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財産目録の作成 投稿者:よしだ 投稿日:2004/04/02(Fri) 14:54:00 No.3339
NPO法第5条第2項で、特定非営利活動事業とその他の事業の会計は別にするよう規定されています。
内閣府の手引きを見ると、財産目録は会計ごとにせず、法人単位に作成することも考えられるとあります。
通常、会計書類は、財産目録、貸借対照表、収支計算書までと思われますが、財産目録のみ法人単位でよしとする理由を教えてください。
Re: 財産目録の作成 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2004/04/03(Sat) 11:03:00 No.3340
よしださん

> NPO法第5条第2項で、特定非営利活動事業とその他の事業の会計は別にするよう
> 規定されています。内閣府の手引きを見ると、財産目録は会計ごとにせず、法人単
> 位に作成することも考えられるとあります。通常、会計書類は、財産目録、貸借対
> 照表、収支計算書までと思われますが、財産目録のみ法人単位でよしとする理由を
> 教えてください。

会計に関する書類は法人全体のものが主で特別会計ごとや部門別などの計算書類は
従たる書類というのが本来の姿です。全体像を把握することの方が重要だからです。
企業会計や学校法人会計基準などはそういう構成になっています。

NPO法も法律の条文上は区分経理をすることと言っているだけで計算書類の構成を
どうするかについては触れていません。もちろん区分経理をする以上各会計ごとの収
支計算書や貸借対照表は必要としても、そのほかに全体を示すものを作成、公表して
はいけないという理由はないし、その方が情報公開の趣旨からも好ましいでしょう。
内閣府の手引きは一つのモデルを提示しているだけで必ず従わなければならないとい
うものではありません。

財産目録は本質的には貸借対照表の明細書のようなもので収支計算書や貸借対照表と
同列に並べるものではありません。それが条文上は同列となっているのは民法に公益
法人は財産目録を作成、備え置くこととする規定があるからです。民法の特別法であ
るNPO法は民法の規定を無視するわけにはいかないのです。

区分経理の結果の計算書類としては収支計算書や貸借対照表があれば十分だとしても
民法の規定がある以上財産目録も作成せざるを得ないのですが、これに関しては全体
を示すものがあれば良いという考え方もあり得ます(民法にはもちろん区分経理の規定
はありません)。

             公認会計士・赤塚和俊

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