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収益外と収益部門の分け方 投稿者: 投稿日:2004/11/05(Fri) 17:50:00 No.4086
私たちは支援費の居宅介護を行っているNPO法人です。
10月で決算を向かえましたが
収益部門と非収益部門の会計を別立ていなかったので
申告に行ったら、分けてほしいと言われました。
それでいったん持ち帰って分けることにしたのですが
分け方が難しくどう決めていいかわかりません。

例えば、家賃や水道光熱費は法人を維持するためにも
使いますが、支援費の事業を運営するためにも使います。
それをどのようにわけたらよいのでしょうか。
家賃の何パーセントを非収益部門というふうに
勝手に決めて良いものでしょうか。

消耗品などは、これは法人のために買ったのだから
非収益部門と決めて良いのでしょうか。
また会費や寄付金の扱いはどうしたらよいでしょうか?
出来れば、支援費事業は支援費収入で充分やっていけますので
会費などは収益外にまわせればそのようにしたいのですが。

曖昧な部分で、これは収益、これは収益外とわけるのは
問題がありそうですが、
どのように決めていけばよいでしょうか。

基本的な質問で申し訳ありませんが、
お教え下さい。
Re: 収益外と収益部門の分け方 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2004/11/09(Tue) 11:46:00 No.4087
Nさん

一般的にNPO法人は収益事業の会計と非収益の会計を日常的に
区分することは不可能だと思います。そこで全体の決算を行った上
で、法人税法上の収益事業の損益を集計することになります。

手順としては次のようになります。まず、収入を収益事業の収入(A)
と非収益の収入(B)に分けます。会費や寄付金は収益事業の経費
に充てるもの以外は非収益の収入として構いません。

次に経費ですが、経費は3区分します。明らかに収益事業の経費で
あるもの(C)、明らかに非収益の経費であるもの(D)、共通のもの(E)
です。

総会経費や会員への通信などは(D)になります。Nさんのご質問にも
あるように、家賃や水道光熱費は建物を分けていない限り(E)となり
ます。消耗品費などは実態によりますが通常はやはり(E)ではないで
しょうか。

次に(E)を収益事業分と非収益分に配賦計算します。配賦する基準
は合理的な説明がつけば何でも構いませんし、勘定科目ごとに異な
る基準を用いても構いません。たとえば家賃は使用する面積割り等
です。もっと細かく水道光熱費の中でも電気代や水道代など内容に
よって異なる基準でも構いません。しかし、あまり細かく複数の基準
を用いるのは計算が面倒になるだけであまり意味はありません。

合理的な基準とはたとえば収入割合((A)と(B)の比率)や従事する人
(もしくは時間)の割合などです。こうして計算した(E)のうちの収益事
業対応分を(F)とします。法人税の申告に使う損益は上記の(A)と(C)
に(F)を加えたものです。

             公認会計士・赤塚和俊

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