大谷憲史さん
> それは,NPO法人ではなく,いわゆる民間のパソコン教室です。
> パソコン教室自体が,収益事業の技芸教授業に当たらないのなら,一般の
> 民間のパソコン教室は,33の収益事業のどんな名目の収益事業にあたる
> のでしょうか?
一般の営利企業は資本金の払込み等の例外はありますが、基本的にすべて
の収入が法人税の課税対象であり、そのコストを差引いた所得に課税されま
す。これを原則課税といいます。
これに対し、NPO法人を含め公益法人は原則非課税です。そうでなければ
会員の会費や寄付金にも課税されるということになってしまいます。例外が
33業種のいずれかを営む場合で、法人税が課税されることになっています。
33業種の定め方が今のままでいいのかという問題はありますが、それは法
律や政令で定めるべきことであって、税務署の窓口が勝手に解釈していいと
いうものではありません(憲法第84条の租税法律主義)。
> >それで税務署が更正の決定をするかどうかです。更正があったら、その
> >時点で更正に従うかそれとも裁判を覚悟するかもう一度考えます。
>
> 更正とは,具体的にはどのようなことでしょうか?たとえば,再申告を行う
> と言うことでしょうか?
違います。簡単に言うと、税務署が申告に誤りがあるとか無申告は誤りであ
ると判断したときに職権で行う課税処分のことです。通常は「修正申告して下
さい」とか、「申告書を提出して下さい」という話が先にあって、それを拒否し
た場合に更正の決定ということになります。
> 裁判を行うような体力はありませんが,日本の税務署によって判断や捉え
> 方が違うのでしょうかね?
それが実は一番困っていることなのです。全国でトラブルが発生しています。
> 裁判のように,具体的な判例とか過去の事例とかで一般化されたものがあ
> れば,それに照らし合わせて考えることができると思います。
判例はあまりありません。NPO法人が訴訟を起こした事例は4月2日に地裁
判決の出た流山訴訟がたぶん唯一の例だと思います。↓
⇒ 行政 : 「ふれあい事業」訴訟全面敗訴NPO法人の歴史が浅いのとNPO法人の行う事業が法令の想定を超えて多
彩であるというのが現在の混乱の大きな理由だと思います。それにしても、
税務署によって判断が異なるというのは困ったものです。
> この前も宮崎税務署に出かけたのですが,私の質問に対して,職員が奥
> に引っ込んで他の職員と打ち合わせをしている光景を何度も見ております
> し,職員によっては対応が違うこともあります。
これも皆さんよく経験されているようです。
> このような状況ですので,管轄の熊本国税局の「税務相談所」に相談に
> 出かけてみようかとも考えているところです。
何でもやってみるのはいいことだと思いますが、国税局(あるいは東京の国
税庁)にはあまり期待しないで下さい。これまでの経験では「実態判断は所
轄の税務署が行いますのでお答えできません」というのが普通です。
公認会計士・赤塚和俊