福祉車輌の登録、使用について 投稿者:
福岡 投稿日:2004/06/29(Tue) 14:03:00
No.3642
基本的な質問で恐縮です。
現在法人化しているAという事業所とまだ法人化していない事業所Bがあります。
AとBの理事を兼任している方が橋渡しとなり、Aで登録した車輌をBが移送車輌として使用して
います。このようなことをしても問題にはなりませんか?
また、Aの事業名称をBが使用して事業を行っても問題になりませんか?
いずれはBも法人格を取得する予定をしています。
どうぞよろしくお願いします。
Re: 福祉車輌の登録、使用について 投稿者:
シーズ・轟木 洋子 投稿日:2004/07/05(Mon) 16:00:00
No.3643
福岡さん、
お尋ねの件、難しい問題でしたので、シーズ運営委員で弁護士の浅野晋さんに回答
いただきました。以下がその回答です。
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1、特定非営利活動促進法第30条は、民法第57条を準用しています。この民法
第57条は、「法人と理事との利益相反する事項については理事は代表権を有せず。
此の場合に於いては前条の規定によりて特別代理人を専任することを要す。」と定
めています。
この「法人と理事との利益相反」というのは、法人とその法人の理事個人の利益
が相反する場合が典型的な場合ですが、CさんがAとBの理事を兼務している時に、
このAとBの利益が相反するときも同様です。
2、質問の「Aで登録した車両をBが移送車両として使用」するというのは、例え
ばその使用料については、Aの立場では高い方がいいし、Bの立場では安い方がい
いということになりますので、利益がそうはんすることになります。
従って、このような契約をするとき、Cさんが両方の代表者として契約をするこ
とは出来ません。
ただ、例えばAの他の理事にも代表権がある場合は、その理事がAの代表者とし
て契約すればいいわけですから、わざわざ特別代理人の専任をする必要はないこと
になります。
3、なお、株式会社の場合、CさんがA社とB社の代表者取締役である場合に、A
とBとの間で取引をする時には、取締役会の承認が必要であることが定められてい
ます(商法265条)。しかし、NPO法人の場合には、このような定めがありま
せんので、定款に何か定めがある場合はそれによることは当然ですが、そのような
定めがない場合は、理事会の承認なども必要がないことになります。
4、なお、以上述べたことは、Cが法人格を持っていてもいなくても同じです。
また、Aの事業名称をBが使用して事業を行った場合に問題にならないか、という
質問の回答も、上述したことと同じです。
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以上です。
つまり、Aの理事が車両を貸すこととしてBと契約する時に、Bの契約相手がこの
Aの理事と同一人物でなければ法律的な問題はないということです。
参考になさってください。
シーズ・轟木 洋子