NPOWEB

乳がん早期発見の重要性を訴え、婦人科医師が中心に乳がんに関する調査研究やシンポジウムの開催等各種啓発活動・出版物の制作販売等を行っているNPO法人です。
事業の一環として、世論の喚起を目的としたウォーキングイベントを各地で開催しています。
このイベントに対して企業に協賛金あるいは寄付金の依頼を行い、またウォークイベントに参加する方々から参加費を徴収しています。
協賛金や寄付金の金額は各社様々で、特別協賛社が多額の寄付を拠出してくれる場合もあります。
また、啓発運動並びに募金運動としてシンボルマークのバッチを制作して１個500円で販売しこれを募金として活動の資金に充てています。
これらの事業の中で、出版物の制作販売が収益事業に該当するので税務申告を行うのですが、
①ウォークイベントは興行業として収益事業にみなされるのか？
②シンボルマークのバッチによる募金集めは、物品販売とみなされるのか？
この2点についてご教示いただけませんでしょうか。
よろしくお願いいたします。

M.Sさん

> ①ウォークイベントは興行業として収益事業にみなされるのか？

ウォークイベントでは何をするのか詳しく教えて下さい。また、参加費を払っ
た人しか鑑賞できないのか教えて下さい。もし鑑賞する人ではなく催し物に参
加する（演じる）人が参加費を払うのであればそれは興行業ではありません。

> ②シンボルマークのバッチによる募金集めは、物品販売とみなされるのか？

バッチの原価によります。つまり「相当の対価」でなければ（原価が極端に
安ければ）「売上」ではなく「寄付金」になります。赤い羽根と同じです。

　　　　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊

ご返答ありがとうございます。
①昨年秋に実施されたウォーキングイベントの内容は下記のようなものでした。
　参加者：趣旨に賛同する方なら誰でも
　参加種目：２・５・１０kmウォーク
　参加費：１５００円　（内５００円はシンボルバッチ代金として）
　参加賞：大会Ｔシャツ・バッチ・協賛各社の提供品
　サブイベント：マンモグラフィによる乳がん検診・健康相談コーナー・女性の健康サポートフェア・トークショー他
　実施場所は公営の公園なので、ウォーキングの種目参加者でなくても誰でも検診やトークショー等に参加することができます。
②バッチの原価は130円程度です。

仮に①のイベントが非収益事業であるとすると、そのイベントの協賛依頼により集まった収入は
ａ．非収益事業の事業収入
ｂ．NPO法人に対する寄付金収入
いずれの扱いが正しいのでしょうか。
また、各協賛会社とは別に特定の会社から「特別協賛」として多額の寄付（協賛金）を受けている場合の扱いはいかがでしょうか。

M.Sさん

ウォーキングイベントは全く問題ありません。収益事業ではありません。

> 仮に①のイベントが非収益事業であるとすると、そのイベントの協賛依頼に
> より集まった収入は
> ａ．非収益事業の事業収入
> ｂ．NPO法人に対する寄付金収入
> いずれの扱いが正しいのでしょうか。

非収益の「助成金収入」になります。No.3423で「法人化検討中の者」さんが質問
された中の（４）安全教室と同じです。

> また、各協賛会社とは別に特定の会社から「特別協賛」として多額の寄付（協賛
> 金）を受けている場合の扱いはいかがでしょうか。

その会社から仕事の依頼を受けて（請け負って）行うのではなく、あくまで自主
事業で行うのであれば、金額の多寡は関係ありません。イベントの経費に充て
るよう要請されているのであれば「助成金」そうでなければ「寄付金」でいいと
思います。
もし、イベントの経費よりはるかに多額を助成される場合、そのことを協賛会
社が理解されているのであればもちろん「寄付金」ですし、もし承知しておられ
ないのであれば、道義的な問題が生じるということで、税法は関係ありません。

次にバッチの販売ですが、これは「物品販売業」に該当します。つまり課税対象
です。例外として、イベントが年一、二回程度で、そのイベントのときにしか売
らないというのであれば「バザーに関する通達」の準用が可能で非課税になります。

　　　　　　　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊