Re: 役員の資格について 投稿者:
シーズ・轟木 洋子 投稿日:2001/04/20(Fri) 15:23:00
No.327
橋本さん、
ご投稿ありがとうございます。
弁護士の方に問い合わせをして調べておりましたので、返事が遅くなりました。
以下は、その弁護士さんからの回答です。
「本来は、役員は、総会などで選任される時にその適格性を判断されるものなのでしょう
が、第20条では、NPO法人としての社会的責任は重いとして、いくつかの欠格事項を
示しています。
そのなかに、『破産者で復権を得ないもの』が含まれています。破産法126条によれば、
破産者とは、債務者が支払いをできなくなり、裁判所によって破産を宣告された人のこと
言います。
この破産の申立は、債権者もできますが、債務者自身も破産申立をすることができます。
そして、債務者自身が申立てた場合を俗に『自己破産』と呼んでいます。この『自己破産』
も破産ですから、やはり欠格自由に該当します。
また、『復権』については、破産法366条ノ21と、367条に定められています。こ
れらによれば、破産者が破産宣告を受けて10年以上経過し、その間に詐欺財産で罪が確
定していない場合や、免責の決定が確定したり、申立によって破産廃止の決定が確定した
場合などに『復権』できます。
『復権』すると、破産によって失われた資格(例えば、NPO法人の役員になる資格など)
が復活し、破産宣告がなかったのと同様の状態にもどります。
また、『免責』は、詐欺破産罪など一定の行為をしていない場合に、破産者の申立により
裁判所が『免責決定』を出して免責します。免責されると、従来の一般の債務は弁済しな
くていいことになりますし、また『復権』もします。
最近、サラ金などで『自己破産』をする人の多くは、この免責を得て経済的に再出発して
います。
NPO法では、破産者は役員としては適さないと欠格者としています。株式会社の役員や
民法法人の役員の場合も同様です。」
以上、おわかりいただけたことと思います。では、またご質問があればお寄せください。
シーズ事務局・轟木 洋子