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法人格の返上について 投稿者:山本正雄 投稿日:2004/10/19(Tue) 20:10:00 No.3998
 地域通貨おうみ委員会と申します。

 当委員会では、特定非営利活動促進法についてこれからの市民社会成熟を促すことになると大いに期待をして法人格を取得しました。しかし行政などのNPO法人への協働・支援施策が一向に進まず、煩雑で義務的要素だけが全面に出され、また指定管理者制度等でのNPO利用など行政側にとって都合の良いようにだけ利用されることに対して大いに疑問に思うところがあり、この度法人格を返上し任意団体へと移行することにいたしました。

 しかし、法人格を抹消するためには民法79条により官報への3度の公告が義務づけられているため10万円程度の費用が必要です。http://www.pref.hiroshima.jp/kenmin/seibun/volunteer/guide/npo8.pdf

 また、官報に掲載することによって、活動そのものをやめてしまうのではないかという誤解を招く恐れもあり大変困っています。

 
 そこで、法人は休眠状態として実際は任意として活動しようとも思いましたが、事業報告を怠った場合は20万円に過料が請求されることになっています。http://www.pref.shiga.jp/c/npo/2/2-1.htm

 また、来年度から「事業計画無し=決算ゼロ」で報告しようとも考えていますが、きっと何か問題があるはずです。

 そこで、みなさまからお知恵を拝借いたしたく投稿させていただきました。
自問自答 投稿者:おうみ委員会 投稿日:2004/10/21(Thu) 21:21:00 No.3999
 官報への公告に関して、法務局に問い合わせしたところ「民事四発75号民事局第四課長回答」文書により抹消の手続き上においては官報掲載を証する書面の添付は要しないとのことでした。

 当委員会の定款には官報で公告するとだけ記載されているので、掲載しない訳にはいかないので一度だけに留めておこうと思いましたが、更に調べたところ次の条項で罰則規定があるのを見つけてしまいました。


 特定非営利活動促進法第49条

 次の各号の一に該当する場合においては、特定非営利活動法人の理事、監事又は清算人は、二十万円以下の過料に処する。


 一 第七条第一項の規定による政令に違反して、登記することを怠ったとき。

 二 第十四条において準用する民法第五十一条第一項の規定に違反して、財産目録を備え置かず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

 三 第二十三条第一項又は第二十五条第六項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 四 第二十八条第一項の規定に違反して、書類を備え置かず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

 五 第二十九条第一項の規定に違反して、書類の提出を怠ったとき。

 六 第三十五条第一項の規定に違反して、書類の作成をせず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

 七 第三十五条第二項又は第三十六条第二項の規定に違反したとき。

 八 第四十条において準用する民法第七十条第二項又は第八十一条第一項の規定に違反して、破産宣告の請求をしなかったとき。

 九 第四十条において準用する民法第七十九条第一項又は第八十一条第一項の規定に違反して、公告をせず、又は不正の公告をしたとき。

 十 第四十一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき




 この場合、上記第9項に該当するので官報へ3回掲載しなければ20万円の過料が徴収されることになります。

 ・・・・冬のボーナスで10万円捻出して解散手続きするしかなさそうです。
Re: 自問自答 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2004/10/22(Fri) 12:21:00 No.4000
山本正雄さん

まず、公告に関することからお答えしたいと思います。

山本正雄さんの法人の定款では、公告の方法を官報としておられるようですから、お
書きになっていらっしゃるように、官報に3回掲載する、という方法を定款に従って
取ることになります。

どうしてもこれを回避したい、という場合で他の方法として考えられるのは、定款変
更して公告の方法を変えることです。

公告の方法は、官報のみではありません。

定款に書く公告の方法については、4019番と4027番でやり取りをしています
ので、それもご参照いただければと思いますが、4027番でお伝えした方法(ホー
ムページと掲示板)が安上がりで便利ではあります。

ただ、定款変更は総会でしかできません。所轄庁へは「軽微な変更」ですので、あら
たな定款の認証は必要なく、届出だけで済みますが、総会を開催するのと、官報掲載
料を比較すると、どちらが安上がりなのかは、山本正雄さんの法人の社員規模などが
分かりませんので、なんとも言えません。

解散せずに休眠状態にしたいという要望には、現在のNPO法は対応していません。
たとえ実際には活動しなくても、総会を開催したり、事業報告書を提出したり(何も
していなければそう書くことになります)、任期が切れる役員があれば改選するなど
の必要があります。怠れば、山本正雄さんが書いていらっしゃるような罰則の対象と
なる場合があります。

なお、「来年度から『事業計画無し=決算ゼロ』で報告しようとも考えている」との
ことでしたが、定款に書かれている事業を変更していない限りにおいては、いったん
認証されたNPO法人は、事業「計画」を提出する必要はありません。しかし、もち
ろん、年度が終了して3ヶ月以内に事業報告書や収支計算書などの提出は義務づけら
れています。

この事業報告書において、「今年度は事業は行わなかった」と書いても法律的には問
題はありません。収支計算書についても、収入ゼロ、支出ゼロでも法的にはかまいま
せん。ただし、こうした書類は閲覧対照ですので、第三者が見てどう思うかは別問題
です。

また、先に書いたように、たとえ事業はしなくても総会の開催は必要ですし、任期が
切れる役員については、法律や定款で定めた定数分については改選する必要がありま
す。

ちなみに、もし解散するという場合ですが、残余財産は定款に書かれた帰属先に譲渡
することになります。定款に残余財産の帰属先として指定できるのは、他のNPO法
人、国又は地方公共団体、財団法人、社団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護
法人です。もし、定款にこの帰属先を書いていない場合には、国又は地方公共団体に
譲渡されるか、あるいは国庫に帰属することになります。

シーズ・轟木 洋子
Re: 法人格の返上について 投稿者:宮本 投稿日:2004/10/22(Fri) 22:02:00 No.4001
確かに、理念の基に安請け合いの要素はありますね。
指定管理者制度、協働(言葉だけが一人歩き?)など行政の手先?
程の良い下請けい成り下がる、助成金、補助金ほしさ等。
成熟した地域、市民を創るには「任意団体」→ 「NPO法人」が
汗を流さなければなりません。NPO法人の形態で発信されませんか?
アドバイスいただき、ありがとうございました! 投稿者:おうみ委員会 投稿日:2004/10/23(Sat) 21:07:00 No.4002
ご丁寧に回答いただきありがとうございました。

 当法人は、設立申請時には以下のとおり掲示場への掲示とインターネットでの公告で申請しましたが、県の窓口で訂正を求められたため、仕方なくその指摘どおり「官報」で公告するという文言を入れました。

(当初申請の定款)
委員会の公告は、委員会の掲示場に掲示するとともに、インターネットのホームページにおいてこれを行う。

(修正を求められて決定した定款)
本法人の公告は、本法人の掲示場に掲示するとともに、官報およびインターネットのホームページにおいてこれをおこなう。



 NPOなんでも質問箱の「4027 re(1):定款に記載する公告方法について」に掲載されている内閣府への問い合わせへの回答を知っていれば、修正を拒むこともできたのですが残念です。

 (4027から引用)
内閣府に掲示板とインターネットの組み合わせによる公告はどうか、と尋ねてみたところ、「この組み合わせによる公告を定款で定めているNPO法人が実際にある」というお答えでした。



 しかしながら、特定非営利活動促進法第40条において、特定非営利活動法人の解散及び清算については民法の規定を準用するとされているので、公告の方法としては官報(又は全国紙等)への掲載が間接的に義務づけられていると考えるべきなのかも知れません。

(参考)

民法第79条 清算人ハ其就職ノ日ヨリ2个月内ニ少クトモ3回ノ公告ヲ以テ債権者ニ対シ一定ノ期間内ニ其請求ノ申出ヲ為スヘキ旨ヲ催告スルコトヲ要ス 但其期間ハ2个月ヲ下ルコトヲ得ス





 また、任意団体ではなくNPO法人の形態として発信を続けてはどうかとのアドバイスもいただきましたが、NPO法人として活動してきた中で以下の点で問題がありましたので、やはり今後は任意団体として自由な発想と立場と行動力で活動していきたいと考えています。

(NPO法人活動時の問題点)

1.県の助成金制度を活用して通所介護施設(デーサービスセンター)を開設する予定だったが、施設整備後に県担当者よりデーサービスセンターとして運用してはいけないとされたことで事業実施が困難となった結果、約300万円の負債を抱えることになった。法人といっても結局は理事個人が全額弁済する以外方法はなく、収益を求めないのにリスクのみがある状況において理事の合意で投資が必要な事業展開は困難であることが分かった。
 また、通所介護施設の認可を受ける場合は、法人格を有していることが必要条件であるが、事業を廃止したことにより、その必要性が無くなった。
(詳細は次のHPに掲載 http://www.kaikaku21.com/ohmi/moriyama/comments.htm ) 



2.草津市では、昨年2月に前市長が資金をふんだんに使って選挙を行い当選したが、その資金が暴力団関係者も含めて、市の指名業者からの賄賂であったことが発覚し就任1年足らずで逮捕・辞職に至った。
 このことで出直し選挙が実施されたが、こんなに地域にとって重大な時にNPO法人では、法第2条(ロ)や(ハ)および第3条の定めにより特定の候補者・政党の推薦・支持・反対が禁じられているため、NPOとしてパブリックな価値を実現していくという大きなミッションが担えない。
 (この時は、任意団体「まちづくり本舗」を結成して活動した。
http://www.kaikaku21.com/kusatsu/


3.NPO法人は、正会員の加入等に関して制限を設けてはいけないことになっているが、新興宗教関係者が入会して布教活動に利用されて随分その対応に苦慮したことがある。
 警察の刑事もオウム真理教との関係などで調べていたが、NPO法人ではそうしたことも考慮さていない。NPO法人の定款では入会時には条件を定めることができず、また正当な理由が無い限り入会を拒むことができない。
 当委員会の定款も、一定の歯止めを掛けるようにしていたが、修正を求められたためそうした場合の対応が難しい。

(参考)滋賀県が出しているNPO定款例
第7条会員の入会については、特に条件を定めない。
2 会員として入会しようとするものは、理事長が別に定める入会申込書により、理事長に申し込むものとし、理事長は、正当な理由がない限り、入会を認めなければならない。
3 理事長は、前項のものの入会を認めないときは、速やかに、理由を付した書面をもって本人にその旨を通知しなければならない。


4.滋賀県との協働事業として「ノーリリースありがとう券事業」http://www.pref.shiga.jp/d/leisure/ を実施しているが、こうした事業においても県の財団に一旦委託をして当委員会はそのお手伝いをするという程度の関わりに止まっており、必ずしもNPO法人である必要性が無い。


5.当委員会は、当時「地域通貨」というものが社会的に定着していなかったので、その信頼性確保のために全国で初めて? 「地域通貨」という名を冠して法人格を取得したが、今では全国各地で活動が盛んに行われており、また総務省をはじめ国や行政も「地域通貨」を活用しようとしているようになったことから、一定の役割を果たすことができた。


6.その他

○煩雑な事務に翻弄されること
○毎週のように来る各種アンケートへの対応
○法人格があると、どこかから助成金を貰っていると誤解する人が多い

 これ以外にも、まだまだ不都合で無駄なことが多いのですが、これ位でとどめておきます。


 
 長文になってしまい失礼いたしました。

 とにかく、アドバイスいただきありがとうございました。
 感謝いたします。


地域通貨おうみ委員会

http://www.kaikaku21.com/
Re: アドバイスいただき、ありがとうございました! 投稿者:宮本 投稿日:2004/10/24(Sun) 11:06:00 No.4003
蛇足です。
通所介護(デイサービス)は、必ずしも「法人」格が
必要ではありません。県指定 → 指定居宅サービス提供事業者と
ある地域(広域圏)の該当者しか利用出来ない施設 → 基準該当サービス事業者
この2つの形態があります。
基準事業者でも各市町村が十分なサービスが提供できる施設設置と認めれば、書類上
の手続きで利用できます。
資金面、運営安定、設備投資を無駄にされずに開設できますよ。

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