NPOWEB

移送サービスを行う任意団体で、法人化を予定しています。
定款を作成するにあたり、「事業」の記載をどのようにしたらいいのか迷っています。
予定している活動は、「移送サービス」「研修受講や運転研修など」「会員向けの会報作り」「地域の福祉情報などの収集・提供」です。
その他、収入を得るために年に２～３回のバザー、会報への広告掲載、車両への広告掲載などが考えられます。

質問１．上記のような活動を行う場合、下記のいずれが適当でしょうか？
　　　案①　　（１）特定非営利活動に係る事業
　　　　　　　　　　　①移送サービス事業
　　　　　　　　　　　②移送サービスに関わる教育研修事業
　　　　　　　　　　　③会報発行事業
　　　　　　　　　　　④地域福祉に関する情報収集及び提供事業
　　　　　　　　　　　⑤その他目的を達成するために必要な事業

　　　案②　　（１）特定非営利活動に係る事業
　　　　　　　　　　　①移送サービス事業
　　　　　　　　　　　②その他目的を達成するために必要な事業
質問２．車両への広告掲載などは（１）特定非営利活動に係る事業の中の「⑤その他目的を達成するために必要な事業」という記載でＯＫでしょうか。
　　　　それとも（２）その他の事業　として別立て（別会計）にしなければいけないでしょうか？

NISHINOさん、

なかなか難しい質問です。
特定非営利活動に係る事業についてのNISHINOさんの案（１）は、もちろんこれで問題は
ありません。
案（２）については、意見が分かれるところですが、「地域福祉に関する情報収集及び
提供事業」を一定程度実施するのであれば、「移送サービス」と「その他目的を達成す
るために必要な事業」の他に、この「地域福祉に関する情報収集及び提供事業」も記載
しておいた方が良いと思われます。「会報発行事業」についても、この会報を外部にも
積極的に販売して行かれるようなものでしたら、記載しておいた方がいいかもしれませ
ん。

バザー、会報への広告掲載、車両への広告掲載などについては、これ自体が法人の目的
を達成する事業ではありませんから、「その他の事業」として記載します。
なお、その他の事業の会計は、特定非営利活動の会計と区分して経理をしなければなり
ません。所轄庁に収支計算書を提出する際にも、同様に区分した収支計算書を作成しま
す。

シーズ・轟木　洋子

NISHINOさん、轟木さん

> バザー、会報への広告掲載、車両への広告掲載などについては、これ自体が法人の目的
> を達成する事業ではありませんから、「その他の事業」として記載します。
> なお、その他の事業の会計は、特定非営利活動の会計と区分して経理をしなければなり
> ません。所轄庁に収支計算書を提出する際にも、同様に区分した収支計算書を作成します。

この点については、私は少々違う考え方です。規模にもよるとは思いますが、バザー、会報
への広告掲載、車両への広告掲載などは、独立した事業というよりも、本来事業に付随して
行う事業です。こういう場合はあえて「その他の事業」に書き込まなくてもよいように思います
がいかがでしょうか。

法人税法でも付随事業の場合の課税・非課税の判定は、その付随事業の業種ではなく本体
事業の方で判定することになっています。たとえば会報の広告料はその会報が「出版業」に
該当すれば課税だし、そうでなければ非課税です。

もちろん法人税法の収益・非収益とＮＰＯ法の特定非営利・その他の区分は全然別の話では
ありますが、独立した事業か付随事業かという切り方は同じでいいと思います。学校法人や
社会福祉法人でも寄附行為（定款に相当するもの）に、バザーを事業として掲げることはあり
ません。事業として掲げるのはたとえば「駐車場経営」等です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　公認会計士・赤塚和俊

轟木さん、赤塚先生、ご回答ありがとうございました。
ご意見を参考に検討してみます。

たとえば、案（１）のように５つの事業に分けて設けた場合には、事業計画書・報告書、決算書もその事業ごとに記載しなくてはいけないのでしょうか？記載例を見るとそのようになっているのですが。
もしそうであれば、結構面倒になるので、案（２）の「移送サービスに関する事業」と「その他目的を達成するために必要な事業」の２つだけにしようかと思いますが…。

もう一つ質問です。分けなければいけないとすると、案（２）の場合には、「その他目的を達成する事業」としてバザーや広告掲載の収入・支出をその事業の事業収入・支出として記載するのでしょうか？