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社会福祉法人への移行について 投稿者:ももんが 投稿日:2005/05/19(Thu) 14:25:00 No.4772
現在、NPO法人として、運営していますが、社会福祉法人の方が良いという話を聞きますが、その長短所は何でしょうか?
また、社会福祉法人への移行作業はどんなもので、一部の事業をNPO法人に残すことは可能でしょうか?
最後に、移行する際、抵当権がある施設を社会福祉法人に寄付(譲渡?)することは可能でしょうか?

いろいろ質問して申し訳ございません。
Re: 社会福祉法人への移行について 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2005/05/23(Mon) 16:39:00 No.4773
ももんがさん、

確かに、NPO法人だったところが、社会福祉法人に移行したり、あるいは、NP
O法人とは別に新たに社会福祉法人をつくったりしているところがあります。

社会福祉法人の方が、国や自治体などから補助金がもらいやすいという実態はあり
ます。また、国税庁長官からの「認定」を得ていない、一般のNPO法人であれば、
そこへ寄附した人の税が優遇されないということがあります。この点も、社会福祉
法人であれば、寄附者が自らの課税所得から一定の寄附金を控除できますので、有
利ということです。

ただ、社会福祉法人の場合、その活動は行政の補完をするもの、という色合いが濃
くなります。そのため、さまざまな細かな規制があるようです。この点では、NP
O法人の方が自由に規制を受けずに活動できます。

そのため、NPO法人はそのまま引き続いて運営し、それとは別に社会福祉法人を
立ち上げるところもあります。(その逆もあると思います)

もし、NPO法人から社会福祉法人へ移行する、という場合には、定款にNPO法
人の残余財産の譲渡先として、社会福祉法人を含めておくことになります。今の定
款がそうなっていなければ、定款変更が必要です。

抵当権が付いている資産も、新しくできる社会福祉法人へ譲渡可能と思いますが、
この件は、税の問題、また、所轄庁の判断の問題などもあると思うので、追ってま
た回答を投稿します。少し、お待ちください。

シーズ・轟木 洋子
Re: 社会福祉法人への移行について 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2005/05/26(Thu) 12:12:00 No.4774
ももんがさん、

抵当権が設定された不動産を社会福祉法人に譲渡することについて、シーズの運営委員
で弁護士の浅野晋さんに民法上のことをお尋ねしました。以下がその回答です。

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抵当権が設定された不動産を譲渡することは、法律上は全く何らの制限もありません。
従って、自由に譲渡することが出来ます。

但し、
(1)譲渡された不動産は、抵当権の負担付きで譲渡されますので、その抵当権の被担保
債権について債務不履行(つまり借入金等を弁済しなかったような場合)が生じると、
抵当権の実行(競売)をされることがあります。従って、その抵当権の被担保債権を誰
が、どのように弁済するのか、万一競売された場合その責任を誰がどのように取るのか
(あるいは責任を取らないこととするか)について、予め話し合って、きちんと取り決
めをしておいた方が良いと思います。

(2)例えば金融機関から借り入れをして、それを担保するために抵当権を設定している
ような場合、その抵当権設定契約書には「金融機関に承諾なく当該不動産を譲渡しては
ならない」旨の条項があるのが普通です。この場合、金融機関に無断で譲渡したことが
分かると、場合によっては「債務不履行」ということで、被担保債権の期限の利益を喪
失させて残債務を一括弁済せよと言われる恐れがありますので注意が必要です。
 
なお、ご質問のケースが具体的にどのような内容の抵当権か分かりませんが、金融機関
に対し設定している場合は、債務引き受け等の手続きを要する場合もありますので、い
ずれにせよ事前にその金融機関に相談をする必要があります。
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以上です。民法上では、このようになります。

ただ、社会福祉法人の場合は、いろいろと規制がありますから、所管する役所(都道府
県)がどのように判断するか、という問題は別にありますから、それについては所管の
都道府県にお尋ねください。

シーズ・轟木 洋子

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