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会員制月刊誌の課税について 投稿者:KAZ 投稿日:2005/04/28(Thu) 16:12:00 No.4710
700名ほどの会員制(法人格はない任意団体)をとっている内部性の高い、
月刊雑誌についての消費課税について伺います。
個人は年間5000円の会費で、その他団体は一口1万円で、総じて年額約
2000万円になります。第三種郵便を使用しており課税対象になるような気が
しますが、会員制であれば、条件によって、非課税になる場合があるのでしょうか?
また、課税されるとしても簡易課税にできると思いますが、その条件を伺います。
Re: 会員制月刊誌の課税について 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2005/04/28(Thu) 19:55:00 No.4711
KAZさん

会員向けの機関紙(誌)については消費税法基本通達5-2-3があります。
少し長いですが引用します。
「同業者団体、組合等が対価を得て行う会報又は機関紙(誌)(以下、「会
報等」という。)の発行(会報等の発行の対価が会費又は組合費等の名目
で徴収されていると認められる場合の当該会報等の発行を含む。)は、資
産の譲渡等に該当するのであるが、会報等が同業者団体、組合等の通常
の業務運営の一環として発行され、その構成員に配布される場合には、当
該会報等の発行費用がその構成員からの会費、組合費等によって賄われ
ているときであっても、その構成員に対する当該会報等の配布は、資産の
譲渡等に該当しない。
(注)構成員以外に有償で配布した場合であっても、その構成員以外の分
だけ課税売上とされ、構成員に対する分は、資産の譲渡等に該当しない。」

つまり簡単に言うと会員向けの機関誌であれば消費税は課税されないが、
会員以外に有償で配布すればその分については課税ということです。

次に簡易課税の適用ですが、これは基準期間(2年前)の課税売上が5千
万円以下が条件ですのでKAZさんのケースは適用可です。出版業は第3
種事業ですので、みなし仕入率は70%となります。

少し気になるのは「第三種郵便」の適用を受けておられるという点です。「第
三種郵便」は「会報、会誌、社報、その他団体が発行するもので、当該団体
又は団体の構成員の消息、意見の交換等を主たる内容とするもの」は認め
られないことになっています。つまり消費税の不課税要件の「同業者団体、
組合等の通常の業務運営の一環として発行」するものは「第三種」の要件に
抵触するのではないかという問題があります。

ついでですので法人税の問題にも触れておきます。「第三種郵便」は、基本
的に「外部への販売」を前提としていますので法人税法上は「出版業」として
課税の対象となります。この場合、消費税は外部へ販売した分だけが課税
ですが、法人税法は会員に販売した分も含めて課税対象になるという違い
があります。

法人税法上の「出版業」はおおむね80%以上が会員向けである場合は該
当しないということになっています。場合によっては「第三種」は返上した方が
いいかも知れません。

               公認会計士・赤塚和俊

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