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利益相反に関して 投稿者:NPO事務局 投稿日:2006/02/09(Thu) 23:18:00 No.5654
NPO法人と企業が共同で国からの委託事業を遂行する場合の利益相反に関して、
質問をさせてください。

国の補助金で行っている研究から企業とNPO法人がそれぞれ外部委託され、
共同で研究・事業を行うプロジェクトが進行しております。
今回その企業より別途顧問契約を結ばないかとの提案を受けました。
この顧問契約に際し、NPO法人が契約を結ぶべきか、実際に業務に携わっている理事が
個人で契約を結ぶべきか、迷っています。
問題は、国の研究費から委託されて共同で業務を行っていますので、
顧問料がその研究費の一部をNPO法人に還元されているという疑惑を招く心配が
あるかという点です。

この場合、
1.NPO法人が企業の顧問になる。
2.NPO法人の理事が個人的に企業の顧問になる。
3.国からの委託研究を共同で行う間は、上記のいづれも顧問契約を結ばない。
などの方法が考えられますが、法的・倫理的にはどうしたらいいのか、
ご教示いただければと思います。
Re: 利益相反に関して 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2006/02/19(Sun) 12:14:00 No.5655
NPO事務局さん

1、ご質問の事案の場合、「NPO法人が企業の顧問になる。」ということは、共同で受託した事業とは別の事実関係ですから、その受託事業との関係では利益相反の問題ではありません。
「 顧問料がその研究費の一部NPO法人に還元されているという疑惑を招く心配」があるか否かについては、確かにその心配はないわけではないと思います。
しかし、仮に見当違いの不当な「疑惑」であっても、そのような「疑惑」が生じることが社員の信頼や対外的信用(とりわけ委託者の受託者に対する信用)を損なうおそれがあるのかどうかなどを考慮して、どうするかはご自分たちで決めるべき問題であると思います。

2、「NPO法人の理事が個人的に企業の顧問になる。」というのは、そのNPO法人と理事との間での利益相反の問題となります。それを念頭に置いた上で、理事会で、ある理事個人がその企業の顧問になることを許容するかどうかはその団体の自由です。

弁護士 浅 野  晋

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