NPOWEB

いつもありがとうございます。
理事には、このwebやNPO会計研修でご教示いただいた様式で収支計算書をお願いしましたが、この度、理事よりすべての経費を管理費支出と事業費支出を按分する計算書を作成予定されています。

問題は、すべての経費を管理費５％　事業費９５％と按分し、支出の事業ごとの支出にさらに按分され、その95％にあたる事業費支出の科目をいくつかの科目をいっしょに計上されています。
たとえば、家賃は、大科目、管理費支出のなかに　家賃　５万円とありますが、残りの９５万円の支出について　大科目　事業費支出には、企画運営費に他の科目といっしょに計上され、はたして全体で年間いくらの家賃を支出しているのか、他の理事でさえ皆目わかりません。


理事曰く、管理経費は少ないほうがよい。弊会の方針がこのように決めたらそれでよい、そんなに細かく計上する必要はない、との１点ばりです。
また管理経費には、人件費は一切浮上せず、事業費支出のなかにも、企画運営費のなかに一括されて計算書では、みえてません。従業員が少ないため個人情報に配慮したということなのですが、
かえって余計な憶測を生むような気がします。

このような収支計算書でも、所轄庁はただ受け取るだけなのでしょうか。
理事のおっしゃるとおり一度認証を受けてしまえば、大丈夫なのでしょうか？
税務署もこのような計算書で納得するのでしょうか。
いつも基本的な質問で恐縮に存じます。

komattaさん

懸念されるのはもっともだと思います。次のような問題があると思います。ただ
し、私はkomattaさんの投稿だけを元に判断していますので公平な判断かどうか
はわかりません。

(1)すべての経費を最初から管理費と事業費に按分するのは間違っています。
通常は管理費に固有の経費と事業費に固有の経費があって、分けようのない
共通費を合理的な基準によって按分します。まず本当に固有の経費はないの
か、次に５％対９５％にどのような根拠があるのかが問題です。

(2)「管理経費は少ない方がよい」というのは間違っていませんが、それは事実
として少ない方がよい、ということであって「少なく見える方がよい」という意味
ではありません。むしろ事実に反する報告をして利害関係者をミスリードする
ことの方が問題です。

(3)「弊会の方針がこのように決めたらそれでよい」というのも、間違ってはいま
せんが、その方針を決めるルールが問題です。執行部や理事会だけでなく、
社員も含めてその決め方のルールについての合意はあるのでしょうか。

(4)「そんなに細かく計上する必要はない」というのは、正しくもあり正しくもなし、
です。要するに利害関係者に必要十分な情報を提供しているか、ということで
す。必要十分であればシンプルに越したことはないのですが、シンプルにする
あまり必要な情報まで隠蔽する結果となっては困ります。

(5)所轄庁はたぶん受け取るだけでしょう。また文句をつけてもらっても困ります。
税務署も計算書類の表示の問題については何も言わないと思います。しかし、
問題はステークホルダー（利害関係者）は所轄庁や税務署だけではないという
ことです。もっと大事なステークホルダーがたくさんいると思います。その関係者
に対する説明責任を果たしているかどうか、これも所轄庁や税務署が判断する
問題ではなく、団体内部で判断するべき問題です。
本当は、所轄庁がおかしいというのはおかしい、と同じように私がおかしいという
のもおかしいのです。私は関係者ではないのですから。もしkomattaさんがおっ
しゃるように一部の理事による独走で間違った結論が出されているのであれば、
団体にとっていいことはないでしょう。しかし、それを何とかできるのは内部の人
や役所よりもっと身近にいる関係者だけです。関係者の中にkomattaさんの主
張に耳を傾ける人を一人でも増やすこと、それが回り道のように見えても一番
確実な方法だと思います。

　　　　　　　　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊

赤塚先生

いつも的確なアドバイスありがとうございます。理事の先生方は、会計士や税理士だったり、ベテラン経理マンの方々ばかりです。そんな中で、会計ど素人の自分の懸念は誤っているのでは、と迷ってしまいますが、先生の言葉に勇気付けられました。

総会できまってしまう前に、弊会の設立趣旨を理事の方々に鑑みいただき、頑張ろうと存じます。
ほんとうにありがとうございました。