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定款の下に理事会で規定は作れますか? 投稿者:さちえ 投稿日:2004/06/19(Sat) 22:00:00 No.3607
法令や法人の定款の規則に違反したり法人の名誉を毀損、または目的に
反する行為に大きく至ってなくても(定款内では基本的に違反して無いと
して。つまり総会を開く程度ではない)、常識的なモラルに反したり、法
人の目的から少しズレる態度を示す会員がもしいたとして、他の多くの会
員に迷惑をかけた場合、理事会で別に規定を作り、それでも会員が規定を
守れなかったら、理事会の議決により、例えば規定の中に一定の期間は活
動停止という規定があれば、理事会の議決で会員は、活動を停止させるこ
とはできるのでしょうか?。教えてください。
Re: 定款の下に理事会で規定は作れますか? 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2004/07/01(Thu) 15:04:00 No.3608
さちえさん、

回答をお待たせしていてすみません。
ちょっと、難しい部分がありますので、今より詳しい方に問い合わせています。

すみませんが、もうしばらくお待ちくださいますようお願いいたします。

シーズ・轟木 洋子
Re: 定款の下に理事会で規定は作れますか? 投稿者:さちえ 投稿日:2004/07/01(Thu) 22:35:00 No.3609
ありがとうございます。お待ちしています。
Re: 定款の下に理事会で規定は作れますか? 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2004/07/02(Fri) 12:24:00 No.3610
さちえさん、

回答、お待たせしました。

お尋ねの件は、弁護士でシーズの運営委員の浅野晋さんに聞いてみました。
以下が、そのお答えです。大変論理的なものです。少々長いですが、参考になさって
ください。

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1、NPO法人の会員(社員)の資格について、特定非営利活動促進法第2条2項
一号イは、「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。」を求めてお
り、また同法11条1項は、定款に「社員の資格の得喪に関する事項」を記載すべき
ことを定めています。
 そして、社員の資格の得喪に関しての定めはこれだけしかありません。従って、
「不当な条件」を付すのでなければ、定款にどのような定めを してもいいというこ
とになります。


2、社員の除名(「社員の資格の得喪」の「喪」の場合です)という処分についても、
どのような場合にどのような手続きで除名するのかについて、定款で自由に定めてお
くことが出来ます。
  すなわち、
   (1)除名理由についても
     ・「本会の目的に反する言動をしたとき。」
     ・「本会の名誉を著しく毀損する言動をしたとき。」 
  など、自由に定めることが出来ますし、また、

   (2)除名手続きについても
     ・総会の議決による
     ・理事会の議決による
     ・懲戒委員会の議決による  
  など、定款で自由に定めることが出来ます。


3、また、定款でたとえば上記(1)のことしか定めていない場合に、具体的な除名手
続きをどのようにするかという問題がありますが、これは定款に「この定款に定めの
ない事項については理事会の議決するところによる。」といった定めがあれば、理事
会の議決で除名をすることが出来ることになります。


4、このように、どのような手続きでどのような処分をするかは、全て定款の定める
ところによることになります。
 定款に除名についての定めがないのに除名することは出来ません。定めがなければ、
まず定款変更をして除名に関する定めを設けた上で除名手続きをする必要があります。


5、質問のケースは「一定期間の活動の停止」とありますが、これは「一定期間の社員
資格の停止」のことと解されます。これは、社員資格の「喪失」ではありませんが、こ
れについても上述したのと同じように考えるべきものです。
 定款に根拠規定がないのに勝手に理事会の議決で「活動の停止」をさせるということ
は出来ません。


6、なお、質問は、「常識的なモラルに反したり、法人の目的から少しズレる態度を示
す」場合に、「理事会で規定を作り」「理事会の議決で」活動の停止(社員資格の停止)
をすることが出来るだろうか、との質問のようですが、もちろん可能です。
ただ、そのような規定を作ることについて、定款上の根拠が必要です。
 従って、例えば定款に「社員の資格の得喪、及び停止の理由及びその手続きについて
は理事長が定める社員資格の得喪に関する規則の定めるところによる。」との定めがあ
れば、もちろん所定の手続きでその規則を定めることが出来ますし、その規則の内容と
して上記の質問の「常識的なモラルに反したり、法人の目的から少しズレる態度を示す」
場合に、「理事会の議決で」活動の停止(社員資格の停止)をする旨の定めを置くこと
が可能です。


7、しかし、多くの定款では上述した「社員の資格の得喪、及び停止については理事長
が定める社員資格の得喪に関する規則の定めるところによる。」といった定めはなく、
一般には「この定款の施行について必要な細則は、理事会の議決を経て、理事長が定め
る。」といった条項を置いています。
この「施行細則」は、本来は上記6に記載したように具体的に細則等の下位の定めに
よる旨の定款の定めがあって作成されるのが通則です。従って、このような定めがない
のに、いきなり施行細則という形式で社員の資格に関する定めをすることが出来るかど
うかは、かなり疑問です。
社員の資格の得喪や停止というのは、団体(社団)にとって大変重要なことですから、
きちんと定款で定めておくことが妥当だと思われます。

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シーズ・轟木 洋子

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