NPOWEB

　いつも困ったときには、お世話になっています。今回もよろしくお願いします。
　私が代表を務める法人は、障害者の働く場を作ることを目的に活動しています。今までは、
主に一つの事業で、事業部と事務局の責任者も２人であったため、責任分担等、正直、明確にし
ていく必要がありませんでした。今回、地域の公益的なセクターからの委託で新たな、事業が
始まる予定です。たまたま、法人の理事をしていた方が、やりたいという想いがあり、ＮＰＯは
、個人の想いを形にする仕組みと云われますから、法人はある意味手段として機能すればいい
と考え、法人として受託することに決めました。またこれを機に法人の運営体制を整備してい
けるとの考えもありました。
ただ、実際はどのような仕組みを内部的に作っていけばよいのか、悩んでおります。
事務局としての機能をしっかり確立していくことが、必要とは思いますが、法人内での新たな
起業という面がありますので、自ら始めようという立場を尊重すれば、事務局は、必要最小限の
業務と連絡調整的な役割を担う様にしたほうが、良いようにも思っていますが、如何なもので
しょうか？また、会計的には新規事業は特別会計にして財産的にも区別していこうと考えていま
す。
　一方では、地域での障害者の働く場作りというテーマを発信していくためには、これから、
事務局、理事として果たしていく役割が重要になってくると思います。役割や、責任の分担の
ルールをどのようにして作っていけばよいのか、アドバイスしていただければと思います。

くろくまさん、

新規事業を特別会計にして財産的にも区別する、というのは、そういう方法でもかま
わないと思います。ただし、全体としての会計も別途作成し、団体としての金銭的な
運営がきちんとできるようにしておくといいと思います。

ただ、その他のご質問は、なかなか回答が難しく思います。それぞれの団体で事情が
異なりますし、この質問箱だけに書いていただいたことだけでは判断はできかねるか
らです。

新規事業をやりたい、という理事の方がかなり時間を割いて、そのことに打ち込まれ、
事務的なことも事務局と密に連絡と取りながら担われるのであれば、お書きになって
いるように、事務局が「必要最小限の業務と連絡調整的な役割」であってもかまわな
いようにも思いますが、それが難しいのであれば、やはり同じ団体として、事務局が
かなりの役割を担う必要も出てくるのかもしれません。

どちらにしても、ＮＰＯ法人の代表権は理事が持っており、事業の執行責任も理事に
あることだけは確かなのですが、この質問箱上でのやりとりだけでは、よいアドバイ
スができそうになく、申し訳なく思います。

役に立つかどうか分かりませんが、シーズの事務局長は、事務局運営で困った場合に
は、いつも「非営利組織の経営」（ダイヤモンド社、P.Fドラッカー著）を参考にし
いるようですので、情報まで。

シーズ・轟木　洋子

ご返答ありがとうございました。
法人として運営していくとなると、事務的な実務は全て各事業部の責任としても、その立ち上げ
支援から始まり「消極的ではない意味での事務局の連絡調整の役割」は、どうしても必要かつ大き
いと感じております。
少なくともハード面においては、各収益事業の売上の一定割合を一般管理費に繰り入れるように
して、予算的にも独立させ、事務局（現在の規模では理事会と重複する形になっていくと思い
ますが）は、事業部とはまた別の意志決定機関として、内部的な自立性を確保していくことが
重要と思っています。その際、事務局の通帳も別に作って管理したほうがよいと考えますが、
いかがでしょうか？

ＮＰＯだから出来ること、一方またその難しさも感じております。「非営利組織の経営」も読ん
で勉強していかなくてはと思います。