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会費の寄付金控除 投稿者:さちこ 投稿日:2005/06/07(Tue) 19:53:00 No.4886
認定NPO取得後に、法令上の社員の会費は寄付金控除の対象になるのでしょうか。
現在、
正会員(社員)(法人・個人) :年間1口100,000円 法令上の社員
賛助会員(団体)       :年間1口 50,000円
個人会員(一般)       :年間1口 5,000円
個人会員 (学生) :年間1口 2,000円

以上を考えています。果たして、どの会費が控除対象となるのですか。
とある、団体の(認定NPOではないですが)会費について見てみると、
会費については税制の優遇措置があります。
個人:寄付金控除の対象
法人:損金算入を優遇
   損金算入の限度額は、一般寄付金とは別に限度額を設けて算入とありますが、

考え方を、教えてください。
Re: 会費の寄付金控除 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2005/06/08(Wed) 18:44:00 No.4887
さちこさん

さちこさんのNPO法人が、国税庁長官の「認定」を受ける場合のことですね。

この「認定」の制度において、会費については、次の3つに分けて考える必要が
あります。
(一般のNPO法人の方は、これにとらわれることはありません)

1.社員の会費 → 寄附としては扱えない
2.社員以外(賛助会員など)の会費で、対価性のある会費 → 寄附としては扱えない
3.社員以外(賛助会員など)の会費で、対価性のない会費 → 寄附として扱える

まず、「1」の社員の会費は、残念なことに、現在の制度上は寄附としては認め
られません。ですから、社員の会費を払った方が、確定申告時に、その会費を所
得から控除することはできません。財務省は、社員というのは総会での議決権を
持つ、いわば組織の内部関係者であり、その会費は議決権を得るためのもので、
寄附としては扱えない、としています。

「2」と「3」にある「対価性のある会費」「対価性のない会費」というのはど
ういうものかというと、例えば、スポーツクラブの会員のように、会員になった
らスポーツクラブの施設を使えるような場合、これは「対価性のある会費」とい
うことになります。この会費は、実態上は施設の利用料です。
また、たとえば、1000円という価格を付けて一般にも販売している機関誌を、
1万円の会費の賛助会員に年10回送付する場合、これも、その1万円の賛助会
費は、実態上は機関誌の購読料である、とみなされ、「対価性のある会費」、つ
まり、寄附としては扱えない、ということになります。

こうした、社員以外の会員が支払う、いわば「見返り」のある会費以外の、「見
返り」のない会費については「対価性のない会費」として、寄附として扱うこと
ができます。つまり、確定申告の時に、所得から控除できます。

なお、さちこさんが書いていらっしゃる
「とある団体の(認定NPOではないですが)会費について見てみると、会費につい
ては税制の優遇措置があります。」
という部分は分かりかねております。

ある人が、認定を受けていないNPO法人(いわゆる普通のNPO法人)に寄附を
しても、あるいは会費を払っても、一切、その人は所得から寄附金を控除すること
はできません。

企業であれば、普通のNPO法人に寄附した場合、「一般寄附金の損金算入限度額」
までなら、損金算入できます(つまり、経費として所得から差し引くことができます)。
しかし、この一般寄附金の損金算入枠を、あまり企業は使いたがらないのが実態です。

一方で、企業は、この「一般寄附金の損金算入限度額」と同じ金額の「別枠」の損金
算入限度額も持っており、この別枠は、「認定」NPO法人や、社会福祉法人、特定
公益増進法人などに寄附した場合にのみ、使えます。そのため、企業は、普通のNP
O法人に寄附するよりも、この別枠を使って認定NPO法人や社会福祉法人に寄附し
た方がトクだと考えるようです。

認定NPO法人制度については、シーズのブックレットシリーズNO.8「NPO支
援税制がよくわかる本」が参考になりますので、よろしければお求めください。
http://www.npoweb.jp/aboutcs/aboutcs4.php3
また、東京近辺の方であれば、毎月、シーズの事務局にて認定NPO法人制度のセミ
ナーも開催していますので、ご参加いただければと思います。
http://www.npoweb.jp/event_info.php3?article_id=2155

シーズ・轟木 洋子

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