弓指さま、
ご投稿をありがとうございました。整理してご質問していただきましたので、
その順番にお答えしたいと思います。
1.のご質問は、住宅ローンをはじめ、NPO法人では融資を受けられない
のではないか、ということですね。
NPO法人だから法制度の上で融資を受けられない、ということはありませ
ん。むしろ、任意団体では個人での契約しかできないので融資を受けられな
かったのが、法人になったために融資が受けられた、というケースはありま
す。
しかし、金融機関が、NPO法人に融資をしたいと考えるか否かは別な問題
です。このシーズのホームページのトップページに紹介しているニュース
(過去の分を含め)のコーナーを見ていくと、岐阜信用金庫のNPO専用ロ
ーン、奈良中央信用金庫の「ちゅうしんNPOローン」、中央労働金庫の
「NPO事業サポートローン」、東京都内の9信用金庫が無担保で上限1千万
円を限度に融資する「東京市民バンク」などが見つかります。
また、信金中央金庫(旧全国信用組合連合会)は、調査の結果、「NPO活
性化は信金にメリット」があるとして、今後は信用金庫とNPOとの関わり
を深める方向性であるとしています。
(これに関する記事は、
http://www.npoweb.gr.jp/newsinfo.php3?attrid=1&newsid=441 をクリックしてください)
よって、NPO法人であっても、事業の有効性や今後の発展性などを説明し
て、相手方を納得させることができれば、金融機関から融資を受けることも
可能になる場合があると思います。
2.は出資金についてですが、「出資」という言葉は、株式会社において使
われるのが普通です。組合法人にも使われることがありますが、これは組合
法の中にその内容が定められています。日本において、一般に、出資の概念
は株式会社において支配的なために、NPO法人の場合は、所轄庁も「出資」
を認めたがりません。
また、出資は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」の
よって規制がありますから、注意が必要です。
弓指さんの団体では、建築資金のためにお金を集めたいということですが、
1口10万円の金をもらったままで返さないということなら「出捐金」(寄附)
ですし、返すのであれば「借り入れ金」です。借り入れの場合は、NPO法
人と個人との間で、何らかの契約を結ぶという形になると思います。多くの
方から借り入れる時でも、それぞれ何らかの契約を交わすこととなります。
では、またご質問がありましたら、お寄せください。
シーズ事務局・轟木 洋子