いわさん、独立行政法人の場合についてのお答えが遅くなりすみません。
でも、独立行政法人の件の前に、教育公務員の特例法について少し調べましたので、それから
お伝えしようと思います。
公務員法には、教育公務員特例法という別段の規程があります。その第21条には次のように
あります。
「教育に関する他の職を兼ね、または教育に関する他の事業もしくは事務に従事することが、
本務の遂行に支障がないと任命権者が認める場合には、給与の有無にかかわらず、人事院、地
方公務員たる教育公務員の場合は人事委員会の承認を得ないで、それらの仕事に従事すること
ができる」
ということで、教育に関する職の場合には報酬があってもなくても任命権者が認めればOKのよ
うです。ただし、それは「教育に関する職、他の事業、若しくは事務」に限定されています。
また、逆に読めば、報酬をもらわなくても任命権者がダメと言えば、それらの仕事に従事する
ことができない、ということになるようです。
そういえば、NPOではなく営利企業のケースですが、最近、一橋大学の中谷巌教授がソニーの
社外取締役に就任するにあたって、国立大学教官と民間企業役員の兼職の容認を求めたところ、
人事院がこれを認めず、大きな話題となりましたね。
このケースは結局、中谷教授が大学教授を辞任されたようです。そもそも国家公務員法は、憲
法15条第二項の「すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とい
うものを基礎としているようですから、その流れでしばりが作られているのでしょう。
さて、ここから独立行政法人の話になりますが、なにぶん独立行政法人通則法は昨年7月に公
布されたばかりで、私たちにもまだよく分からないというのが実状です。
とりあえず首相官邸のホームページの官報から「独立行政法人通則法」(平成11年7月16日公布、
法律103号)を拾ってみました。
それによれば、独立行政法人には2つの種類があって、「特定独立行政法人」と、特定ではない
「独立行政法人」があるようです。
このうち、「特定独立行政法人」とは、次のようなものを言うそうです。
「その業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められる
ものその他当該独立行政法人の目的、業務の性質等を総合的に勘案して、その役員及び職員に
国家公務員の身分を与えることが必要と認められるものとして個別法で定めるものをいう」
(第2条第2項)
そして、第51条には「特定独立行政法人の役員及び職員は、国家公務員とする」とあり
ます。ということは、国家公務員法が適用されるということですから、報酬を得なければ許
可がなくともNPO法人の役員になることは問題ないと思います。でも、報酬を得る場合は、
内閣総理大臣とその職員の務める所轄庁の長の許可が必要なので、やっかいですね。
さて一方、「特定」ではない独立行政法人については、その法人の「役員」については、
次のように第61条に書いてあります。
「在任中、任命権者の承認のある場合を除くほか、営利を目的とする団体の役員となり、
又は自ら営利事業に従事してはならない」
この独立行政法人通則法には、非営利である団体の役員となることに関しては何も定めて
ありません。よって、「特定」ではない独立行政法人の役員はNPO法人の社員にも役員にもな
ることができると考えられます。また、役員ではない職員については何も書いてありません。
そこで、中央省庁等改革推進本部の事務局に問い合わせたところ、これについては、それぞれ
の法人で持つ就業規則などによって決められる、とのお答えでした。
したがって、現段階では、はっきりしたことは未だ分からないというのが正直なところです。
この件に関して、どなたかご存じの方がおられましたら、ぜひお教えください。
ところで、どういうところが「特定」で、どういうところがそうでないものになるのかについ
ては、首相官邸の次のホームページに掲載されている「中央省庁等改革の推進に関する方針」
の「第2」というところに詳しくかかれています。
http://www.kantei.go.jp/jp/cyuo-syocho/990427honbu/housin.html