未払法人税等の計上について 投稿者:
青木 投稿日:2005/04/19(Tue) 18:08:00
No.4673
収益事業とその他の事業を行った場合、収益事業についての未払法人税等は
どのように処理するのですか? 所轄庁用収支決算書・税務署用損益計算書
・貸借対照表のどの箇所でどのように処理すればよいのでしょうか
Re: 未払法人税等の計上について 投稿者:
公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2005/04/20(Wed) 05:55:00
No.4674
青木さん
> 収益事業とその他の事業を行った場合、収益事業についての未払法人税等は
> どのように処理するのですか? 所轄庁用収支決算書・税務署用損益計算書
> ・貸借対照表のどの箇所でどのように処理すればよいのでしょうか
「未払法人税等」は負債科目です。財産目録や貸借対照表では流動負債として
計上します。これに対して「未払法人税等」を計上するときの借方科目は「法人税
住民税等」という科目を使います(金額的に少額であれば「租税公課」の中に含め
てしまっても構いません)が、所轄庁提出の収支決算書でも税務署用損益計算書
でも、経費として計上することになります。なお、企業会計式の損益計算書の場合
は、税引き前の当期利益を出したあとで控除する様式の方が正式の表示方法です。
公認会計士・赤塚和俊
Re: 未払法人税等の計上について 投稿者:
青木 投稿日:2005/04/25(Mon) 00:52:00
No.4675
赤塚先生ありがとうございます。
NPO法人で今回三つの事業を行いました。NPO本来の事業ですが、税務上収益事業と
その他の事業に該当しています。収益事業に対する未払法人税等ですが所轄庁用収支決算
書では「管理費」の中で「法人税住民税等」と表示すればよろしいのですか?
また税務署提出用の損益計算書は、収益事業部門と非収益事業部門のものを作成しなけれ
ばいけないと思うのですが、収益事業部門では企業会計と同じように「税引前当期利益」
「法人税等」「税引後当期利益」と表示するのですか?また収益事業部門で残った税引後
の金額を非収益事業部門で受け入れる場合には「法人税等」の次に「非収益部門会計へ振
替」という項目をいれて「税引後当期利益」は0とするのですか? 非収益事業部門では
「収益部門会計より振替」という科目を設けてその金額を加算して「当期利益」とするの
でしょうか? この場合収益部門会計より非収益部門会計へ振り替えた金額は、収益部門
会計の法人税を計算する場合には非収益部門会計への寄付金としての損金算入の限度計算
が必要でしょうか?収益事業部門と非収益事業部門に区分経理していますが、現金・預金
など貸借科目は区分経理していません。 税務署提出貸借対照表は収益部門と非収益部門
の合計のものだけでよろしいでしょうか? 未払法人税等の計上箇所・収益事業部門で残
った金額の受け入れの処理(表示方法)と税務上の取扱いを教えて下さい。
Re: 未払法人税等の計上について 投稿者:
公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2005/04/25(Mon) 04:50:00
No.4676
青木さん
> NPO法人で今回三つの事業を行いました。NPO本来の事業ですが、
> 税務上収益事業とその他の事業に該当しています。収益事業に対する
> 未払法人税等ですが所轄庁用収支決算書では「管理費」の中で「法人
> 税住民税等」と表示すればよろしいのですか?
はい、それで構いません。
> また税務署提出用の損益計算書は、収益事業部門と非収益事業部門
> のものを作成しなければいけないと思うのですが、収益事業部門では
> 企業会計と同じように「税引前当期利益」「法人税等」「税引後当期利
> 益」と表示するのですか?
それがわかりやすいと思います。
> また収益事業部門で残った税引後の金額を非収益事業部門で受け入
> れる場合には「法人税等」の次に「非収益部門会計へ振替」という項目
> をいれて「税引後当期利益」は0とするのですか?
それでも構いませんし、NPO法上いずれも本来事業ということですから
非収益部門会計へ繰り入れずに繰越利益にしても構いません。
> 非収益事業部門では「収益部門会計より振替」という科目を設けてそ
> の金額を加算して「当期利益」とするのでしょうか?
そうですね。「当期利益」でも「収支差額」でもいいと思います。念のため
に言っておきますと、所轄庁提出の収支計算書では内部の振替取引は
相殺しますし、「当期利益」も合算で「収支差額」と表示します。
> この場合収益部門会計より非収益部門会計へ振り替えた金額は、収
> 益部門会計の法人税を計算する場合には非収益部門会計への寄付
> 金としての損金算入の限度計算が必要でしょうか?
いいえ、NPO法人には「みなし寄付金」の適用がありませんので、内部
の振り替えは一切損金にはなりません。
> 収益事業部門と非収益事業部門に区分経理していますが、現金・預金
> など貸借科目は区分経理していません。税務署提出貸借対照表は収
> 益部門と非収益部門の合計のものだけでよろしいでしょうか?
それで構いません。
> 未払法人税等の計上箇所・収益事業部門で残った金額の受け入れの
> 処理(表示方法)と税務上の取扱いを教えて下さい。
仕訳で示すと(借方)「法人税住民税等」/(貸方)「未払法人税等」です
が、「法人税住民税等」については上記の通り、「未払法人税等」は貸借
対照表の流動負債に表示します。その他は上記の通りです。
公認会計士・赤塚和俊