- 役員変更と任期 - ひがし 2005-05-27 18:25:00 No.4829
役員変更と任期 投稿者:
ひがし 投稿日:2005/05/27(Fri) 18:25:00
No.4829
(質問1)
総会で理事を選任する際に、定款で「2年」としてあるにも関わらず、
一部の理事を任期を1年としても良いのでしょうか。
もちろん任期を短縮することも併せて総会で議決します。
(質問2)
役員の任期に関して、NPO法では役員の任期は「2年以内」となっていますが、
これをそのまま定款でも「2年以内」とすることは可能でしょうか。
その上で、総会で理事を選任する際に任期も併せて議決します。
それとも、2年以内であっても「1年」とか「1年6ヶ月」と定款で具体的に
定めねばならないのでしょうか。
以上のような質問をするのは、現在全員が同一の期間(2年)である理事の任期を、
1年ずつ半数改選という形でずらしたいからです。
お答えの程を、どうかよろしくお願い致します。
Re: 役員変更と任期 投稿者:
ぱいん 投稿日:2005/05/27(Fri) 21:31:00
No.4830
ひがし様
> 以上のような質問をするのは、現在全員が同一の期間(2年)である理事の任期を、
> 1年ずつ半数改選という形でずらしたいからです。
> お答えの程を、どうかよろしくお願い致します。
設問の場合で、理事の同意が得られているという状況であるなら、
一部の方に、一旦 辞職した上で再度同一の者を重任して
任期の更新をしてしまえば2年任期の理事が毎年半数ずつ
交代するということになると思いますが、
その方法が用いられない事情がおありならお伺いできますか?
Re: 役員変更と任期 投稿者:
ひがし 投稿日:2005/05/30(Mon) 12:30:00
No.4831
ぱいんさん、ご意見ありがとうございます。
お答えにありました、
>一部の方に、一旦 辞職した上で再度同一の者を重任して
>任期の更新をしてしまえば
ぱいんさんのご意見にあった案も検討したのですが、
定款で、
「補欠のため、又は増員によって就任した役員の任期は、
それぞれ前任者又は現任者の任期の残存期間とする」
と定めていいます。
この規定に反するのではないかと考えたのですが、大丈夫なのでしょうか。
それとも、
「補欠・増員で就任した役員の任期は前任・現任者の残存期間」
という規定は、また異なる場合に適用されるのでしょうか。
こちらも合わせてお答えくだされば幸いです。
回答をお願い致します 投稿者:
ひがし 投稿日:2005/06/08(Wed) 14:28:00
No.4832
申し訳ありませんが、質問に対する回答をどなたかお願い致します。
Re: 回答をお願い致します 投稿者:
シーズ・轟木 洋子 投稿日:2005/06/08(Wed) 17:58:00
No.4833
ひがしさん、
お待たせしていて申し訳ありません。
ご質問のなかに、回答が困難な部分があり、現在弁護士の方に問い合わせています。
もう少しお待ちくださいますよう、お願いいたします。
弁護士の方から回答が届き次第、この質問箱でお知らせいたします。
シーズ・轟木 洋子
Re: 回答をお願い致します 投稿者:
シーズ・轟木 洋子 投稿日:2005/06/10(Fri) 14:14:00
No.4834
ひがしさん、
お待たせしておりましたが、お訪ねの件について、弁護士でシーズ運営委員の浅野晋さ
んから、次のようなお返事をいただきました。
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1、まず「質問1」ですが、定款で「2年」と確定的な任期が定められている場合に
は、総会の決議であっても、「2年」以外の任期とすることは出来ません。
2、次に「質問2」ですが、この問題は「2年以内において定款で定める期間」とい
うNPO法24条1項の文言の趣旨が、例えば2年とか1年とかいった確定的な期間
で定められていなければならない趣旨なのかどうかという問題です。
そして、もし定款では必ずしも確定的な期間を定めなくても良いということになる
と、例えば
・「理事の任期は2年以内とする。」
・「理事の任期は2年以内の期間とし、総会(注:選任機関が理事会の時は理事会)
の議決によってこれを定める。」
というように定款で定め、具体的な任期については選任の際に決めることが出来るこ
とになります。
3、これは、具体的な任期を定款自体に定めるのではなく、具体的な任期の決定を定
款によって総会(注:選任機関が理事会の時は理事会)の議決に委ねることを意味し
ています。
4、このようなことが出来るのかどうかについては、判例もありませんし今のところ
学説も見当たりません。そこで、NPO法の原点に戻って考える必要があります。
5、NPO法人の運営は、NPO法に定められた枠組みの中で、当該NPO法人の私
的自治に委ねられています。
ところで、NPO法は、「この法律は、……市民が行う自由な社会貢献活動として
の特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的」
としています(第1条)
すなわち、この法律の基本的な思想は“市民の自由な社会貢献活動を促進する”と
いうものです。従って、この法律の解釈にあたっても、出来るだけこの思想に沿った
解釈をすることが要請されています。
6、従って、NPO法人の運営についても、NPO法や民法の枠組みや法律の趣旨に
反しない限り、当該NPO法人が私的自治のもとに「自由」に運営することを認め、
その「活動の健全な発展を促進する」ことが、この法律の趣旨に合致します。
7、そこで、上記1に記載したような定款の定めをおいた場合、何か不都合が生じる
かどうかを考えてみると、別に何らの不都合も生じないように思えます。
例えば“「1ヶ月」とか「1週間」という極端に短い任期の理事を選任するのは不都
合である”と考える人もいるかもしれませんが、何かの必要があって暫定的に短期間
だけ理事になってもらう必要がある場合もあるでしょうし、そのような必要があるの
かどうかは当該NPO法人の私的自治に任せておけば良いことです。
8、従って、上記4、5で述べたNPO法の趣旨に従って解釈すれば、NPO法24
条1項は上記1に記載したような定款の定めを排除する趣旨ではなく、選任の際2年
以内の範囲で具体的な任期を定めることが当該NPO法人の運営上必要であるという
ことであれば、その旨定款で定めて良いと解することが出来ます。
9、なお、株式会社の場合、取締役の任期は商法256条1項に「取締役ノ任期ハ2
年を超ユルコトヲ得ズ」と定められていますが、2年以下の期間で具体的にどのよう
な期間にするかについては定款で定める必要はありません。(つまり取締役の任期は、
定款の絶対的記載事項ではありません。もっとも、殆どの定款では具体的な任期を定
めているように思われます。)
この場合に、株主総会で、例えばある取締役の任期を1年、別の取締役の任期を2
年とするような選任の仕方が許されるかどうかについて、登記研究366号88頁は
次のように述べています。
「取締役の任期は2年を超えない範囲で定められているので、株主総会において取締
役を選任する際、ある者の任期を1年、他の者の任期は2年とすることは、定款に特
段の定めのない限り、差し支えない。」
すなわち、株式会社の場合も、そのようなことは私的自治の範囲内のことであると
考えているわけです。
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以上、法律での規制がないのですから、定款で「2年以内」と定めることも可能とい
うことです。
シーズ・轟木 洋子
Re: 回答をお願い致します 投稿者:
ひがし 投稿日:2005/06/10(Fri) 18:51:00
No.4835
回答ありがとうございました。
また、急かしてしまったようで、申し訳ありません。
役員の任期について、総会で定めがあれば総会で決めることが出来るという点と、
その根拠や関連する法律まで挙げていただき、大変感謝しております。
本当にありがとうございました。