設立当初の財産について 投稿者:
TAKA 投稿日:2003/05/07(Wed) 07:53:00
No.2167
いつもご指導ありがとうございます。
昨年認証を受けたNPO法人の決算書作成で、一部不明な点があるので、
ご教授願います。
認証を受ける際に、「設立当初の財産」として「現金10万円」が
計上されております。
ただし、この財産は「設立準備を始めた時点での財産」で、認証までの
数ヶ月間の経費として使用してしまい、更に認証時には未払い金が
残ってしまいました。
厳密に言えば、設立当初の財産に差異が出た訳ですが、これは問題は
ないでしょうか。
また、このような場合の決算書の作成は、
●設立時(11月)に、10万円からスタートして、設立以前の経費は
全て11月度に計上する。
●設立以前の会計報告を作成し、科目毎の残額を移行するようにする
の、どちらの方法をとるのが理想的でしょうか。
また、「設立時に負債があるのは問題がある」場合、解決方法が
ありましたら、お教え頂きたく。
よろしくお願い致します。
Re: 設立当初の財産について 投稿者:
公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2003/05/08(Thu) 00:13:00
No.2168
TAKAさん
> 認証を受ける際に、「設立当初の財産」として「現金10万円」が
> 計上されております。
> ただし、この財産は「設立準備を始めた時点での財産」で、認証までの
> 数ヶ月間の経費として使用してしまい、更に認証時には未払い金が
> 残ってしまいました。
>
> 厳密に言えば、設立当初の財産に差異が出た訳ですが、これは問題は
> ないでしょうか。
問題はありません。ただし、これから認証申請する方たちのために付け
加えれば、今回の法改正で5月1日以降に申請する場合は「設立当初の
財産目録」は添付不要となりましたので、こういう悩みはなくなります。
> また、このような場合の決算書の作成は、
> ●設立時(11月)に、10万円からスタートして、設立以前の経費は
> 全て11月度に計上する。
> ●設立以前の会計報告を作成し、科目毎の残額を移行するようにする
> の、どちらの方法をとるのが理想的でしょうか。
前者の方がいいと思います。理想的かと言われると困るのですが、これ
も、これから申請する方たちのために付け加えると、設立時点では資産
負債ともにゼロでスタートし、法人成立後に寄付金収入を計上してこの
寄付金をもって設立以前にかかった費用を精算するというやり方が一番
すっきりすると思います。
> また、「設立時に負債があるのは問題がある」場合、解決方法が
> ありましたら、お教え頂きたく。
「問題になる」というその内容にもよるでしょう。法人登記に関しては
私は専門ではないのですが、債務超過でも登記自体はできるということ
のようです。ただ、対外的な信用にかかわるという意味では確かに問題
には違いありません。解決方法としては、設立のための費用を法人の費
用とはせずに、発起人が個人的に負担をするということしかないと思い
ます。
公認会計士・赤塚和俊
債務超過時における資産の総額の登記 投稿者:
ぱいん 投稿日:2003/05/13(Tue) 06:55:00
No.2169
> 「問題になる」というその内容にもよるでしょう。
> 法人登記に関しては私は専門ではないのですが、
> 債務超過でも登記自体はできるということのようです。
> ただ、対外的な信用にかかわるという意味では確かに問題
> には違いありません。
> 解決方法としては、設立のための費用を法人の費用とはせずに、
> 発起人が個人的に負担をするということしかないと思います。
資産で、負債を補えないなら、通常は債務超過となります。
債務超過を裁判所で認められれば「破産」になります。
破産は解散理由になります。
設立登記時から債務超過という状態はあり得ないので、
設立時の費用のうち、債務超過額分は法人の費用に参入せず、
発起人で補填するよう説明して、
「資産の総額 0円」になるようにして登記している場合が
実務ではほとんどですね。
債務超過の登記がしたいと登記申請人が押し切った事例は、
耳にしたことはありません。
他の法人制度では、ほとんど大なり小なり「資本金」とか
「基本財産」とかいった一定の資産を保有していないと設立されませんので、
「資産の総額 0円」というのは、特定非営利活動法人しか見ないですね。