English Page
NPO法人への寄付にかかわる課税について 投稿者:じっちゃん 投稿日:2004/05/18(Tue) 14:55:00 No.3526
いつも勉強させてもらっています。

NPO法人への寄付にかかわる課税について、教えてください。
赤塚さんのご本(NPO法人の税務、新版p113)によれば、
「収益事業に関わる資産の贈与を受けた場合には、通常の営業による所得に
 合算して法人税・法人住民税及び事業税が課税される」
となっていますが、これは具体的にはどこで判断するのでしょうか。

例えば、介護事業が主だが他にもいくつか事業を行っている法人に、数百万円
という大きな寄付があった場合。この寄付が「収益事業に関わる資産の贈与」
にあたるか否かは、どこで判断するのでしょうか。

また、遺贈の場合はどこが違ってくるでしょうか。

よろしくお願いします。
Re: NPO法人への寄付にかかわる課税について 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2004/05/18(Tue) 15:42:00 No.3527
じっちゃんさん

> NPO法人への寄付にかかわる課税について、教えてください。
> 赤塚さんのご本(NPO法人の税務、新版p113)によれば、
> 「収益事業に関わる資産の贈与を受けた場合には、通常の営業による所得に
>  合算して法人税・法人住民税及び事業税が課税される」
> となっていますが、これは具体的にはどこで判断するのでしょうか。
>
> 例えば、介護事業が主だが他にもいくつか事業を行っている法人に、数百万円
> という大きな寄付があった場合。この寄付が「収益事業に関わる資産の贈与」
> にあたるか否かは、どこで判断するのでしょうか。
>
> また、遺贈の場合はどこが違ってくるでしょうか。

じっちゃんさんのご質問は、現金でもらった場合を想定されているのだと思い
ます。現金でもらった場合は、まず寄付者の意思が問題になります。少額なら
ともかく、数百万円であれば寄付の趣意書なり寄付申込書なり、何らかの文書
で使途も決めていただいた方がいいと思います。その年度内に使い切れないと
きは、基金や特定資産を設けて一般の財産と区別した方がいいでしょう。

その寄付者の意思がたとえば介護保険事業そのものに使ってほしいということ
であれば、収益事業の収入になるわけです。このとき、基金を設けてすぐには
使わないとしても全額寄付のあった年の収入になります。

寄付者の意思が明確でない場合は理事会で決めてもいいと思いますが、もちろ
ん一旦決めたら決定を遵守することが前提で、流用は認められません。遺贈の
場合であっても、基本的には同じ考え方です。

次に現金ではなく物でもらった場合ですが、20万円未満の物品の寄贈であれば
仮に寄付金収入を計上しても同額が消耗品費等の経費として計上されますので
損益には影響しません。

20万円以上の物品(固定資産)であれば、収益事業の用に供するものであって
も収益事業の収入(法人税法では益金と言います)に含めなくても良いという通
達がありますので、いずれにせよ課税所得には影響ないということになります。

なお、収益事業の用に供する固定資産を計上した場合は、減価償却費は損金
に計上できることになっています。固定資産の増加(受贈)は益金にはならない
が減少(減価償却)は損金になるということです。

               公認会計士・赤塚和俊

- WebForum -