NPOWEB

はじめまして。
現在、NPO法人を立ち上げようとしている者です。
経理のことで、少しお伺いします。
一度申請したら、戻された内容に、予算案で管理費が事業費を超えてはいけない・・とか
管理費は全体の50％以下にするという取り決めがあると聞きました。

私なりに、勉強した上で予算案を提示したつもりだったのですが、まったく間抜けです。
そこで、再度本をひっくり返して読んだのですが、例の予算案では、
管理費が事業費より超えていた例文があったり、よくそこのところが解りません。

むしろ、逆で収益事業の場合の事業費は、管理費を超えてはいけない（それならNPOでない法人格を
取得すべきだ・・・という論点から）と記載されていました。

いま、NPOでも色々な本が出版されていて、同じような内容の本を何冊も買っても
無意味と思って、ここで質問させていただければと思い、投稿させて頂きました。

ほか、NPO経理のことで、通常の法人格（株式や有限）とは違う点があったら
教えて下さい。また、NPO経理でお勧めの本やHPがありましたら是非ご紹介ください。

なお、立ち上げているNPOは、収益事業は行いません。

お忙しい所、恐縮ですが何卒宜しくお願い致します。

ヴィヴィアンさん

赤塚です。前半のご質問は轟木さん、お願いします。
後半についてお答えします。ＮＰＯ法人の経理については
長野県ＮＰＯセンター編「ＮＰＯ会計まるごとガイドブック」
入手先：http://www.npo-nagano.org/
岩永清滋・水谷綾著「実践！ＮＰＯの会計・税務」
入手先：http://cw1.zaq.ne.jp/osakavol/books/npo/index.html
の２冊が好著です。
手軽に読めるものとしてはアリスセンターの「ウサギとカメ」
シリーズのブックレットがあります。
入手先：http://www.jca.apc.org/alice/npo/book.html
ＮＰＯ法人と一般企業の経理の相違点については、上記の
どの参考書にも詳しく書いてあります。

　　　　　　　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊

赤塚です。失礼しました。
岩永清滋・水谷綾著「実践！ＮＰＯの会計・税務」の
入手先のＵＲＬが違っていました。
http://cw1.zaq.ne.jp/osakavol/books/index.html

公認会計士・赤塚和俊先生

はじめまして。
早々にご返答をありがとうございました。
早速、購読の手配をしたいと思います。
が、お勧め三冊どれにしようか？また、悩んでみたりしています（笑！）

特に、一冊！というのがあれば、教えて下さい。
どれでも、同じようだと記述して下さってはいますが・・。

ヴィヴィアンさん

一番とりつきやすいのは「ウサギとカメ」だと思いますが、
もう少し知りたいときは結局もう1冊読む必要がでてきます。
残る２冊ですが、Ｑ＆Ａ形式で読みやすいのが「ガイドブ
ック」、理論的な解説もあるのが「実践！」です。

　　　　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊

公認会計士・赤塚和俊先生

ありがとうございました。
早速、手配して勉強したいと思います。

　　　　　　　　　　　　　ヴィヴィアン

ヴィヴィアンさん、

前半部分について、お返事をいたします。

所轄庁から指摘をされた部分は、内閣府が出している『ＮＰＯ法の運用方針』に沿
った「助言」だと思います。この運用方針については、内閣府の次のページから読む
ことができます。

http://www.npo-homepage.go.jp/law/031218program.html

この運用方針に沿って、書類を修正して申請することも選択肢のひとつではありま
すが、シーズとしてはこの運用方針は必ずしも法律に則ったものとは思っておりま
せん。むしろＮＰＯの実態にそぐわないもの、またＮＰＯ法に規定されていないこ
とまで含まれていて、問題だと思える箇所もあります。

ヴィヴィアンさんの団体のケースにしても、たとえば、事業部分をほとんどボラン
ティアが担っているような場合、支出だけを見れば全体としては管理費が半分を超
えてしまう、というようなことはＮＰＯの場合はよくあることだと思います。

確かに、ＮＰＯ法では「特定非営利活動」（団体の目的に沿った事業）が、その他
の事業よりも大きくなければならない規定になっていますが、これはお金だけで計
るのではなく、事業にかかった時間や、事業にかかわった職員やボランティア数な
ど、合理的な基準で計ればよいことになっています。しかしながら、運用方針では、
そうしたことを鑑みていないのです。

ヴィヴィアンさんが持っておられる本と、所轄庁の「助言」が矛盾しているのは、
以上のような理由からではないかと推測されます。どのような本を持っておられる
か存じませんので、本が間違っている場合もないわけではないと思いますが。

書類を修正するか否かについては、ヴィヴィアンさんの団体の判断になりますが、
シーズとしては実態にあった形の書類を作成して認証申請されることをお勧めして
います。法律に違反していなければ、それで不認証になることはない筈ですが、
もし不認証になった場合には、裁判で争うという方法もあり、この場合にはシーズ
にぜひご相談ください。

シーズ・轟木　洋子

シーズ・轟木　洋子様

はじめました。
回答を頂き、ありがとうございました。
早速、情報いただいた内閣府のＨＰを見てみました。
詳しく熟読は、これからしますが、取り合えず私が疑問に感じていた
事業費と管理費のバランスの件に関しては、理屈上では納得できました。
ありがとうございます。

しかし、轟木さんのおっしゃるように必ずしもその理屈が実務上と合致する
ケースばかりでないのは、同感です。
我々の場合にも、人件費は計上せずほどんとボランティアです。
それでも、計画上では管理費が上回ってしまうのが現状です。
むしろ、設立当初というのは軌道に乗るまでの期間は、そのお膳立てのための
管理費扱いの項目が多くなるのは、必然とすら思えます。
ＮＰＯ法人にも色々な項目があるでしょうから一概には言えませんが・・。

赤塚先生の勧めて下さった本の熟読と轟木さんのお話を踏まえたうえで、
今後も進めていきたいと思います。

お忙しい中、ご丁寧にありがとうございました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヴィヴィアン