NPOWEB

認定NPO法人が行っている収益事業の収益金についてお尋ねします。
その団体への寄付は寄付金控除対象になりますが、収益事業の収益金は
活動に活用されるとのことですが、寄付扱いで寄付金控除対象になるのか
どうか教えていただけますか。寄付金控除として処理でき
ないかと思われますが、念のため、お教えください。
また、物品購入の領収書をいただく際、（確か、印紙は必要ない
と別欄に記載されていましたが）3万円以上で収入印紙は
貼っていただく必要はありますでしょうか。
以上、2点、よろしくお願いいたします。

Yさん

念のために確認しておきますが、ご質問の趣旨は一般のＮＰＯ法人のこと
ではなくて、「認定ＮＰＯ法人」に関することですね。

> 認定NPO法人が行っている収益事業の収益金についてお尋ねします。
> その団体への寄付は寄付金控除対象になりますが、

そうです。認定ＮＰＯ法人へ行った寄付は、個人の寄付であれば寄付金控除
の対象となり、企業の寄付であればその企業の通常の寄付金の損金算入の枠
が倍になります。

> 収益事業の収益金は活動に活用されるとのことですが、寄付扱いで寄付金
> 控除対象になるのかどうか教えていただけますか。寄付金控除として処理
> できないかと思われますが、念のため、お教えください。

この部分のご質問の趣旨がよくわかりません。認定ＮＰＯ法人に対する寄付
であっても、その法人が行う「収益事業」の収入となるような場合は寄付金
控除の対象外になるのではないかという趣旨でしょうか。

もしそういう意味であれば、ＮＰＯ法でいう「収益事業」（今回の法改正で
「収益事業」という言葉はなくなり、「その他の事業」となりました）と、
法人税法上の「収益事業」を混同されているのではないかと思います。

確かに、認定ＮＰＯ法人制度で寄付金控除の対象となるのは、「特定非営利
活動」に関する寄付に限る、ということになっていますが、これはＮＰＯ法
の範疇のはなしであって、法人税法上の収益事業かどうかが問われるわけで
はありません。

> また、物品購入の領収書をいただく際、（確か、印紙は必要ない
> と別欄に記載されていましたが）3万円以上で収入印紙は
> 貼っていただく必要はありますでしょうか。

これも誤解があるようです。印紙を貼る必要がないのはＮＰＯ法人が領収証
を発行する場合であって、ＮＰＯ法人が支払を行って領収証をもらう立場の
場合は特例はありません。３万円以上の物品購入であれば印紙を貼ってもら
う必要があります。

　　　　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊

Yさん

今、ご質問を読み直してみて私の回答が的外れだったかもしれない
と思いました。

ひょっとしてYさんのご質問の趣旨は、認定ＮＰＯ法人が収益事業
から非収益事業へ収益金の繰り入れを行った場合のことでしょうか。
もしそうだとすると、まさに今回の認定ＮＰＯ法人に関する法改正
点がそうです。

法人内で収益事業から非収益事業へ繰り入れを行うことを「みなし
寄付金」と言いますが、従来の税法ではYさんのおっしゃる通り、
この「みなし寄付金」については一切、損金算入（法人税法ですか
ら寄付金控除ではなく損金算入です）は認められませんでした。

これが、今回の改正で繰り入れた金額の２０％について損金算入が
認められることになったのです。ただし、これはあくまで「認定Ｎ
ＰＯ法人」に関する規定で、一般のＮＰＯ法人は従来通りです。

　　　　　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊