- 事業計画と予算書 - K/K 2003-04-03 00:35:00 No.2040
事業計画と予算書 投稿者:
K/K 投稿日:2003/04/03(Thu) 00:35:00
No.2040
事業計画と予算書、事業報告と収支計算書はそれぞれ一対のもの、表裏一体、お神酒徳利
という認識で来ました。
今般、予算準拠主義が特定非営利活動法から削除され、予算準拠は任意となるということは
事業計画に金銭的裏付けをつける必要はないということではないですよね?
資金的裏づけのない計画って、私には考えられないのですが、
予算準拠主義が法律から削除されたということの、実務的効用をご教示ください。
予算書つくらないで、計画を遂行できるのでしょうか?
この改正についてとんでもない勘違いをしているような気もします。
どうぞよろしくおねがいいたします。
Re: 事業計画と予算書 投稿者:
シーズ・轟木 洋子 投稿日:2003/04/08(Tue) 14:11:00
No.2041
K/Kさん、
ご投稿、ありがとうございます。
K/Kさんが書いていらっしゃるように、NPO法第27条第一項第一号の「収入及び
支出は、予算に基づいて行うこと」という条文は削除され、新しいNPO法が5月1日
から効力を持つようになります。
この条文が削除されるのは、予算をつくらなくても良い、という意味ではありません。
きちんとした運営をする上では、作った方が良いことに変わりはありません。
ただ、これまでこの条文があったために、周りの事情が変化して予算を変更したいのに、
なかなか変更しにくい、という声もよく聞いていました。また、所轄庁のなかには、こ
の条文を根拠として、定款例に「予算の変更は総会で行う」旨の一文(例えば「事業計
画および収支予算並びにその変更は総会で議決する」など)を入れるように「指導」
(助言のはずですが・・)しているところもありました。
周囲の環境が変わった時に、予算の変更を行うのは非常に大事なことですし、企業では
普通のことです。NPOの良さは、フットワークの軽さ、柔軟な対応、機動力などであ
るといわれています。阪神・淡路大震災の時、役所や従来の公益法人、社会福祉法人等
はすぐに動くことができませんでした。予算や事業計画の変更を柔軟にできなかったの
です。こうした弊害がなくすために、今回の改正では「予算に基づいて収入支出を行う
こと」という条文を削除したと言う訳です。
ちなみに、NPO法ではもともと、その第28条において、事業年度が終了したら3ヶ
月以内に事業報告書等(事業報告書、財産目録、貸借対照表と収支計算書)や、役員名
簿などを所轄庁に提出しなければなりませんが、この時に、新しい年度の予算書や事業
計画書の提出は求められていません。予算書と事業計画書の提出が求められているのは、
設立認証を受けようとする時だけです。
シーズ事務局・轟木 洋子
Re: 事業計画と予算書 投稿者:
K/K 投稿日:2003/04/12(Sat) 00:42:00
No.2042
シーズ・轟木 洋子さん、ご回答ありがとうございました。
「NPOの良さは、フットワークの軽さ、柔軟な対応、機動力などである」のですね。
私は、NPOの現場で活動しているわけではなく、また会員として在籍するNPOも
予算を超えて機動力が求められるような活動体ではないので(と思い込んでいるだけかも)、
ご回答によりさまざまな事業体の活動があるのであろうことが少しですがわかりました。
この改正により、定款を自団体の活動に合致した定款に変更したほうがいい団体もあるでしょうね。
理事会で予算・予算の変更を決めることを定款に記載している場合、これを削除し、事業計画・計画の変更
のみ残す、ということでいいわけですね。
予算に縛られず、柔軟に活動を展開する他国のNPO等の事例を紹介した書籍等があればご教示ください。
よろしくお願いいたします。
Re: 事業計画と予算書 投稿者:
シーズ・轟木 洋子 投稿日:2003/04/14(Mon) 16:10:00
No.2043
K/Kさん
> 理事会で予算の変更を決めることを定款に記載している場合、これを削除し、事業計
> 画の変更のみ残す、ということでいいわけですね。
理事会で予算の変更をすると定款に定めているのであれば、それで問題はないでしょう。
問題は、総会で予算の変更をすると定めている場合です。予算の変更のたびに総会を招
集するのは、大変な手間だからです。もし、総会で予算の変更をするという定款の場合
には、理事会で予算の変更をする、というように変更されることをおすすめしたいと思
います。
予算に縛られず、柔軟に活動を展開する他国のNPOの事例を、とのご要望ですが、予
算と活動の関係に焦点をあてて書かれた本は思い浮かびません。ただ、他国のNPOの
活動事例はたくさん出版されています。このシーズのホームページのトップページから
「ブックレビュー」のコーナーに入り「海外のNPOについて」を参照してみてくださ
い。
シーズ事務局・轟木 洋子