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単なる顧客とは? 投稿者:十字峡 投稿日:2005/02/22(Tue) 20:49:00 No.4388
改正予定の認定NPO法人制度で、共益的な団体の制限要件の緩和についてお尋ねします。
「単なる顧客を除外...」とは、具体的にはどのようなことをさすのでしょうか?また、「ネットワーク型NPO法人の共益的活動から、認定NPO法人の事業に対する助成を除外する」を具体的に教えて下さい。
Re: 単なる顧客とは? 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2005/03/02(Wed) 14:08:00 No.4389
十字峡さん、

さまざまな動きのために、お返事が遅くなってしまいました。すみません。

さて、認定NPO法人制度の改正部分に関するご質問ですが、まず「会員等の範囲か
ら、単なる顧客を除外する」、という改正が行われることになったのは、次のような
理由からです。

認定NPO法人制度では、いわゆる共益的な活動を半分以上(50%以上)行うと、
認定を受けられない、という要件があります。これには、会員等を対象にした活動も
含まれています。

なお、この会員等の「等」という文字には、会員ではなくても、反復継続してサービ
スを受ける者も含まれています。

たとえば、実際にあるケースですが、障害児を対象とした学童保育を実施しているN
PO法人の場合ですと、学童保育に毎日通ってくる子どもたちは、ほとんどが固定し
ています。つまり、子どもたちは、反復継続してNPOのサービスを受けています。
そうすると、この学童保育の活動が全体の半分以上であると、このNPO法人は、共
益的な活動が主であるとして、認定が受けられなくなるのです。

また、高齢者に配食サービスを行っているようなNPOの場合でも、地域の一定の高
齢者に反復・継続して食事を配っているケースがほとんどだと思いますが、この場合
も、この活動が全体の半分以上であれば、共益的な活動が主であるとみなされて認定
が受けられません。

そのため、4月からは、上記のような子どもたちや高齢者は、会員等とはみなさずに、
単なる顧客であるとして、共益性排除の要件からは除外しよう、ということになった
のです。

この改正により、少しでも多くのNPO法人が認定を受けられるようになることを願
っています。

次のご質問は、
「いわゆるネットワーク型NPO法人(NPO法人等の運営又は活動に関する連絡、
助言又は援助の活動を行うことを主たる目的とするNPO法人)の会員等に対する助
成事業のうち、特定公益増進法人又は認定NPO法人が参加する事業を共益的活動の
範囲から除外する」
という改正部分についてですが、これは、ある特定のNPO法人が認定を受けられる
ようにするために改正されたものです。

このNPO法人は、政府や企業、また一般の方々などから広く資金を集め、一定の基
準を満たした、会員である民間の活動団体に対して、助成金を出しています。ところ
が、ここでも会員団体にのみ助成金を出していることから、共益的な活動ばかりを行
っている団体として、これまで認定を受けることができませんでした。
たとえば、このNPO法人の「P事業」に対して、A団体、B団体、C団体が参加し、
このA,B,Cのそれぞれに、NPO法人が助成金を出すような場合、A,B,C団
体は、予め会員として登録されているために、共益活動である、ということになって
いました。

今回の改正では、この「P事業」に参加する、A,B,Cの団体の1つでも、認定を
うけている認定NPO法人であるか、特定公益増進法人であれば、これを共益的な活
動であるとみなさない、というものです。

この改正は、あまり多くのNPO法人には関係しないようには思います。
以上、参考になれば幸いです。

シーズ・轟木 洋子
Re: 単なる顧客とは? 投稿者:十字峡 投稿日:2005/03/02(Wed) 15:10:00 No.4390
轟木さん 有難うございました。
大変よく分かりました。中間支援の立場としては、
今回の改正で認定NPO法人がもっと増えるようにサポートしていきたいと思います。
(まだまだハードルは高いですが)

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