NPOWEB

　ＮＰＯ法人の理事会にて、来年度予算の案について討議したところ
人件費を事業費に入れ込んだ形ではなく、人件費として年間を通じた額を
書くようにしたほうがわかりやすい、という提案がありました。

　この人件費は販売管理費に入れるのでしょうか。
その場合、事業費より管理費のほうが大きくなるとＮＰＯ法人の場合は
好ましくない（事業志向ではなく組織維持志向）と判断されると
聞いたこともあるのですがいかがでしょうか。

　5月の総会シーズンで、お忙しいことと思いますが
よろしくお願いします。

223さん

> この人件費は販売管理費に入れるのでしょうか。その場合、事業費より管理
> 費のほうが大きくなるとＮＰＯ法人の場合は好ましくない（事業志向ではなく
> 組織維持志向）と判断されると聞いたこともあるのですがいかがでしょうか。

経費は事業費と管理費の２区分にするのが一般的ですから、その場合は事業
費でなければ管理費ということになります。ただし、２区分が絶対というわけで
はなく、経費を人件費と事業費と管理費に３区分するような事例もあります。他
の公益法人では、たとえば学校法人会計基準がこの３区分を採用しています。

２区分の場合に管理費の方が多いと問題になるというのは、たとえば内閣府の
ＮＰＯ法運用基準にもそういう表現があります。認証時には特定非営利活動の
総支出に占める割合１／２以上、監督時に１／３以上とあります。↓
⇒ 行政 : 内閣府新基準、適用始まる
もっとも、内閣府が一方的にこういう基準を定めることについては批判もあります。

私が推奨している方法は、予算はあくまで管理用なので（もちろん公表してもい
いのですが）、複数の説明資料があればいいということです。たとえば２区分の
予算書を３区分に組み替えたらどうなるか、あるいはプロジェクトごとの予算は
どうかというように説明の足りないところは他の資料で補うのです。

同じことは決算にも言えます。収支計算書だけではわかりにくいことは、付属明
細表をつけたり、事業報告書の中でプロジェクトごとの収支を示したりすること
で、説明責任を果たすべきだと思います。

　　　　　　　　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊