
徴収義務があります。甲欄適用者で雇用主が年末調整した場合のみ本人が確定申告
する必要はないということです。

> もし、これが正しければ、全員に「確定申告をして税金を払って下さい」と
> 言って「源泉徴収」をしないと、いうことはありませんか?

上記のように源泉徴収は事業者の義務ですから、本人が確定申告をするかしないか
は関係ありません。

             公認会計士・赤塚和俊
Re: NPO法人従業員の源泉徴収税はどうすればいいのか 投稿者:Takahashi 投稿日:2003/03/10(Mon) 21:49:00 No.1961
赤塚さま

> ということは、時間給のアルバイトと解釈するのが妥当だと思います。
と言うことは、No.2128でおっしゃっているように、一定の専門的知識や技能を要求して
いる業務でないと言うことで源泉徴収は必要ない、と言うことでよろしいのでしょうか。

> 上記のように源泉徴収は事業者の義務ですから、本人が確定申告をするかしないか
> は関係ありません。
良く判りました。ありがとうございました。
Re: NPO法人従業員の源泉徴収税はどうすればいいのか 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2003/03/11(Tue) 07:26:00 No.1962
Takahashiさん

> > ということは、時間給のアルバイトと解釈するのが妥当だと思います。
> と言うことは、No.2128でおっしゃっているように、一定の専門的知識や技能を要求して
> いる業務でないと言うことで源泉徴収は必要ない、と言うことでよろしいのでしょうか。

残念ながら違います。時間給のアルバイトというのは雇用関係とみなされるということ
ですから、扶養控除等申告書があれば甲欄、なければ乙欄となります。

一定の専門的知識や技能を要求している業務でなければ源泉徴収は必要ないというのは
報酬源泉の場合の話です。No.2128のケースは、移送サービスの委託ということで、雇用
関係にはないと判断しました。

雇用関係か否かの区別は結構むずかしいですが、一応、時間で拘束、報酬が時間単位(日
給や月給も時間単位に含まれます)、勤務中は雇用主の指揮監督下などの要素があれば、
雇用関係とみなされます。

なお、雇用関係(給与)の場合も本当に一時的なアルバイト(日払いで2ヶ月を越えて同
じ人を雇用しない=いわゆる日雇いです)であれば、丙欄といって9300円/日未満の
アルバイト料は源泉徴収をしなくても良いということになっています。

          公認会計士・赤塚和俊

- WebForum -