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弁償について 投稿者:やまめ 投稿日:2004/08/25(Wed) 14:34:00 No.3784
役員の報酬等に出てくる弁償とは何ですか。清算と考えてよろしいでしょうか。
また、日常用語に置き換えるとどういう言葉になりますか。
 
よろしくお願いします。
Re: 弁償について 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2004/09/01(Wed) 16:50:00 No.3785
やまめさん

> 役員の報酬等に出てくる弁償とは何ですか。清算と考えてよろしいで
> しょうか。また、日常用語に置き換えるとどういう言葉になりますか。

弁償とは、旅費や通信費等の実費を支給することをいいます。
日常用語で言えば役員や職員の立替分の精算ということです。

お役所用語といってもいいと思います。たとえば地方自治法203条では
1 普通地方公共団体は、その議会の議員、委員会の委員、非常勤の
監査委員その他の委員、自治紛争処理委員、審査会、審議会及び調査
会等の委員その他の構成員、専門委員、投票管理者、開票管理者、選
挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人その他普通地方公共団
体の非常勤の職員(再任用短時間勤務職員を除く。)に対し、報酬を
支給しなければならない。
3 第1項の者は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることが
できる。
となっています。

また、判例によれば、「この費用弁償は実費の弁償の意味を持つが、
その額は厳密に実際に要した経費と同額でなければならないものでは
なく、標準的費用を基礎とした定額で支給されているのが通例である。
額をいくらとするかは議会の裁量判断である」とされています。

また、別の判例では実費の多少にかかわらず一定額を支給することに
ついて、「費用の中には実費の算定の困難なものや個々の支出につい
て旅行者に証拠書類の確保を求め、事務担当者に確認の手数の負担に
なるものなどがあり、手続きの煩雑と経費の増大が想定される。実際
に費消した費用が多くても少なくても個別の事情を考慮せず定額を支
給することは、社会通念上、実費弁償の本来の建前を損なうとは言い
難い」と正当化しています。

以上、練馬区議会議員野崎たかおホームページより引用させていただ
きました。なお、野崎さんはこういう実費に基づかない弁償は違法で
あるという立場から弁償額を供託されている方です。
http://www.nozakitakao.net/nichigaku/

          公認会計士・赤塚和俊
Re: 弁償について 投稿者:mahalo 投稿日:2004/09/06(Mon) 09:54:00 No.3786
横からすみません、実費弁償の範囲についてですが、
以前に以下のサイトで厳密な扱いとしての実費弁償を
見たことがあります。

http://www.tokyochuokai.or.jp/pdf/matsu3-5.pdf

これは、赤塚様が引用されたものと焦点がずれている
かもしれませんが。

違いとして考えられるのは
1.決まり(原則)と判例(実務)の違い
2.議会と企業の理事会の構成人数等の違い
3.会計(重要性の原則)と税務の違い
4.支払う側に立つか、受ける側に立つかの違い

結局のところ、効果と費用の問題だと思います。

ただ、議会のように多数かつ長期間にわたって支給のある
ものについては、事務が煩雑になると考えられますが、
NPOの理事会程度であれば、それほど事務が大変だとは
思えません。このあたり、どう判断されるかということでしょうか。
Re: 弁償について 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2004/09/06(Mon) 17:39:00 No.3787
mahaloさん

> 横からすみません、実費弁償の範囲についてですが、
> 以前に以下のサイトで厳密な扱いとしての実費弁償を
> 見たことがあります。
>
> http://www.tokyochuokai.or.jp/pdf/matsu3-5.pdf
>
> これは、赤塚様が引用されたものと焦点がずれている
> かもしれませんが。

厳密に言えばこの通りだと思います。それで、野崎議員も
違法だと主張しているわけです。ただ、交通費実費ではな
く出張日当という意味合いであれば交通費実費だけでなく
諸雑費も含むということになっていて、2千円~3千円程度
で課税対象になることは通常はありません(非常勤が前提
です、常勤者であれば当然給与の一部です)。諸雑費にど
こまで入るのかというのもかなりあいまいですが、常識的な
金額を規定を定めて一律に支給している場合は問題ありま
せん。

         公認会計士・赤塚和俊

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