電子文書による理事会 投稿者:
naka 投稿日:2005/06/01(Wed) 11:50:00
No.4849
法人本籍地と異なる都道府県に居住する理事との会議は、
法人本部への出張を除き電子文書で行っています。
定款の理事会に関する条項を全て満足させた場合、
理事会を電子文書による会議で開催する事は可能でしょうか?
問題点として考えているのは、
電子文書による意思表示が表決権の行使による表決に該当するのか?です。
又、上記理事会が認められる場合、理事会議事録の開催日時、場所については、
どのように記載すれば良いのでしょうか?
Re: 電子文書による理事会 投稿者:
シーズ・轟木 洋子 投稿日:2005/06/08(Wed) 18:13:00
No.4850
nakaさん、
NPO法第17条では、「特定非営利活動法人の業務は、定款に特別の定めのない
ときは、理事の過半数をもって決する」とはありますが、その他の条文、また民
法にも、物理的に理事「会」を開催しなければならない、という規定はどこにも
ありません。
そのため、nakaさんの法人のように、電子文書にて理事が法人運営などの決
定をするということは可能です。いわば、持ち回り決議と同等のものです。
ただ、nakaさんの法人の定款に「会の重要な事項は理事『会』で決定する」
というような条文が入っているとすれば、やはり理事「会」を開かなければなら
ないということになります。「会の重要な事項は理事の過半数をもって決する」
というような条文であれば、電子文書でのいわば持ちまわり決議でも問題ありま
せん。
しかしながら、電子文書でのやり取りであっても、「会」であるという解釈が成
り立つ、という論理もあり得ます。これについては、現在調べていますので、も
う少しお待ちくださいますようお願いいたします。
シーズ・轟木 洋子
Re: 電子文書による理事会 投稿者:
nogami 投稿日:2005/06/08(Wed) 19:00:00
No.4851
先般,大阪府に,委任状はファクスや電子メールでも可か,と問うたら,
大阪府では,不可,と言っていました。
でも,FAX委任状であっても,理事会や総会で,役員や正会員がチェックし,
疑義をとなえなければ,例えば所轄庁への報告に委任状の添付が義務づけれ
てはいないので,問題とはなりえないのでしょうね。どうでしょう?
理事会にしても,議事録として体裁が整っていれば,問題はないように本会
としては理解して,持ち回りがありましたが,どうでしょう?
ただ理事会がもし年1回だけだとしたら,それも電子会議あるいは持ち回り,
という訳にはいかないでしょうが。どうでしょうか?
Re: 電子文書による理事会 投稿者:
naka 投稿日:2005/06/09(Thu) 00:05:00
No.4852
轟木 洋子 さん、nogami さん。
レスありがとうございます。
シーズ・轟木 洋子 さん wrote
> そのため、nakaさんの法人のように、電子文書にて理事が法人運営などの決
> 定をするということは可能です。いわば、持ち回り決議と同等のものです。
> ただ、nakaさんの法人の定款に「会の重要な事項は理事『会』で決定する」
> というような条文が入っているとすれば、やはり理事「会」を開かなければなら
> ないということになります。
定款で(権能)として、理事会での議決事項を明示しています。
大雑把に言えば総会での議決事項以外は、理事会議決としています。
議決についての条項で「理事総数の過半数の同意をもって決し」と
謳っているため、遠隔地理事2名(理事7名中)が欠席であっても、
理事会開催、議決については支障ありません。
> しかしながら、電子文書でのやり取りであっても、「会」であるという解釈が成
> り立つ、という論理もあり得ます。これについては、現在調べていますので、も
> う少しお待ちくださいますようお願いいたします。
「会」と「持ち回り決議」との違いは、一同に会し決議するかどうかだと認識しています。
電子文書で各理事が意見を送信する際、全理事に一斉送信(BCC では無く)していますので、
一同に会してはいませんが「持ち回り決議」とは、若干違うような気もします。
宜しくお願いします。
nogami さん wrote
> ただ理事会がもし年1回だけだとしたら,それも電子会議あるいは持ち回り,
> という訳にはいかないでしょうが。どうでしょうか?
理事会開催については、事業計画書の中で年4回開催を計画し、総会で承認を得ております。
もちろん運営上、増減はしますが概ね同程度は開催しております。
Re: 電子文書による理事会 投稿者:
シーズ・轟木 洋子 投稿日:2005/06/09(Thu) 10:07:00
No.4853
nogamiさん、
いつもご投稿ありがとうございます。
総会の委任状については、実はNPO法が準用している民法65条が「総会に出席せ
ざる社員は書面を以て表決を為し又は代理人を出だすことを得」と規定しているため
に、これはどうしても「書面」でなくてはならないということになります。この書面
には、今のところ、電子文書やFAX文書は含まれません。
nakaさん、
メールによる理事会について、シーズの運営委員で弁護士の浅野晋さんから、次のよ
うな回答をいただきました。どうぞ、ご参考になさってください。
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【メールによる「理事会」について】
1、「理事会」については、NPO法にも民法にも全く何らの定めもありません。
従って、理事会を設置するのもしないのも自由ですし、また理事会をどのような構
成でどのように開催するかについても全く自由に決めることが出来ます。
2、そして、NPO法第17条は、「特定非営利活動法人の業務は、定款に特別の
定めのないときは、理事の過半数をもって決す。」と定めておりますので、定款で
業務については理事会の決議で決する旨定めておけば、「理事の過半数」ではなく
「理事会の決議」で決定することが出来ます。
この「理事会の決議」の要件についても定款で自由に定められますが、例えば理
事の員数を7人とし、理事会の定足数を過半数、議決は出席理事の過半数で決する
という内容の定款の場合、理事会に4人が出席し、3人がある議決案件に賛成した
としたらその議決は決せられたことになります。この場合、3人の賛成理事数はN
PO法17条にいう「理事の過半数」より少ないのですが、「定款に特別の定め」
がありますので有効に議決できるわけです。
3、さて、この「理事会」ですが、理事「会」という言葉からすると、理事が一堂
に会して議論をし結論を出すということが期待されているように思われます。
しかし、電子媒体が発達した今日においては、複数の人々が同時に電話やテレビ
電話等のコミュニケーション手段を使うことによって、その考えを伝えることが出
来ますので、「会」といっても必ずしも同じ場所で一堂に会する必要はありません。
4、また、「議論」というのは、他の意見を聞くことによって考えを深め、よりよ
い結論に到達するというところに意味がありますが、これも必ずしも同じ場所で意
見を述べ合う必要はありません。要は、互いにコミュニケーションができれば良い
わけですから、場所的に離れていても、互いのコミュニケーションを可能にする手
段さえ確保できればそれで良いことになります。
5、電子メールは、コミュニケーションの手段としては音声に比べて即時性が乏し
く考えを伝えるのに時間がかかるという面はありますが、それはコミュニケーショ
ンの意味を没却するようなものではありません。
6、従って、電子メールのやりとりによる「理事会」というのも有効に成立すると
考えられます。
なお、理事会を電子メールの方法で開催したい場合には、紛争を避けるため定款
にその旨定めておいた方が良いと思います。
7、電子メールの方法による理事会の議事録ですが、例えば次のように記載したら
いかがでしょうか。
【議事録の例】
特定非営利法人○○会○年度第○会理事会議事録
1、理事会開催日時
・議事開始 ○○年○月○日○時○分、議長より下記議案を各理事に電子メール
によって発信し、理事会の議事を開始した。
・議事終了 ○○年○月○日○時○分、議長より下記議案の議決結果を各理事に
電子メールによって発信すると共に、理事会の終了を宣言した。
2、議案
第1号議案 ○○○について
第2号議案 △△△について
3、審議経過
上記議案について、○○年○月○日○時○分、議長である理事長○○より各理事の
メールアドレスに上記議案の要旨、提案理由、……を発信した。
これに対し、理事○○、理事○○より、別紙の意見が述べられた。
その後、各理事に上記議案の賛否を問うたところ、次の通り賛否の表明があった。
第1号議案 賛成○票(○○理事、○○理事………)
反対○票(○○理事、○○理事………)
第2号議案 賛成○票(○○理事、○○理事………)
反対○票(○○理事、○○理事………)
よって第1号議案は議決され、第2号議案は否決された。
以上の審議の経過及び結果を明らかにするため、本議事録を作成し、議長○○と
理事○○、理事○○……が記名押印する。
○○年○月○日
議長 理事○○ 印
理事 ○○ 印
……
------------
以上です。
シーズ・轟木 洋子
Re: 電子文書による理事会 投稿者:
naka 投稿日:2005/06/09(Thu) 17:23:00
No.4854
ありがとうございます。
議事録の見本までご教示頂き、感謝します。
Re: 電子文書による理事会 投稿者:
ぱいん 投稿日:2005/06/10(Fri) 08:20:00
No.4855
シーズ・轟木 洋子さん
> 6、従って、電子メールのやりとりによる「理事会」というのも有効に成立すると
> 考えられます。
> なお、理事会を電子メールの方法で開催したい場合には、紛争を避けるため定款
> にその旨定めておいた方が良いと思います。
こういう規定を設けている法人もあるようです。
(理事会の決議方法の特則)
第○条 理事会は、定められたメーリングリスト宛の電子メールによって議決を行うことができる。
2 理事会が、電子メールによる議決を行う場合、その議決方法は、議長が、3日以上2週間以内で定める投票期間
及び議決を求める事件を明示したうえで、電子メールによる投票開始宣言を行い、理事の過半数の賛成をもって決する方法による。
3 前項の投票期間が満了するまでに賛成者の数が理事の過半数に達しない議案は廃案となる。
4 議長は、電子メールによって議決を行ったときは、その記録を備え置かなければならない。